3578.中国の国策が世界に影響する時代



世界政治経済を左右するのは、米国から中国になり始めている。
                     Fより

人民元を切り上げようとする米国に中国は抵抗している。人民元を
実質より20%〜30%安くするために、ドル買い介入をして貯め
たドルで米国債を買う行動を昔からしている。しかし、米国はそれ
をこの時期に批判し始めた。これに中国は反発している。

米国は1990年代に日本企業潰しのために韓国と中国の通貨を安
くして、日本企業を衰退させたが、韓国は親米であり、かつ自由民
主主義国であり、アジア通貨危機時に米国資本を大量に導入して米
投資家に得をさせていることで、為替操作をしてウォン安にしても
文句を言わないが、中国には文句を言う。それは米国企業の進出に
際して、中国は原則が自由ではなく、投資家に対しても制限が多い。
このため、グーグルが中国撤退をすることでも分かる。

そして、とうとう、米議員達が立ち上がった。この様子は1980年代
の日米貿易摩擦で日本を敵視した米国とよく似ている。しかし、そ
のときと今では軍事状況がまるで違う。世界の海を支配しているの
が、米海軍艦艇250隻しかない米国ではなく、世界にアイスランドに
まで海軍基地を作り、世界の海に中国海軍艦艇900隻も送り出す中国
になっていることだ。しかし、米議員は米国が世界の覇権を今も握
っていると誤解してか、その事実を知らないでか要求している。
このため、米議員達は、米国の言うことを中国は最終的には聞くと
見ているようである。非常に甘い。

しかし、世界の情勢は中国の軍事力をベースにした政治力が徐々に
米国軍事力を背景にした政治力を仰臥している。これはガチンコの
米中対立に繋がることになる。覇権戦争に発展する可能性があるの
だ。

たとえば、米石油メジャーのタンカーを第3国の海賊と言う中国艦
艇に襲わせて、中国に楯突くとどうなるかを思い知らすことができ
る。

250隻しかない米海軍艦艇では、米国の全ての海上輸送に目を光らす
ことは出来ない。今の米国は本土防衛しかできないので、遠い国か
らの輸送の安全は放棄するしかない。米国は米国の生存圏を限定的
にして、その範囲しか守れない。その他の範囲は中国海軍に安全を
託すことになる。大きな借りを世界は中国海軍に作ることになる。

その当然の対価を中国は世界に要求してくることになる。それは中
国首相が人民元を世界第2位の経済大国であるにも関わらず、ドル
ベースで低水準に為替操作すると宣言したのである。これは政治的
なバックがあることで宣言しているのだ。そう簡単に折れないこと
になる。当然の権利であると中国は感じているはず。

これに対して、米国は覇権がなくなっているのも関わらず、中国に
要求すると、それは最後には米国が屈服することになると見る。そ
れほど、中国の軍事潜在能力は大きくなっているのである。問題は
この事実を中国も知らないか、世界に知らせないし、その運用を明
確にしていない。目的も分からない。何を意味するかと言うと中国
の海軍戦略がないか明確ではない。

対応策は日米欧豪印露など普通選挙を実施している自由民主国家連
合を作り、中国海軍力に対抗するしかない。対中国への暗示的な集
団安全保障を確立させるしかないことになる。

しかし、中国の国家財政は、収入が32%増の18兆円も増加して余力
を持っている。この資金を次世代送電網「スマートグリッド」を活
用した電力供給体制の整備や高速鉄道9000キロ建設に使うので、世
界の経済的な中心は、これも米国から中国になる。というように中
国が良くても悪くても世界の中心になることを意味する。

そして、それに対抗することは経済的には無理があるし、もし無理
であれば世界の覇権は非民主主義国が取ることになる。このため、
中国と同じような独裁国家は、今後増加することになる。このよう
に暗い時代が世界的にも到来することになる。

独裁国家ナチス・ヒットラーの時代の世界に時代は逆戻りした印象
がする。

さあ、どうなりますか??

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中国商務省次官が訪米へ 貿易摩擦・人民元解決へ折衝
 中国商務省は19日、対米交渉を担当する鐘山次官が24〜26日の日
程で米国を訪問すると発表した。同省によると「2国間貿易の拡大
、経済貿易分野での協力強化などについて米側と協議する」という。
米中両国は貿易不均衡や人民元問題などを巡って対立が激しく、米
側との協議で事態打開の糸口を探るとみられる。
(中国総局)(21:00) 
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「米国債購入、市場安定に貢献」中国政府高官
 【北京=高橋哲史】中国商務省で米国などを担当する何寧局長は
19日の記者会見で、米中間の貿易摩擦が激しくなっていることに関
連して「中国による米国債の購入は米国の金融市場の安定に役立っ
ている」と述べた。両国経済の相互依存関係が深まっていることを
強調。「経済貿易関係を政治化し、感情的になるのは避けるべきだ
」とし、中国を批判する米国をけん制した。

