3612.国の役割は安全保障



ツイッターを初めて、つぶやきを聞いていると安全保障と経済問題
が区別されてなく、かつ安全保障とそれ以外との区別もできていな
いことが多い。日本の戦略として安全保障と経済をどう考えるべき
なのかを検討したい。

国民の生命・財産・文化を守ることが国の役割の根幹である。これ
は、他国の侵略などを防ぐことである。この国の役割の根幹が安全
保障である。経済問題は、国の関与より民間企業などが行うことで
あり、国の役割は企業のバックアップである。自国企業の競争力を
高めて、国際競争に勝てるようにすることと、将来の産業を育成す
ることである。このように経済は民間が主導して行うことである。
               津田より

0.はじめに
日本の有史以来の歴史を見ると、安全保障上の深刻な問題がない。
他国からの支配をほとんど受けていない。有史以前には神武東征な
どと言うことがあったようであるが、有史以後にはない。ただ、唯
一の例外が第2次世界大戦の敗戦で、米国に支配されて政治・教育
システムが根本から修正されたことで、日本の伝統文化の一部が大
きく変質したことである。

しかし、この米国支配が穏やかであり、国民の多くが豊かな生活へ
の道筋ができて、支配に入った後は、安全保障上で最大の問題であ
る生命を奪われることはなかった。米国の支配の影響は今でも強く
残っているが、あまりそれを問題視しないのは、それの方が良い部
分があるからだと見る。

このように安全保障上での問題が歴史上にないことで、安全保障問
題を軽視する日本人が多いように感じる。しかし、お隣の韓国は、
何回も他国支配、他民族支配を受けて、苦難の歴史を送っている。

中世以降の13世紀には中国の元に攻められて全土で数万人の死者
を出した攻撃を数回も受けて、最後に高麗は元の属国になる。元寇
の役で日本を攻めたが、そのときも攻撃の中心の兵士は高麗人であ
り、ここでも数万人が死んでいる。この後、今後は倭寇の攻撃に遭
い、全土でこれも数万人以上が死んでいる。またその後、豊臣秀吉
の朝鮮侵略でも数十万人程度の死者が出て、かつ多くの陶器職人や
文官が日本に連行されている。この職人が白磁の有田焼きを作るこ
とになる。

このような安全保障上の問題が出ると経済活動はできなくなり、安
全の確立が優先することになる。このため、戦乱が起こると流通活
動や食糧生産もできずに、餓死者が出ることになる。このような他
国からの侵略を受けていない日本は、その深刻さに対する危機意識
が少ないように感じる。

1.安全保障の現状
このため、経済問題と安全保障問題を区別しないし、アジア全体の
情勢を見て安全保障問題を考えない。現時点、韓国と北朝鮮は新た
な戦争になる可能性を秘めた状況にあり、韓国にとって、普天間お
よび沖縄の米軍が必要な状況である。安全保障は国内問題と同時に
国際問題であることを認識するべきである。東アジアの安全保障に
大きなインパクトを与えるために、日本の提案も東アジア全体の安
全保障を考えた提案であるべきだ。

中国の海軍力増強で、世界最大の900隻もの艦船を有しているこ
とでアフリカ・中東から中国までのシーレーン防衛を行い、かつ、
余力ができたので、太平洋に乗り出し始めている。将来はハワイか
ら西側を中国海軍で、東側を米国海軍の領域にするという長期計画
が中国はある。

この状況を見て、米国は海兵隊のメインを中国からの防御できるグ
アムに撤退させて、普天間を有事の際の集結基地化する方向である。
ということは、ほとんど使用しない普天間の安全は確保されている
ことになる。

安全保障がシッカリしていれば、経済的な活動はある程度自由にで
きる。中国との経済的な結びつきも安全保障が確立しているとある
程度、強固に出来ることになる。FTAなどの経済的な結びつきも
できるし、経済的な関係ができると、中国との関係もよくなる。こ
れは、最終的には安全保障上でも有効である。

しかし、中国の非民主化を頑なに守り、かつ周辺諸国に軍事的な脅
威になり始めている現状の認識は重要である。安全は事前に備える
ことである。中国海軍力に対抗するためには、一国での安全保障は
無理がある。このため、民主国家群との同盟が必要になる。

