3671.インドネシア語とモーラ



インドネシア語とモーラ
From: 得丸

皆様

−1− インドネシア語のモーラ
話題になったインドネシア語とモーラについて少し調べてみました。

ネット上で出会った論文(ひとつしか目を通していませんが)によ
れば、インドネシア語にモーラはないようです。

http://nihongo.human.metro-u.ac.jp/~nishigori/paper/kitekitte.pdf

英語や中国語(北京語),韓国語,インドネシア語には拍のような
単位はない。ただ,ミャンマー(ビルマ)語やアラビア語には存在
する。

アラビア語とミャンマー語にはあるということですが、日本語と同
じように文字に対応しているのかどうか、わかりませんでした。

どうして日本語にモーラがあるのか。これはあくまで想像ですが、
音節文字である平仮名・カタカナが生まれて、それにもとづいた表
記をするようになったために、モーラ(文字数)を意識して発音する
ようになったからかもしれません。

あるいは漢字でできたお経を読むにあたって、リズムをつけたほう
がいいから、モーラを重視したのかもしれません。

アラビア語がモーラをもつというのも、コーランを読むためには、
リズムが必要だったからかもしれませんから。ミャンマーも仏教国
だから、お経を読むためにモーラがあるということはあるでしょう
か。上座部だから、パーリ語の経典になりますが。
でもこの説明だと、他のイスラム教国や仏教国でどうしてモーラが
ないのかを説明しなければなりません。

−2− 二重分節 (Double Articulation)
二重分節というのは、意味の単位である単語が、さらに意味を伴わ
ない音素・音節へと分解できるという意味のようです。日本語wiki
が存在していないので英語を訳して載せます。

ここでの「節」は、どちらかというと「関節」や「結節」、「つな
ぐ」という意味であり、無意味な音響要素(音素)をつないで単語を
つくり、さらに意味のある単語をつないで文章をつくるといった意
味でつかわれているようです。

鈴木先生は、どちらかというと「分ける」、「区切る」という意味
で「分節」という単語を使っておられました。金谷さんは、どちら
の意味で使っておられたのか、あるいはさらに別の独自の意味で使
っておられたのか、あるいは特に意味を与えずに使っていたのか、
疑問です。

「分節言語」、「二重分節」といった概念は、言語を考えるうえで
非常に重要な概念であるにもかかわらず、定義の統一すらできてい
ないというのは、言語学の怠慢なのでしょうか。ただでさえ複雑で
ある言語の起源やメカニズムを考えるにあたって、共通概念がない
というのは厳しいですね。

以下ウィキペディアより

言語学において「二重分節」あるいは「二重パターン化」というの
は、音声の流れが意味のある象徴と、さらに、意味のない要素へと
二重に分化されることをさす。
たとえば、英語で「キャット(猫)」というのは意味があるが、それ
は意味のない3つの音素[k][ae][t]から構成されている。
たくさんの概念が、少数の離散的な音響要素(音素)の組合せである
ことは、ヒトの言語において重要な特徴である。

とくまる

Double articulation
(From Wikipedia)

In linguistics, the term Double articulation or Duality 
of Patterning refers to the way 
in which the stream of speech can be divided into meaningful signs, 
which can be further subdivided into meaningless elements. 

So for example, the meaningful English word "cat" is 
composed of the sounds [k], [ae], and [t], which are meaningless 
as separate individual sounds. 

As explained by Charles F. Hockett and other linguists, 
this is an important property of human languages, 
since it allows for the expression of a large number of concepts 
using combinations of a small number of discrete sound elements 
or phonemes. For further discussion, see figurae.


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