 中国の米国債保有額は世界最大。輸出で稼いだ外貨の7割を米国
債などドル資産で運用している。何局長は米国が人民元相場を切り
上げるよう圧力を強めていることについては「経済貿易関係や人民
元の問題を解決するための米中間のルートは滞っていない」と主張
し、対話を通じた解決に自信を示した。(14:24) 
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榊原元財務官:米国は強いドル政策から移行している3月18日
(ブルームバーグ):

  早稲田大学インド経済研究所所長の榊原英資元財務官は18日午
後に都内で、世界的な金融危機後の為替政策について、「米国はど
うも強いドルからドル安方向にシフトしたようだ」と述べた。「弱
いドルは輸出を振興できる」ため、米国債の保有が多い日本や中国
には不利だが「米国の国益からすると、ドル安になってしまう」と
解説した。 

  榊原氏は国際通貨研究所(行天豊雄理事長)が開いた国際金融
シンポジウムで、米国のドル安容認にギリシャなどの財政危機を背
景としたユーロ安も加わり、「アジア通貨高傾向になる」と指摘。
アジア諸国との貿易が多い日本の「円にも上昇圧力がかかっている
」と話した。 
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中国商務省報道官「人民元問題の政治化に反対」、米をけん制 
 【北京=高橋哲史】中国商務省の姚堅報道官は16日の定例記者会
見で、米議会が人民元相場を切り上げるよう圧力を強めていること
について「人民元問題の政治化は、協調して危機を克服しようとし
ている世界にとって何の役にも立たない」と述べ、米国の動きを強
くけん制した。

 姚報道官は「元相場は(中国の)貿易黒字の理由ではない」と従
来の立場を繰り返したうえで「自分たちの輸出を拡大したいからと
いって、他国に通貨の切り上げを求めるのは一種の利己主義だ」と
指摘。米国の圧力を受け入れられないとの立場を改めて強調した。
(15:39) 
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米議会、元切り上げへ圧力 議員130人が書簡
 【ワシントン=大隅隆】人民元問題を巡って米中の対立が深まっ
てきた。中国が相場上昇を抑えている人民元の切り上げを求める動
きが米政界では強まっている。中国は政治問題化を避けようとして
きたが、米国の圧力に反発する声が高まっている。決定的な対立に
発展すればぎくしゃくした米中関係が一層悪化しかねない。

 「通貨操作は輸出への補助金であると同時に輸入への関税でもあ
る」。ミシュー下院議員(民主)ら超党派の130人の米議員が15日に
ロック商務長官、ガイトナー財務長官に書簡を送付した。この書簡
ではドルに連動させる人民元相場を通貨操作と表現。「中国製品の
米国への輸入関税」を視野に、元切り上げ圧力を段階的に強めるよ
う米政府に求めた。(07:00)
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中国の財政収入、32%増の18兆円 1〜2月 
 【北京=高橋哲史】中国財政省は14日、1〜2月の中央と地方を
合わせた全国財政収入が前年同期比32.9%増の1兆3603億元(約18
兆円)だったと発表した。全国財政収入は金融危機の影響で昨年の
第1四半期に大きく落ち込んだが、景気回復を映して昨年後半から
急拡大している。 (00:49) 
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中国首相、格差是正へ取り組み強調 実現には壁も 
 【北京=尾崎実】中国の温家宝首相は14日の記者会見で「社会の
公平と正義は社会安定の基礎だ」と述べ、格差是正に向けた強い姿
勢を示した。年金・医療改革や農村問題の解消が柱となるが、実現
には既得権益層の抵抗など様々な壁が横たわっている。

 政府は農民や都市の貧困層らが抱える年金・医療への不満に対応
するため、昨年から制度改革を本格化させたが、その道のりは平た
んではない。昨年中の成立を公約していた社会保険法案は採決に至
らず、今年も継続審議となった。

 法案が被保険者を出稼ぎ労働者(農民工)にまで拡大する点が、
保険料負担の増大を恐れた企業側を刺激。高額支給が保障されてき
た公務員年金に民間同様の算定基準を適用することも複数省庁の抵
抗を誘発した。 (01:18) 
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中国首相、人民元切り上げ論に反発 「過小評価でない」 
 【北京=戸田敬久】中国の温家宝首相は14日、全国人民代表大会
(全人代、国会に相当)の閉幕後に記者会見し、海外からの人民元
の切り上げ圧力に対し「元相場は過小評価ではない。圧力は元の制
度改革の不利益になる」と発言、当面は人民元相場の安定を保つ考
えを明らかにした。

 温首相は元相場について、2005年7月に実施した元の制度改革で
対米ドル相場が21%上昇したことを強調。中国は金融危機後も元の
安定を保ち「世界経済の回復に寄与した」と誇示した。一方、「強
制的な方法で切り上げを迫るやり方には反対する」と述べ、米など
海外からの元切り上げ圧力に強く反発した。