歴史的にも、第1次大戦前のヨーロッパが良い例である。経済的な
関係ができて、ヨーロッパ全体が一体社会になり、今後ヨーロッパ
では戦争は起こらないと知識階級の多くは思ったが、そうならなか
った。現時点、北朝鮮と韓国の問題があり、戦争のない状況ではな
い。身構える必要がある状況だ。

2.経済活動
経済活動は民間が主体であり、企業や個人が利益を追求する世界で
ある。このため、安く仕入れて国内で高く売る行為は正常的な経済
活動である。中国から仕入れて日本や世界で売ることは何も問題が
ない。

米国も欧州も、このために中国との貿易を制限していない。しかし
、中国が元の為替交換基準を不当に安くしている問題は、経済活動
の正常なルールを逸脱しているので、欧米諸国は問題にしているの
だ。通貨基準がおかしい国は中国とドイツである。人民元は不当な
為替介入で低くなっているし、ドイツに対しては共通通貨ユーロが
ギリシャなどの経済的に弱い国に引きずられて低くなっている。

日本は為替取引を自由化しているので、思惑的な取引で現状では、
相当高い水準になっている。このため、国内から企業が東南アジア
にシフトしている。製品価格も韓国ウォンが安いために、価格的に
負けている。このため、日本は苦境の中にいる。

3.今後の見通し
しかし、日本の財政問題に火がつくと国債の金利上昇が起こり、円
の大暴落になる可能性がある。国債消化ができないと、その時点か
ら日本への見切りが始まる。海外投資家は空売りから入ってくるの
で、現時点の円高が反論の理由にならないことになる。

もう1つには、石油も食糧も中国とインドなどBRICS諸国の需
要が活発になり、円安にならなくても価格が上昇することになる。

このように経済的な問題も出る可能性が日本にはある。民主党政権
で大きな苦難に陥る可能性が高まっている。大幅な円安になると石
油や食糧が高騰してくる。国内価格が上昇してしまい、全ての物が
高くなる。この時、安い国内の生産品に消費者は戻るしかない。

しかし、その切替え時の混乱の時期は安全保障上の問題になる。食
糧危機になるためで、この備えが必要である。コメの備蓄を開放し
て、コメ価格を高騰させないようにするのが政府の役割になる。
経済活動の混乱対応も安全保障として確立することが必要である。
とすると、資源についても同様なことになる。

この混乱収拾後の準備をしていることも政府としては重要になる。
一番重要なのが農業と林業になる。石油高騰で高くなるプラスチッ
クの変わりに加工がしやすい安価な木材の需要が増え、海外の食料
品から国内生産物にシフトするために、農業が活気つくことになる。
就職氷河期は終焉して、再度、若手は金の卵になる。就職先は農業
と林業になる。漁業も。

また、海外に移転していた工場が日本に戻ることになる。日本のほ
うが賃金が安くなるためである。ここでも就業員が不足することに
なる。

もしかすると、この混乱の負組は、貯蓄していた金が1/3程度に
目減りする団塊の世代かもしれない。年金も1/3になり、生活も
できなくなる可能性も感じる。準備が必要なのは団塊の世代かもし
れないと40代の人たちと話をしていて思う。

4.最後に
 勝組と思われていた団塊の世代は、今後負組になる予感がしてな
らない。どうか団塊の世代の皆様は準備をしてくださいね。

さあ、どうなりますか??
==============================
2158.日本の理想的な国とは
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/k7/171030.htm

日本の本来の理想姿は何であったかと問い、現在の日本を見直す
ことが必要である。               Fより

日本はやっと、バブル崩壊後の苦難な時期を過ぎた。ここからは
日本が古来からの理想像を追い求める国造りをするべきである。
この理想の国家像は何であったかを再度考えるべきである。欧米の
あり方は、日本の理想像からすると、おかしいという思いがあるが
、その根本の思想にある。これは別の機会で論じるが、まず日本の
理想像は何か

日本の国家の思想像は、中国思想の影響を受けているが、
第1に、聖徳太子が制定した「和」の思想でしょうね。国民が皆、
平和に暮らしていくができるようにする。内部の紛争は話し合いで
解決することである。平和と話し合いの精神である。政権交代も選
挙などの平和的手段で行う。外部の敵に対しては、日本全体が一丸
となって向かう。

