3599.日本衰退の原因と対応



日本の国債が大量に累積して、財政健全化だけでは国債の償還がで
きない事態になっている。そして、日本国債を買い取れる銀行の預
貯金が目減りし始める。このため、日本国債の格付けは米国債より
低いので、米国債の金利3.5%より高い4%〜6%でないと諸外
国投資家は見向きもしない。現時点の金利1%であり、4倍程度に
その金利が上がることになる。      津田より

0.現状分析
現状の予算に占める国債費は20兆円(20%)であるが、これが
4倍になると80兆円規模になる。国家予算は90兆円であり、こ
の実に90%程度が国債費になる。これでは予算が組めない。

22年度の社会保障費は27兆円であるが、これをこのままの給付
基準でも10%程度の大幅増加になる。年間3兆円程度の増額が待
っている。22年度予算では、防衛費5兆円、公共事業費6兆円、
文教費5兆円であり、いくら他予算を削減しても社会保障費の増額
を購えない。この上に「子供手当て」の増額が来ますから、後2兆
円程度の予算増加が必要になる。5兆円の増加と言うことは防衛費
と同程度の予算増加になる。

この上にネット上ではベイシックインカムをやろうと言う意見があ
る。しかし、この社会保障費の増額に日本の国家予算は対応できな
い。BIを米保守党が言っているのは、この仕組みで社会保障事務
に携わる省庁を廃止して人件費を大幅にカットして、国税庁だけの
事務でできるのでOKというし、かつ社会IDが無い人と自己申告
しない人は対象外になる。米国の州都は不便な田舎にあり、貧しい
自動車がない黒人は申告が出来ないために、そう言っている。

今の民主党政権の基盤は、自治労であることを思考のベースにする
と、労働組合が省庁廃止を納得しないし、確定申告は全員すると見
ないといけない。というように日本では予算増加になる。

ようするに、今後、社会保障費の減額に取り組むか、増税に取り組
むかの選択が必要になる。その増税で、日本企業に人頭税や40%
以上の課税をすると、日本脱出が加速して日本は産業空洞化するだ
けである。民主党支持者・労組の人は、すぐに企業増税を言うが、
それは民間組合員は、自分の職場を失うことになるだけである。

このため、できるのは現状の2000万円所得者以上の逆累進性を
直すことである。5兆円程度の増収ができる。金利上昇の国債費の
増額に消える額である。

このような現状に、鳩山首相は消費税を4年間は上げないと言う。
その意味するところは、部分増税は出来るが大幅増税はできなく、
社会保障費の減額しかないことになる。まず新設の「子供手当て」
を行うかどうかでしょうね。

日本の予算を大幅に切り詰めるしかない。聖域はない。事業仕分け
は重要であるが、その観点はムダなものである。ムダの観点は、民
間が行なえることに政府は手を出さないことである。このためには
、政府の規制を外すことである。新しい公共とは規制を外して民間
活力を利用して、今まで国や自治体が行っていたことを民間ができ
るようにすることである。

こうすると、自民党小泉政権で言っていた民間活力を取り戻すこと
に尽きることが分かる。もちろん、小泉政権とは違い労働者の権利
は保護して、主に公共福祉事業に民間を入れることである。

1.円暴落で
しかし、今、もう1つの対策が必要になっている。ヘッジファンド
が狙う国債や円の暴落に備えることである。1ドル=360円にな
ることを想定した準備をすることであるが、面白いことになる可能
性も出ている。

輸入品(石油、食糧)は大暴騰することになる。一番大きいのは、
石油、LPGなどのエネルギー・資源系である。特にプラスチック
は大変高価になる。このため、プラスチックの代わりは日本にある
竹や紙、ビン、木材などがカバーすることになり、電気も価格的に
自然エネルギーにシフトすることが必要になるはず。

もう1つが、食糧である。化学肥料を使わない有機農法が有利にな
る。産業構造も変化して、製造業から農林水産業に人がシフトする
ことになる。水産業では養殖ができているし、農業では有機の水耕
栽培ができている。

もう1つが、リサイクル産業である。ここでも準備ができている。
鉄鉱石や石炭は値上げされるが、くず鉄が日本には大量になる。石
炭の変わりに木炭を利用できれば、その木材はまだ手つかずにある。

これは、循環型社会になるキッカケになりそうだと予感できるし、
日本は必要な環境技術を確立してきている。それぞれの分野の技術
者達は、日本の10年・20年先を見通して準備をしているが、そ
の開発した環境関連技術が日本を助けそうである。

製造業が東南アジアや中国にシフトしたが、その日本企業が戻る契
機にもなる。というように黒船は日本に大きな社会転換を齎す事に
なると見ている。

しかし、大きなショックになるので、現状職がないような人たちに
は、大きな犠牲を強いる可能性があるし、年金生活者の老人層にも
大きな犠牲を強いることになる。餓死者も相当に出ることを想定す
るしかない。社会的な混乱も起きるはずである。