 景気回復を受けて金融引き締め観測が強まっているが、温首相は
回復の腰折れ懸念を示し、金融緩和の枠組みを当面守る考えを明ら
かにした。同時に不動産価格の高騰やインフレ懸念も「心配してい
る」と語り、状況の変化に応じた金利引き上げには含みを残した。
 (21:08) 
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米グーグル、中国の検索閉鎖計画 英紙報道
 【シリコンバレー=田中暁人】英紙フィナンシャル・タイムズは
13日、インターネット検索最大手の米グーグルが、中国でのネット
検索サービスを閉鎖する計画だと報じた。検閲無しでのネット検索
サービス運営を中国政府に求めていたが、交渉が行き詰まっている
ため。関係者によると「99.9%」の確率で同国の検索サービスを閉
鎖するという。同問題を巡っては米政府も中国を批判しており、グ
ーグルがサービスを閉鎖すれば波紋が広がりそうだ。
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中国、送電網に50兆円 風力や太陽光、日米企業に商機 
 【北京=多部田俊輔】中国政府は2020年までに、IT(情報技術
)を使って電力を効率的に供給する次世代送電網「スマートグリッ
ド」を活用した電力供給体制の整備に4兆元(約50兆円)規模を投
ずる方向で検討を始めた。中国では電力需要増への対応と温暖化ガ
ス削減の両立が課題。ITの活用で風力など新エネルギーの利用を
増やす。中国は先進技術を求めており、日本や欧米企業にも商機が
広がりそうだ。

 温家宝首相は開会中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)
の政府活動報告で初めて「智能電網(スマートグリッド)」に言及
。「整備を強化する」と宣言した。 (10:22) 
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中国、高速鉄道9000キロ建設 12年まで、投資額11兆9000億円
 【北京=多部田俊輔】中国鉄道省は13日、2012年までに高速鉄道
を約9000キロ建設すると発表した。投資額は約9000億元(約11兆9000
億円)。総延長は1万3000キロとなり、同省幹部は「日本やドイツ
を抜いて世界1位の長さとなる」としている。国内の実績をテコに
海外輸出を拡大していく方針も強調した。

 全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の開催にあわせて、鉄
道省の王志国次官が記者会見した。専用路線を時速250キロ以上で走
行する高速鉄道はこれまでに3670キロが開通し、工事中の区間は1
万キロ以上だと述べた。

 同省によると、現在開通している高速鉄道に、在来線で200キロ以
上で走行している区間を加えた距離は約6550キロ。王次官は「(実
質的には)すでに世界1位だ」と自国の高速鉄道を強くアピールし
た。(13日 23:06) 
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米、官民で輸出促進 オバマ大統領、人民元切り上げ促す
 【ワシントン=大隅隆】オバマ米大統領は11日、1月に打ち出し
た「輸出倍増」計画の推進策を発表した。関係閣僚会議を創設する
一方、民間企業トップによる大統領輸出評議会を再開する。暗号ソ
フトなど軍事関連技術を含む輸出規制の緩和や輸出企業への融資な
ど貿易金融の拡充にも着手。中国の通貨人民元相場の切り上げも促
した。米国内で民間主導色が強かった輸出振興で官民一体の態勢を
整えて売り込みを展開し、200万人の雇用創出につなげる戦略だ。

 オバマ大統領は11日、1993年のクリントン大統領以来、17年ぶり
に米輸出入銀行の年次総会に出席。演説で「(グローバル化の進展
を)傍観しているだけでは雇用は創出できない」などと語り、輸出
倍増構想への取り組み姿勢と具体策を示す。

 新設する関係閣僚会議は国務、財務、商務などの長官で構成。4
月に第1回会合を開く。再開する大統領輸出評議会の会長にはボー
イングのマクナーニー、ゼロックスのバーンズ両CEO(最高経営
責任者)が就く。(01:29) 
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年内にも東アジア戦略報告発表=12年ぶり策定へ−米国防副次官補
3月10日8時42分配信 時事通信

 【ワシントン時事】ミッチェル米国防筆頭副次官補は9日、ワシン
トン市内で講演し、東アジア・太平洋地域における安全保障戦略の
指針となる「東アジア戦略報告」(EASR)を12年ぶりにまとめる考
えを明らかにした。中国の軍事力拡大、普天間移設問題を含む米軍
再編が焦点となりそうだ。
 同副次官補は「安全保障に関する米国の関与を(東アジア・太平
洋)地域が再確認できるよう、報告書を出すことを望んでいる。12
年も(EASRを)出していない」と述べた。講演後、記者団に対し「
年内にまとめることを希望している」と述べた。
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全人代、保険整備へ1.3兆円拠出 農村の医療改善
 【北京=尾崎実】中国政府は都市部に比べて劣る農村の医療体制
を拡充する。農民の医療格差への不満を抑え、社会の安定につなげ
る考え。農民向け医療保険の整備に向け、中央財政から約1000億元
(約1兆3千億円)を拠出するほか、農村地域での病院建設や医師
の増員も急ぐ。ただ、実現に向けては、財政負担を求められる地方
政府の抵抗が壁になる可能性もある。


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