第2に、国民生活に過度に政府が介入しない。税金も過度でないレ
ベルにする。過度な行政を嫌う。国民がやる気を出すようなバラン
ス感のある堯舜の政治である。それと、財政規律が必要。過度な貧
富の差も嫌う。国家としての中庸と言うポジションが重要。

第3に、困っている人には手を貸す仕組みを備える。過度なレベル
ではなくて、本当に困っている人だけに、福祉的な恩恵を与える。
これにより、社会的な平等感を増すし、治安が良くなる。

第4に、循環システムを確立して、自然との調和を持った社会にす
る。里山や用水池、廃品回収などの仕組みを備える。

第5に、海外からの移民、特に技術や文化を持っている人たちを、
日本は積極的に受け入れることが重要である。中国や朝鮮からの旧
王族や貴族の移民を受け入れて、日本文化は一層の発展をしている
。秦氏の存在や五山文化など。日本の文化に別の要素を足していく
ことが出来ている。中国や朝鮮は旧王朝の文化を否定したために、
国内では破壊されて、日本に残っていることが多い。

第6に、日本のアイデンティティを守るために、他国から干渉を排
除したり、他国の文化を導入するなど、巧みな外交を行う。

というようなポイントが日本の理想的な国家像ではないかと思える。

これに従って、現在の日本を見ると、財政規律ができていない。
この問題点があり、どうこの問題を解決するかを、まず考える必要
があるが、治安や平和や福祉をしないという政治はありえない。

この観点からすると、防衛経費や警察、河川や道路、交通機関など
の防災経費を削減すると国民への被害が大きくなるために、削るこ
とは難しいと思う。本来の国の役割はこの機能である。そして、安
全保障面から米国との同盟は重要であるし、ある面で米国に譲歩す
ることも必要である。国の基本。

もう1つ、福祉、特に年金などの制度を維持するためには経費が必
要になる。特に今後老人人口が増えるために、老人を全員福祉対象
と見ることが出来ない。高所得者には年金を出さないなどの対策が
必要であるが、維持することは絶対必要である。人口が減少するた
めの対策にも、経費が必要になる。優先順位が次に高い。

次に、循環システムがある、日本の自然観にあった仕組みを維持す
ることは重要である。この仕組みは縄文時代からの自然信仰からの
物であり、日本やケルト、インディアンなどしか残っていない文化
である。森を大切にすることが自然を取り戻すことになる。
日本が、世界のために維持しなければならない思想であり文化であ
る。この役割に無職者を当てて、救済を行うことができればいいと
思うが??

このような優先順位をしてから、国の財政を見ると何を守るべきか
が分かると思う。

農家に過度な補助金を出したが、跡継ぎがなく衰退した。これは企
業を農業から排除したからで、企業を早く農業生産に関わらせる必
要がある。農業が衰退すると国土の農山林の維持が出来ずに、循環
システムの基盤を失うことになる。日本の農業政策が農民保護とい
う面しか考えない弊害が、今大きくなっている。この転換を図るべ
きである。農地法があるために、都市から退職者を誘致することも
できない。農業を農民しか出来ない現状は、農村に住む価値を減少
させている。早く、この現状を改善するべきである。

政府金融機関などの優先順位の下位の機関を減らして、要員を減ら
すことは必要である。行政機関の要員を一律に削減することはいけ
ない。警察官などを今以上に削減するのは反対である。本来国が果
たさなければならない機能は強化するべきである。FEMA要員を
削減して、カトリーナの災害を招いた米国と同じことをしてはいけ
ない。

また、ある程度の累進制は必要であると見る。米国文化のマネをし
て金持ちを優遇する累進制緩和には反対である。もし、金持ちが日
本から出て行くと言うなら、行けばいいではないか。勝者が全てを
取るという米国文化を無条件で持ち込むのは間違いである。貧富の
差をあるレベルに押さえる中庸という考えが必要だ。

このために累進制があるので、企業や個人の儲けが大きい時に財団
などに出資されて、国際的なことや文化的なことに金が回るように
して、日本文化を高かめるべきである。今後も日本企業は世界的に
ビジネスするために儲けが大きくなる。世界で活躍するトヨタやホ
ンダを見れば分かる。

