3610.廊下の文明、離れの文明



廊下の文明、離れの文明:反日と親日を説明するもの
From得丸公明

皆様

昨年の夏合宿では、韓国の金甫空港に到着後まっすぐ38度線の国境を目指し
て、貸切バスで移動しました。道路は川沿いに進むのですが、川から敵が上陸し
ないように鉄条網と監視所があったのが印象に残りました。

38度線の国境(国境と呼ぶのが適当かどうか、、、)には、平和や統一を望ん
でつくられた駅や公園もありましたが、むしろ警備の様子や行き止まった駅の感
じは、今なお緊張状態が続いていると感じました。

このところ金芝河や韓国合宿について思い出すのは、台湾のことを勉強しはじめ
たからでしょう。

台湾も、向い岸にある中国の存在や、1945年以降の外省人による支配など、
いろいろと緊張しておかしくない状態にあるのに、台湾からは逆に平和な雰囲気
を感じるのはどうしてだろうかということを、考えていました。


実は週末の金曜日朝から夕べまで、一九会道場という禊ぎ道場にこもっていまし
たが、神道における禊ぎとは本来ひとりひとりが神であることをたしかめるため
に、余分なものを禊ぎ祓う行為であると思いました。そして、これはすべての宗
教(多神教)が根源的なところでもっている教えではないかとも思いました。一
神教は違います。

世界において、宗教が生まれた土地はゴンドワナランドとユーラシア大陸の衝突
地点です。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、どれもそれがあてはまり
ます。

古代文明発祥の地は、ゴンドワナランドとユーラシア大陸の衝突地点のほかに、
中国、中南米とありますが、人類発祥の地である南アフリカと中南米に共通する
のは、巨大隕石衝突地点です。(中国で文明が生まれた理由、そして日本列島と
いう独自の文明や宗教が生まれた理由も、もしかしたら隕石衝突があるのでしょ
うか? なぜ日本列島は生まれたのか? 興味深い。)

平和の文明や宗教と、戦争の文明と宗教という大別をしたときに、パレスティ
ナ、メソポタミア、インダス、中国、マヤ・アステカ、南アフリカ、日本という
聖地の違いはどこにあるのだろうかと考えてみると、「廊下」か「離れ」かの違
い、あるいは「交差点」か「行き止まり」かの違いがあると思うのです。


廊下・交差点とは、人間が移動しやすい、民族が行き交う土地。ここではどうし
ても平和に生活することができない。そのために歴史的にたくさんの流血が起き
てきた。ここでは相互不信の文化が生まれます。中東・メソポタミア・中国(中
原)・朝鮮半島は、「廊下」にカテゴライズされます。

離れ・行き止まりとは、人間が移動しにくい、敵が攻めてきにくい土地。平和に
暮らすことができる場所。だから、人々の生活、思想、文化、すべてが平和なも
のになる。相互信頼の文化が生まれます。南アフリカ・インド亜大陸・日本・台
湾は、「離れ」にカテゴライズされます。

中南米は人類の科学技術が原始的であった時代は「離れ」的に生活できました
が、大航海時代以降は「廊下」扱いになった。


このあまりに単純な地理決定論がどこまであてはまるか、まだ検証していません
が、同じ日本の海外領土であった朝鮮と台湾における反日感情と親日感情の違い
を説明できるのは、意外とそんなものかもしれないと思ったのです。

得丸公明




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