廊下の文明、離れの文明:反日と親日を説明するもの 得丸さん 返事遅くなりましたが、 廊下の文明、離れの文明は、面白いのかもしれません。 地理が、人間の思考に影響を与えるものとしては、和辻哲郎『風土 −人間学的考察』が有名です。読まれましたか? あと、次の得丸さんからのメールですが、 だから正しい宗教を世界に広める必要があるのですが、なかなかみ んな自己中心的だから受け入れないのでしょうね、厳しい宗教をに ついてですが、正しい宗教、と言ってしまうと、また一神教のよう になってしまう可能性があると思います。 あと、 宗教については、橋本治が「宗教とはイズムである。生き方を自分 で考えられない人が誰かの見つけた生き方を踏襲するためのもの」 といっています。 についてですが、そういう面は確かにあると思いますが、私は、重 要な点を次のように考えます。私たちの人生は理不尽なことでいっ ぱいです。「なんでわが子は死ななければならなかったんだろう」 「なんで私だけこういう病気にかかっているんだろう」とか。その 時、人知を超えた理屈をどうしても想定しなくてはならなくなる、 そこに宗教が生まれるというのが私の説です。どう思いますか? 林 ============================== 得丸さん 「離れ・行き止まりとは、人間が移動しにくい、敵が攻めてきにく い土地。平和に暮らすことができる場所。だから、人々の生活、思 想、文化、すべてが平和なものになる。相互信頼の文化が生まれま す。南アフリカ・インド亜大陸・日本・台湾は、「離れ」にカテゴ ライズされます。」 ですが、インド史の立場から言わせてもらうと、インドは外からの 侵入を受け入れてばかりの歴史です。他方、インドは、外には侵略 しない歴史を持っています。これらは、インド史において、他の地 域の歴史と違う決定的に重要な点です。 林 ============================== 林さん、 コメントをありがとうございます。 > インドは外からの侵入を受け入れてばかりの歴史です。 とおっしゃいますが、どれくらいの頻度でしたか? 韓国というか朝鮮半島では2年に一回侵略戦争が起きていたそうです。 それとどれくらい違うのか、興味があります。 得丸 ============================== あと、インド研究の友人からメールが私宛に届いたので紹介します。 Quote: 頻度というと難しいですが、インドはデリー・スルタン朝(1206〜 1526)以来、外来のムスリム政権がとても重要です。デリー・スル タン朝はデリーを中心とする北インドが中心ですが、その後の(や はり外来のムスリム政権の)ムガル帝国(1526〜1858)になると、 インドのほぼ全域を一時期支配したこともあります。 18世紀からはイギリスのインド進出も目覚しいです。イギリスも外 来政権です。 ムスリム政権ではないですが、古くは、クシャーナ朝(1世紀半ば 〜3世紀前半)も外来政権です。 但し、インドのすごいところは、インドはそれら外来のもの全部を インド世界の中に融合させてしまうところにあります。ここがイン ド史のポイントです。 Unquote: 得丸