それと機会の平等性を日本は大切にしている。このため相続税も高
い。このような税金はそのままにするべきである。これにより、今
後の高齢化社会では相続税により財政基盤を確立できるチャンスが
ある。そして、なるべくなら、消費税は10%程度を上限とするべ
きである。
==============================
2315.日本の目指すべき目標
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/k8/180413.htm

日本の目指すべき目標を検討する。        Fより

米国とイランがハルマゲドンの最終戦争に突入しそうな状況である
が、この戦争を抑止できる国際的な政治力がないことに非常に残念
な思いを味わっている。

日本の目指すべき目標は何か??
ということで、この目標をハルマゲドン戦争の防止として、このコ
ラムを始めたが、残念ながらその目標を達成できない状況になって
いる。本当に残念である。

再度、目標を立て直す必要が出てきている。
日本の目標は、ただ単に日本の富を増やすことではなくて、日本の
国の価値を高めて、この国の価値で世界に平和と安定、富を提供す
ることであると考えている。

ドイツ人のシュタインは、「世界の文化はアジアに始まって、アジ
アに帰ってくる。それはアジアの高峰日本に立ち戻らねばならない。
我々は神に感謝する。我々に日本という尊い国を作っておいてくれ
たことを・・・」と日本と賛美したが、今、この言葉を実現する必
要を世界は日本に感じている。特に、米国は自分で世界の問題を解
決できなくなっている。誰かに任せたいと思い始めているようだ。

なぜ、日本なのか??
日本は、、世界にも稀な純粋な農耕民族国家であり、その農耕民族
が収めている同一民族の国家で、基本的に平和で、少数の異民族と
の和を尊ぶ民族である。異民族戦争の悲惨さも知らない。このため
、数千年前からアミニズムの神道を信じている。その中に自然崇拝
があり、祖先との輪廻を信じている。

この日本の文化から出る政治力を今、世界は必要としているように
感じる。一神教のキリスト教国家である米国やイスラム教国家のイ
ランの考え方では、平和な地球を構築できない。悪と正義の戦いを
既定してしまう。そこには話し合いという妥協を許さない。日本人
は、何かケンカが起きると、話し合いで解決しようとするが、その
余地を作らないのが日本以外の世界である。

ジョセフ・ナイのソフトパワーが日本を高めているという気がする。
寿司や天ぷらなどの日本食、宮崎駿の劇画や畳などの家具、それと
車などの日本文化を体現している物が世界的に売れている。その裏
打ちしているのは、神道精神というソフトパワーであると見ている。

そのソフトパワーを世界に見せたのが、サマワでの日本の自衛隊の
行動であった。軍政は難しい。サマワで日本はその地域の郡長たち
と個別にそれぞれの要望を聞き入れて、対応したために自衛隊の居
るサマワは他県に比べても平和な地域になっている。郡長とその部
下たちが自衛隊を守るために、テロ組織が自衛隊近傍に長くいられ
ない。このため、一過性の事件でしかない。不満があると事件を作
る郡長はいるが、それに対して、日本の自衛隊は不満を聞きに行く
という他軍では、考えも付かない行動をしている。

自衛隊を護衛する豪州軍が日本の自衛隊といると自分たちも安全で
あり、自衛隊が居る限り、自分たちも日本の自衛隊と一緒にいたい
と言わしている。軍の統治は難しいが、これを見事に成し遂げたこ
とで、自衛隊への期待感が米軍やEU軍で増している。

日本人の精神がこのような行動を起こしている。自衛隊の隊員が特
殊な日本人ではない。礼儀正しい一般の日本人の意識と同じである。

外交力は軍事力の質で左右されるが、今までの軍事力とは違う、異
民族間のいざこざや異国での軍政など、PKOで日本の自衛隊は大
きな力を発揮している。この軍事力を有効に活用して、日本は外交
力、国際政治力を高めることが必要になっている。

そして、その日本の外交力で、世界に平和を築くことが当面の目標
でしょうね。まずは、ハルマゲドンで核の汚染が起こる中東地域で
の除去作業と核兵器の破棄を推進することだと思う。

コラム目次に戻る
トップページに戻る