3657.江戸時代後半=今の世界



江戸時代の後半は、現在の世界と同様な経済政策の混乱があった時
代である。元禄時代までは農業生産が拡大していたが、開発できる
農業用地がなくなる。このため、黙っていても経済成長していた時
代から経済停滞時代になる。このため、荻生徂徠や春台が経済政策
を立案することになる。

金融政策は荻原重秀が金貨の質を落として通貨供給量を増やす政策
をする。商品作物が出てくるが、通貨供給量がそれに見合っていな
かったことでデフレになるがそれを抑えることができた。しかし、
この政策を新井白石は批判して、萩原を更迭する。経済金融政策を
知らない新井白石は、失政であった。

もう1つが、井草、和紙などの商品作物は、全国で売ることを目標
に作り、この流通体系ができて、経済は藩独自から日本全体で考え
ることが必要になる。

しかし、藩が経済圏であった時代から日本全体が1つの経済圏にシ
フトしているのに、1つづつの藩経済だけをどうするべきかと論じ
ていた。藩は商品経済を隆盛にしていくことが重要と言ったのが大
倉永常である。これは日本全体を1つの経済圏と見ないと出てこない。 

現時点、日本は1つの藩と見て、世界をその当時の日本と見ると、
状況は非常に似ている。このときに大倉永常ならどうするか??
おそらく、日本の特産品を作り、その輸出で経済を成り立たせ、日
本人は世界に出て商売をしろでしょうね。 

韓国や新興国を見ると、江戸時代の藩と同じように商品を世界にと
いう経済政策を取っている。経済も世界的な競争で1企業が競争で
きる範囲と、国が前面に出て行く分野と2つに割れる。このハンド
リングが重要なのである。

世界経済には、世界に通用する共通の通貨が必要であり、それが現
時点ではドルである。江戸時代は幕府の金貨、銀貨、銅銭が標準で
藩には藩札があるという体制である。

江戸時代が終焉するのは、江戸幕府より薩摩・長州が商品作物で裕
福になり、経済的な意味でも江戸幕府を仰臥したことで、英米が裏
で支援されたことで主導権を握ったことによる。

ここでも米国と中国のGDP差が詰まると、いろいろな問題が出て
くると見るが、どうであろうか??

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