ギリシャ危機でドル、ユーロ、ウォンに対して、円の独歩高になっ ている。 Fより ヘッジファンドがギリシャ危機を背景にユーロを大量に売っている。 1ユーロ=1ドルにまで低下する可能性を見据えてヘッジファンド は攻撃している。このギリシャに対してECB当局は、支援をしな いと表明して、このため、一層ヘッジファンドは売りを加速してい る。このため、1ユーロ=123円まで下落している。通常1ユー ロ=132円前後であるから、10円以上も安い。 この状態をソロス氏はギリシャ債務危機でユーロは「生き残れない 可能性も」と述べて、対応策を早急に打たないとユーロ自体の危機 になるとした。 ギリシャは、付加価値税(消費税に相当)の税率引き上げやたばこ 増税、公務員の給与カットなどを行い、国債のデフォルトを避ける 考えである。ドイツのメルケル首相は当初支援するとしたが、ドイ ツ国民の反発から国の支援を中止している。 しかし、この追加対策を評価されたのか、3月4日ドイツ銀行の支 援でギリシャ国債の入札が成功したので、当面の危機は過ぎたよう である。ユーロ圏財務相会合議長を務めるユンケル・ルクセンブル ク首相は5日、財政危機に直面するギリシャ向けの資金繰り支援策 について「必要になるとは思わない」との見解を示した。 EU自体が支援せず、ドイツ銀行の個別の支援で今回の危機を乗り 切ったが、ユーロ圏全体の対応ができないという欠点を露呈した。 今後、イタリア、スペインなどが同様な事態になる可能性もあり、 ECBは今回のような事態になった時の対策が必要である。 ヘッジファンドは次の目標を見つけている。英国のポンドを大量に 売り始めている。英国の財政赤字は対国内総生産(GDP)比12 %と、ギリシャに匹敵する水準であり、ギリシャの次は英国だと言 う。 このように再度、金融危機的な状況になり、相対的に傷が少ない日 本の円が買われている。このため、4日の東京外国為替市場で円相 場は続伸。1ドル=88円台半ばまで円高が進んだ。円独歩高である。 日本の円が高いので、中国などへの輸出で一息ついたのに、腰折れ を懸念する事態でもある。このため、日銀は短期金利の一層の下げ を誘導する方向で検討を開始している。 政府も早期に経済成長戦略を組み立てて、実行してほしいと思う。 日銀の対策だけでは、日本経済の健全な発展はない。 さあ、どうなりますか?? ============================== ヘッジファンドがユーロに猛攻撃、1ドル=1ユーロも視野に(WJ) ギリシャ危機を背景に、ヘッジファンドがユーロを大量に売ってい る。「これは大きく儲ける、またとない機会だ」とあるファンドマ ネジャーは述べた。一部のマネージャーは、1ユーロ=1ドルにま で低下する可能性を見据えている。 1990年代に英国に打ち勝ったことで名をはせたジョージ・ソロス 氏は先週、欧州連合(EU)が域内の財政問題を解決できない場合 、「ユーロは崩壊する可能性がある」の見方を示した。 ============================== ECB当局者がギリシャ支援不可能と再表明、他国への拡大を懸念 [ウィーン/ヘルシンキ 9日 ロイター] 複数の欧州中央銀行 (ECB)当局者は9日、ECBとしてギリシャを救済することは 不可能で、同国は自ら秩序を回復すべき、との考えをあらためて示 した。 ECB理事会メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁は、 フィナンシャル・タイムズ(FT)紙のブログ、FTアルファビル とのインタビューで「ギリシャはユーロ加盟国の一員であり、ユー ロ規制下にある。従って主要な政策アプローチとして当然、自らの 問題は自ら解決しなければならない」と述べた。 その上で「ECBには明確な義務がある。ECBは明確な非救済 条項を有している」と指摘した。 同じくECB理事会メンバーのリーカネン・フィンランド中銀総 裁は、国営放送YLEとのインタビューで「ギリシャが前週明らか にした対応策を実行するとわれわれは確信しており、様子を見守る。 安定成長協定を順守しつつ、すべての加盟国が債務を管理すること が非常に重要であり、そうでなければ金利は上昇し、債務の返済は 一段と困難になる」と述べた。 ノボトニー総裁は、ギリシャや他のユーロ圏周辺国の債券相場下 落について、ヘッジファンドによる憶測が理由の一つだと指摘。「 さまざまな憶測が飛び交っていることは間違いない。前日ロンドン で金融関係者から聞いた話だが、明らかにヘッジファンドが動いて おり、深刻に受け止めるべきと考える。一定の対策を講じるよう努 めるべきだ」と語った。 ============================== ギリシャ債務危機でユーロは「生き残れない可能性も」−ソロス氏 2月28日(ブルームバーグ):ユーロはギリシャの財務危機で「厳 しい試練」を受けており、「生き残れない可能性もある」――。著 名投資家ジョージ・ソロス氏は米CNNの番組でこうした見方を示 した。 ソロス氏は欧州には「共通の中央銀行があるのに共通の財務省がな い」ためユーロの通貨としての構造には「欠陥がある」と述べ、「 為替レートは一定だ。一加盟国が困難に陥っても通貨は切り下げる ことが不可能だ」と指摘した。 ============================== 英国悲惨、ギリシャ並み 広がる信用不安、ポンド離れ加速も ギリシャの財政危機をきっかけに欧州主要国にも信用不安の連鎖 が広がり始めた。英スコットランドの機関投資家らは「ギリシャの 次に財政危機に陥るのは英国」とみて、ポンド建て資産からの逃避 を急いでいる。 ◆「急落確率50%超す」 富裕層を顧客に抱えるスコットランドの資産運用会社トゥルカン ・コネルは、英国が過去最大規模の国債を発行するなかでひとたび 投資家が英国の財政状態に目を向ければ、ポンドは対ドルで20〜 30%下落しかねないとみている。ギリシャが財政赤字を削減でき ないとの懸念から、ユーロは対ドルで年初来すでに5%下落してい る。 同社で5億6000万ポンド(約757億1200万円)規模の 資産を運用する戦略部門責任者、ヘイグ・バスゲート氏は「ギリシ ャでは長い間、非常警報が鳴り響いている。英国も同じく悲惨な状 況にあり、かなり大きな痛手を受けるのは避けられない」と指摘し た。 英国経済は統計的には、最悪のリセッション(景気後退)から脱 却したものの、保険基金や年金基金、富裕層の資産を過去200年 にわたり運用してきたスコットランドの機関投資家らは英国の財政 悪化による資産減少を防ごうと躍起になっている。 過去5年で運用資産を倍増させたマレー・インターナショナル・ トラストを経営するブルース・スタウト氏は「ポンドが急落する確 率は50%を上回る」と予想。英国中心の資産運用を見直し、主要 な投資をアジアと中南米に振り向けている。 同様に、運用資産が2社で300億ポンドを上回るイーゴン・ア セット・マネジメントとスコティッシュ・ウィドーズ・インベスト メント・パートナーシップの国内株式運用担当者らは、英国企業の 中でも、英国経済との連動性が薄い海外事業中心の企業に投資の軸 足を移し始めたという。 トゥルカン・コネルでは2008年末に英国債を手放し、インフ レ加速への懸念から市況商品(コモディティ)相場などに連動する インデックス債だけを保有。国債相場からの影響を考慮し、社債保 有額も削減した。 ◆赤字 GDP比12% 英ブラウン政権は昨年12月、今年度(09年4月〜10年3月 )の国債発行額見通しを2200億ポンドから過去最高の2251 億ポンドに増額修正した。財政赤字は対国内総生産(GDP)比12 %と、ギリシャに匹敵する水準だ。 米格付け会社のムーディーズ・インベスターズとスタンダード・ アンド・プアーズ(S&P)は先週、ギリシャの財政赤字削減の状 況によっては同国格付けの引き下げを検討すると発表している。 スイス金融大手UBSの通貨ストラテジスト、マンスール・モヒ ウディン氏は2月24日付のリポートで、英政府が性急な緊縮財政 を取ればポンドの通貨価値はユーロを下回り、対ドルの為替相場が 1980年代半ばの底値水準(1.05ドル、約93円)を下回る 可能性があると指摘した。 一方、トゥルカン・コネルのバスゲート氏は、イングランド銀行 (BOE、中央銀行)が数カ月以内に量的緩和政策を再開すれば、 ポンドは一段の下押し圧力にさらされると警告した。 ピーターソン国際経済研究所(PIIE)の副ディレクターで政 策立案を手掛けるアダム・ポーゼン氏は先月24日、景気回復が予 想より弱かった場合は、BOEが総額2000億ポンド規模の資産 購入枠をさらに拡大する可能性があるとみている。 (ブルームバーグ Rodney Jefferson) ============================== 「ギリシャ支援は不要」 ユーロ圏財務相会合議長 【ブリュッセル=瀬能繁】ユーロ圏財務相会合議長を務めるユン ケル・ルクセンブルク首相は5日、財政危機に直面するギリシャ向 けの資金繰り支援策について「必要になるとは思わない」との見解 を示した。ギリシャのパパンドレウ首相との会談後に語った。 ギリシャ政府が3日に追加の財政再建策を発表し、4日のギリシ ャ国債の入札が成功したのを踏まえた発言。一方で「必要ならば断 固とした協調行動をとる」と語り、仮にギリシャの資金繰りが困難 になった場合はユーロ圏として支援する用意があることも改めて強 調した。 国際通貨基金(IMF)によるギリシャ支援に関してユンケル首 相は「技術的な支援は受け入れられるが、これ以上のIMFの関与 は排除したい」と明確に否定した。(01:16) ============================== 円続伸、一時88円台前半 東京市場、2カ月半ぶり水準 4日の東京外国為替市場で円相場は続伸。1ドル=88円台半ばで 推移した。3日のニューヨーク外為市場では一時88円32銭まで上昇 し、昨年12月14日以来、約2カ月半ぶりの高値をつけた。ギリシャ の追加財政再建策の発表を受けてユーロ買い・ドル売りが広がり、 円も対ドルで買われやすかった。 ギリシャは付加価値税の引き上げなどで48億ユーロの赤字削減と なる追加財政再建策を発表。財政不安がやや後退し、海外のヘッジ ファンドなどが対ドルでこれまで売っていたユーロの買い戻しを進 めた。 円はドルに対してつられて上昇したが、円買いが一巡した後は国 内投資家による円売り・ドル買いもみられた。(11:52) ============================== 日銀、4月にかけ追加緩和を検討 短期金利、一段の低下促す 日銀は追加の金融緩和策の検討に入った。4月にかけて本格的に 協議する。期間1年以下の短期金利の一段の低下を促すことを軸に 、資金供給手段の拡充などを議論する方向だ。消費者物価が下げ止 まらないなかで企業や家計の行動が慎重になるリスクがあると判断。 デフレ進行で再び景気が悪化する事態を防ぐために、機動的に動く 態勢を整える。 日銀は3月16〜17日の金融政策決定会合で追加金融緩和の本格議 論を始める見通し。景気の回復ペースそのものは堅調とみているた め、緩和策決定には政策委員の間に慎重な意見も残る。このため3 月の決定は見送り、決定会合が2回予定されている4月に具体策を 詰める可能性もある。 (07:00)