2.日本衰退の原因は?
 指導者の質が低下したからであると見ている。田中角栄を英雄と
して日本人の多くは見ているが、この政治家で日本社会は変質した。
それまでの戦後の政治家は、敗戦国日本をどう立て直すか、無私無
欲で政治をしたが、この角栄からは政治家は1つの職業となり、一
番儲かる職業となる。

この角栄の政治現場に私はいた。法人会の会長をしていた義父と一
緒に嘆いたのを覚えている。郵貯資金を私物化して、義父が推薦状
を書き、大蔵省資金運用部に行くと、無審査で融資していた。銀行
から断られた融資を無審査で行うことに義父は憤慨していたし、
1000万円の20%を政治資金として寄付させられた。手にするのは
80%である。

その後、社会保険庁などの役人達は、有力政治家が依頼すると全国
にホテルを立てる。このホテルの運営を外部団体にして天下り先と
した。そのとき、官僚が日本人の平均寿命は60才だから、現行の
保険制度では大きな余剰金が出るので、全然心配はないと義父に言
っていた。このように政治家から官僚に無私無欲に日本国を良くす
ると言う意識が無くなっていく。

普天間基地の移転先である辺野古周辺を10人以上の政治家が買っ
ているのも、角栄から始まっている。このように政治家を儲かる商
売にしたことで、日本の民間が稼いだ富は、政治家により消耗させ
られてきたのである。これでは民間企業は給った物ではない。

その行き着く先が、日本国債など政府債務がGDP比220%にも
なるのだ。日本の繁栄より、自分の富を優先した政治家が自民党に
多かったことで、日本は潰れることになる。

しかし、民主党の小沢さんたちも同じように自分の利を優先してい
ることが判明した。民主党も自民党と同じ狢であると思った途端、
日本の将来は潰れると思うしかない。

3.今後の対応は
もう1度、日本の指導者教育をやり直しである。論語教育が必要で
あると見る。日本のためにリーダは無私無欲で日本の建て直しを行
う人ではないとダメである。

さあ、どうなりますか??
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組合の「理解」前提=公務員の人件費削減−仙谷担当相(時事通信)

 仙谷由人国家戦略担当相は9日午後の衆院内閣委員会で、民主党
が衆院選マニフェスト(政権公約)で掲げた「国家公務員の総人件
費2割削減」について、「オープンな団体交渉を通じて、組合の方
々にもご理解をいただいて協議を成立させるという方法しか、うま
く総人件費が減ってくるということは起こり得ない」と述べ、組合
側の理解を得ることが不可欠との認識を示した。
 仙谷氏は、人事の停滞を防ぐため、天下りあっせんを伴わない早
期退職勧奨や希望退職制度の導入の必要性を改めて指摘。総人件費
削減と同様にマニフェストに盛り込んだ「定年まで働ける環境づく
り」との関係について、「全く矛盾しない。本人が応じなければい
いことだし、強制するものではない」と強調した。いずれも公明党
の高木美智代氏への答弁。
 また、自民党の甘利明前行政改革担当相は国家公務員法改正案に
関し、幹部公務員の人事を一元管理するために新設する「内閣人事
局」に人事院や総務省の機能を移管しないのは不十分と追及。これ
に対し、仙谷氏は「権限を法律上書き込んだだけで(改革が)でき
るのか」と反論した。
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高速無料化・子ども手当「政権公約修正する必要なし」
2010年4月6日22時25分

 前原誠司国土交通相は6日の閣議後の記者会見で、高速道路を原
則無料化する公約について、参院選の民主党マニフェスト(政権公
約)では修正する必要はない、との考えを明らかにした。 

 高速無料化は6月から試行されるが、財政難もあって高速道全体
の2割弱の路線での実施にとどまる。無料路線の拡大には競合する
公共交通機関などの反発も強いが、前原国交相は「造った高速を有
効活用し、物流コストを下げて日本経済の発展につなげるのが原点。
段階的に社会実験をやりながら(原則無料化する)ということは何
ら変える必要はない」と述べた。 
     ◇ 
 長妻昭厚生労働相は6日の閣議後会見で、民主党が今夏の参院選
で掲げるマニフェスト(政権公約)について、「マニフェストは(
衆院任期の)1期4年の話。基本的には衆院選のマニフェストに沿
った対応をしたい」と述べ、子ども手当など厚生労働分野の公約の
見直しを否定した。 

 長妻氏は「さらに詳細なプランを提示するとか、さらに強化する
とか、あるいは触れていない部分に触れることはあると思う」とも
言及。公約を見直す場合でも、拡充する方向で修正すべきだという
考えを示した。 

 昨年の衆院選マニフェストでは、子ども手当を2011年度から
満額(月額2万6千円)支給することなどが盛り込まれている。子
ども手当については満額支給の財源の確保が難しいことから、参院
選マニフェストでの書きぶりが焦点のひとつとなっている。 


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