ベーシックインカムの財源問題について 皆さま 千隈 このところ「ベーシックインカム」というキーワードで検索して、 拙ブログを訪ねてくれる方が増えています。 これに触発されて、という訳でもないのですが、BIの財源問題につ いて新しい考察をしてみました。 減価貨幣がそうであるように、BIにもゼロサム経済を突破する可能 性が秘められているのではないか、そういった主旨の文章です。 『ベーシックインカムの財源問題について』 http://philosopher.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-cb88.html 『ベーシックインカムは企業からの人頭税で』 http://philosopher.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-03c6.html ============================== こんにちは 毎年100兆に及ばんとする税を企業が負担してくださるとは、ま ことに結構なことですね。法人に対する人頭税なら経済環境の変化 、景気循環、企業業績の良否に関わりなく徴税できると。 まあ企業がこの国にいてくれての話ですが。 それにしても、欧州でもSPDの一部の諸君をはじめとして議論してい ますが、まあ湯屋の世間話レベル。しかし、日本は大流行ですね。 http://www.grundeinkommen.de/ まあ、昔から、どこから、どのように、いくら巻き上げて、だれに 、どのように、配るかは話すに愉快な話題ではありました。私のよ うな年寄りは首を長くして待っているんですよ、支給を。それも8 万なんてケチをいわず、毎月20万くらいはずんで欲しい。 1億2500万人に配ったところで、年間300兆円くらいのもの だ(笑)。 人頭税について言及くださるのでしたら、ネオリベラリストの人頭 税についての議論もついでに詳しく吟味し直してくださるとありが たいですね。かつてネオリベラリストに批判的だったみなさんがど のような批判をなさったか、もうずいぶん前のことになりましたか ら、この国の左翼人士はお忘れになったかもしれませんし。英国で はかなりやかましく議論した時期がありましたよね。 Eiichi Morino ============================== 交雑か混濁か From: Eiichi Morino なかには古い時代の情報なんてと軽視する方も見受けます。 しかし意外と人間同じことを繰りかえし考えています。 この間の金融・経済危機でもそうでしたが、ネットの発達でそれは もう、あれこれ欧米での議論も耳に入ってきました。 そうして、気づいてみると、以前であれば水と油であったような議 論が奇妙に混濁する事例までみるようになりました。米国系リバタ リアンと左翼主義者の議論が入り交じってみたりと。 思考が純粋なほうがいいとはいいませんが、単にそれぞれの理解不 足が思考の交雑を来しているだけという事例も多いようにみうけま した。 ゲゼリアンは安定通貨ということをいいますが、そのもっともまと まった議論は米国のアーヴィング・フィッシャーの『安定通貨』 stable moneyという著作に見られるのですが、たとえばその第6章 のLegislative stage(1932-1934)を読んでいる人は大恐慌とそれへ の対策を議論した米議会のthe Committee on Banking and Currency での各種議論をフィッシャーがうまく整理しまとめ上げているのを 知っています。そうすると様々な立場の人の経済恐慌に対する認識 、対策、金融規制に関する見解がうまく見通せて便利です。そこで 彼が整理した議論の、ああこれはそのなかのコレって言う具合に最 新の議論とおぼしきものも理解できるというわけです。 新しい現実も出現しましたが、同時に変わらぬ事情というものも現 実にはあります。 ネット時代、膨大な情報量と推論定かならぬ直感的発言が跋扈し入 り交じるなかで、じぶんなりの判断をするにつき、意外に古典とな った著作は役に立つのだなあというのが、この金融・経済危機の推 移のなかで持った実感のひとつであります。 そんなわけで、貨幣理論についてなら、昨今話題の国家紙幣につい て議論するとすれば、クナップの貨幣の国家主義理論以降の諸理論 なども、古いところではありますが知っておいたほうが、よいかも。 まあ資料へのアクセスを容易にしておけば、これからの若い人が縦 横に素材をこなしてくれるにちがいない、と。 ==============================