3587.江戸時代の実心実学の復活が必要



日本の次のあるべき姿を追い求めると、江戸時代の実心実学の思想
に行き着く。         Fより

現在、日本も世界も経済の問題で大きなトラブル突き当たっている
が、その解決方法が無い状態になっている。実心実学のセンスをな
くして、日本は大きな壁に突き当たっているように感じる。この解
決には江戸時代の実心実学の思想を現在に蘇えさせる必要であると
見る。

そして、この思想を経済活動に体現したのが、明治初期に活躍した
渋沢栄一である。その渋沢栄一が参考にしたのが、三浦梅園の「価
原」(1723−1789)である。
この「価原」では、経済活動を正徳、利用、厚生の3事に関連つけ
てこそ、人の世のためになるという。

栄一は、道徳と経済は一致していないといけないと言い。道徳とし
ては、文芸(学問知識)・徳行・(他者への)誠意・信義(言行一
致)であるとした。

この実心実学のコトバを現代経済学に理論的な意味で翻訳する必要
を感じる。本当の意味での現代化である。そして、この実心実学は
日中韓の3ケ国で現在も研究されているが、どうしても古典研究に
なってしまっているために、現在経済学に影響力を持たないことに
なっている。

この部分ができないかと思う。第一人者はゲゼル研究者でかつ実心
実学研究者でもある森野さんであると思うが、このコラムでも試み
る価値はありそうである。
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渋沢栄一
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%8B%E6%B2%A2%E6%A0%84%E4%B8%80

渋沢 栄一(しぶさわ えいいち、天保11年2月13日(1840年3月16日
) - 昭和6年(1931年)11月11日)は、幕末の幕臣、明治〜大正初
期の大蔵官僚、実業家。第一国立銀行や王子製紙・日本郵船・東京
証券取引所などといった多種多様な企業の設立・経営に関わり、日
本資本主義の父といわれる。

正二位勲一等子爵。雅号は青淵(せいえん)。
戒名は泰徳院殿仁智義譲青淵大居士。

道徳経済合一説
『論語と算盤』を著し、「道徳経済合一説」という理念を打ち出し
た。幼少期に学んだ『論語』を拠り所に倫理と利益の両立を掲げ、
経済を発展させ、利益を独占するのではなく、国全体を豊かにする
為に、富は全体で共有するものとして社会に還元することを説くと
同時に自身にも心がけた。また、幕末に栄一と同じ観点から備中松
山藩の藩政改革にあたった陽明学者山田方谷の門人で「義利合一論
」(義=倫理・利=利益)を論じた三島中洲と知り合うと、両者は
意気投合して栄一は三島と深く交わるようになる。栄一は三島の死
後に彼が創立した二松学舎の経営に深く関わることになる。
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中江藤樹(1608−1648)
  「天子、諸侯、卿大夫、士、庶人、五等の位・尊卑・大小・差
  別ありといえども、其身に於いては毫髪も差別なし」という、
  人間平等観を持っていた。したがって、「儒教をおこなう人は
  、天子、諸侯、卿大夫、士、庶人なり。此五等の人のよく至徳
  要道を保合すること、真儒と云なり」というように、学問すな
  わち儒学を学ぶ資格はすべての人が持っていたのである。
  代表的な門人として熊沢蕃山
熊沢蕃山(1619−1691)
宮崎安貞(1623−1697)
石田梅岩(1685−1744)
  著書に『都鄙問答』『倹約斉家論』がある。
  石門心学を起こす。憎むべきものとされていた商人の営利活動
  を積極的に認め、道徳に基づいた勤勉と倹約を奨励した。
安藤昌益(1706−1762)
富永仲基(1715−1746)
三浦梅園(1723−1789)
  「価原」
山片幡桃(1748−1821)
大蔵永常(1768−1860)
  行政は口を出さず民主導でやれ、ただし行政はマーケットリサ
  ーチに精を出せと指摘する。多くの失敗の原因を「適地適作の
  作物でないこと。領主側が早く利益をあげようとして費用をか
  けすぎること。専売制によって生産者の自由な売買を妨げてい
  ること」などをあげ、そして国を富ませるためにはまず、下の
  者(民衆)が豊かになり、その後で領主が利益をあげることを
  提唱し、「民富」の優先を主張した。
佐藤信淵(1769−1850)
二宮尊徳(1787−1856)
  「報徳思想」を唱えて、「報徳仕法」と呼ばれる農村復興政策
  を指導した。
大原幽学(1797−1858)
山田方谷(1805−1877)
  理財論は方谷の経済論。漢の時代の董仲舒の言葉である「義を
  明らかにして利を計らず」の考え方。弟子:三島中洲
横井小楠(1809−1869)
    「実際に役立つ学問こそ、最も大事」という教え
由利公正(1829−1909)
三島中洲(1839−1919)
  義に則った利益の得方・使い方が出来なければならないとする
  「義利合一論」
渋沢栄一(1840−1931)

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墨子の「交相利」の思想とは
 直接的な利益の交換を指すのではなく、兼愛の精神により、他社
を犠牲にしての自利獲得を停止し、そういう手段によって最終的に
得られる天下の大利、つまり、全世界の安寧回復を万人がともに享
受しようとする意味である。


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