3593.ススキが救世主になる



TV東京のWBSでススキが救世主になるという内容があり、それを
昨日ビデオで確認した。これは面白いと思い、ネットで探ったら、
次のような記事に当った。    Fより
参考までに
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http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/miyata/2010/02/204879.html

どうやらススキを原料にしたソフトバイオマスからのバイオエネル
ギー生産やバイオリファイナリーで、我が国が国際的に競争力を持
てる可能性があります。ススキの育種選抜とソフトバイオマスを効
率良く分解し、尚かつ酵母が苦手とするキシロースなどの5単糖も
発酵することができるクロストリディム菌の遺伝子操作による改良
が鍵を握っています。これに我が国が世界をリードしているメタボ
ローム(代謝産物の悉皆解析)とシステム生物学を組み合わせて、
最も効率の良いバイオエネルギーやバイオリファイナリー(バイオ
マスを出発点とした化学工業体系)を実現する戦略です。一部は
NEDOなどが研究資金を投入して支援していますが、まだ全体的なプ
ロジェクトの統合が行われていません。早期に我が国の独自戦略プ
ログラムとして推進すべきだと考えます。今ならなんとか間に合う
かも知れません。少なくとも相打ちには持ち込めそうです。さらに
後で論じますが、ホワイトバイオの事業化のためには、社会システ
ムの改善も必要です。技術だけでなく、我が国の社会にどう適合す
るか?海外への技術輸出はどうするか?など、同時に研究開発を進
めなければ、実用化は実現いたしません。

 何故、ススキなのか?

 何と言っても、ススキは日本、中国、韓国などに偏在する東北ア
ジア固有種です。したがて、丹念に調べれば、我が国には実は豊富
な遺伝子資源が存在しています。この遺伝子源の多様性を活用する
ことができるのです。例えば、ススキの遺伝子操作技術はまだ確立
されていませんが、ある品種によっては遺伝子導入が可能になりつ
つあります。バイオの新技術の開発には、遺伝子源の多様性とアク
セスの容易さが不可欠で、我が国はその点において、圧倒的に欧米
に比べて有利であることを認識しなくてはなりません。

 但し、ススキは雑草として今までどうしてもぞんざいに扱われて
います。我が国ではススキは一回も品種登録されたことはありませ
ん。つまり、必ずしも意図的にススキの遺伝子源を収集したことも
なければ、育種した経験もないのです。北海道大学が現在、200種程
度のススキの遺伝子源の収集を行っていますが、我が国の政府はも
っと支援をしなくてはなりません。ススキなどと馬鹿にせず、世界
に通用する遺伝子源となることを認識して、もっと大規模に資源保
護を行わなくてはなりません。しかも、欧米ではいくつかの企業が
ススキに着目し始めました。我が国のススキの遺伝子源保護は喫緊
の過大なのです。
 
 ススキは単位面積当たりの生産性がトウモロコシなどを遙かに凌
駕します。猛烈な生産性を持っているため、エネルギー作物として
極めて有望な植物なのです。しかも、冬の間、地上部が枯れると、
葉や茎の窒素やリンなどの栄養分が地下茎に転流し、蓄積されます。
エネルギー植物の栽培のために、窒素やリン、カリなどの栄養分を
肥料として与えなくてはなりませんが、ススキはそうした栄養要求
性も低いのです。畑ではなく、荒れ野や耕作放棄地に栽培すること
ができます。エネルギー作物が食糧と農地を奪い合ったり、森林を
破壊して畑を作ることによる環境への悪影響や二酸化炭素の放出が
懸念さえれていますが、ススキはそうした可能性が低い作物なので
す。しかも、地下茎に炭素を蓄積するため、空中の二酸化炭素を固
定する作用もあります。
 
 つまり、エネルギー作物として、究極の特徴を備えているのです。
先月、米国で問題とされたのは、トウモロコシの害虫がススキに寄
生する可能性が明らかになったためですが、それだけ欧米ではスス
キを栽培することが真剣に検討されています。

 問題はこうした欧米にとって新しい植物であるススキを大規模栽
培した時に本当に二酸化炭素の放出を抑制し、エネルギーや物質を
持続可能に生産できるのか?という実証です。実は、阿蘇の草千里
では1000年以上も前から、ススキを管理して、ススキを萱として利
用してきた歴史があります。山焼きや入り会いによる管理など人手
をかけないと実はススキが原は維持できません。日本では、生態学
的に最も安定(極相)は森林なので、森になってしまいます。世界
でも、実は社会システムによってススキを1000年以上も持続的に利
用してきたのは、日本以外にあまり知られていません。ススキの管
理方法、つまり大規模栽培方法のノウハウが実は、熊本に蓄積され
てきたのです。これは我が国の宝物です。草千里の土壌を分析すれ
ば、本当にススキが1000年以上に渡り、二酸化炭素を固定してきた
のか?歴史的な証明にもなるでしょう。

 北海道大学がこの研究を行っていますが、支援していのが、英国
のエネルギー企業、BP社であることに、私は大いなる憤慨と心配
を持っています。2010年度から、ススキの資源保護から利用まで一
貫した総合的研究プログラムを、立案しなくてはなりません。農水
省、環境省、経産省、文科省、国土交通省、この5省が総力を挙げ
て、今、取り組むべき課題だと思います。
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ススキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ススキ(芒、薄)とは、イネ科ススキ属の植物。萱(かや)、尾花
ともいう。野原に生息するごく普通な多年生草本である。

特徴 [編集]
高さは1 - 2m。地下には短いがしっかりした地下茎がある。そこか
ら多数の花茎を立てる。葉は細長く、根出葉と稈からの葉が多数つ
く。葉は細長く、堅く、縁は鋭い鉤状になっているため、肌・皮膚
が傷つくことがある。

夏から秋にかけて茎の先端に長さ20 - 30cm程度の十数本に分かれた
花穂をつける。花穂は赤っぽい色をしているが、種子(正しくは穎
果・えいか)には白い毛が生えて、穂全体が白っぽくなる。種子は
風によって飛ぶことができる。

日本には全国に分布し、日当たりの良い山野に生息している。夏緑
性で、地上部は冬には枯れるのが普通であるが、沖縄などでは常緑
になり、高さは5mに達する。その形ゆえに、たまにサトウキビと勘
違いする観光客がいる。国外では朝鮮・中国に分布する。

利用
かつては農家で茅葺(かやぶき)屋根の材料に用いたり、家畜の餌
として利用することが多かった。そのため集落の近くに定期的に刈
り入れをするススキ草原があり、これを茅場(かやば)と呼んでい
た。現在では、そのような利用がされないので、その多くは遷移が
進んで、雑木林となっている。そのため、ススキ草原に生育してい
た植物には、かつて普通種であったが、現在は稀少になっているも
のがある。また、カヤネズミなども同様に見かけにくくなっている。

また、未成熟の穂を食用とする地域もある。


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