3553.日米関係を救った中国の米国債売り



2月4日のキャンベル国務次官補と小沢民主党幹事長との打合せ内
容と背景、その後の対応が明らかになっている。
                  Fより

中国の米国債が大量に売り出され、その対応として米国は日本に米
国債の買増しを依頼し、かつ日米同盟強化を図る意向を伝えて、小
沢幹事長は、中国へ行った民主党議員団の数より多くの数で5月連
休中にワシントンを訪問することになる。

そして、日米の懸案である普天間移設は、やはり米軍キャンプ・シ
ュワブ(同県名護市)になるが、海岸線の埋め立てではなく陸上案
にしている。国民新党案であり、民主党がその案を推進する方向に
なった。

ということで、今までの首相の発言では県外移転のはずが、そうな
らないことになる。そして、社民党の福島は県内移転では政権離脱
すると言っていた。

もちろん、今回の陸上案も県内移転で反対である。社民党の阿部知
子政審会長は、この検討会に参加しているので福島党首の反対に「
ちょっと仁義がなさ過ぎる」と批判したが、社民党は沖縄県からの
国会議員が多く、党も反対することになる。

しかし、これを見越して、小沢幹事長は自民党の参議院議員を数人
、引き抜いたので国民新党と合わせて122議席となり、社民党抜
きでも過半数を獲得した。社民党が政権離脱しても参議院で過半数
になるので、議会運営上は問題がない。さすが小沢さん。

鳩山首相も、新防衛大綱では北朝鮮と中国の脅威への対処を中心課
題の一つとする考えを示した。この背景には、中国と米国の経済戦
争の影響を受け、日本も米国との同盟を強化し、中国への対応強化
する必要になってきたことによる。中国の生存圏拡大とその生存圏
防衛の意識が高まり、いろいろな問題が起きている。

状況は米国も同様であり、日本の政権が当分、民主党であることを
前提とした対日政策をする必要がある。米国の戦略的な問題はグア
ム海兵隊移転経費の2兆円あまりを日本が出すかどうかであり、そ
れに対しては、日本は出すことにしているので、米国と日本の同盟
を阻害するような問題ではなくなっていた。

それにも関わらず、日米関係を阻害する国防省内、国務省内の対日
政策担当者がいたが、中国との経済戦争というより重要で戦略的な
問題が起きて、戦術論的な普天間移設を問題にする余裕が無くなり
、日米の戦略的な関係を強化することが重要であると言う意見が出
てきた。

その筆頭がジョセフ・ナイで、彼の論文では、普天間移設と言う戦
術的な問題で日米関係を破壊する国務省内・国防省内の対日政策担
当者を批判していた。

中国が米国債を売り、日本は買い増して米国債の保有量が再度一番
になっている。この中国の米国債の売り出しで、日米関係は正常化
したとも言えるし、国内的には社民党が政権離脱して、政策的にも
右旋回してほしいものである。

そして、国民新党の政策チェック機能の役割が大きくなる。
小沢幹事長と亀井金融相が連絡を取って、政権運営をしているよう
だ。それだけお互いが補完している。
あしたは、この米中関係をみよう。
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 普天間移設、シュワブ陸上案で調整 政府、米側に非公式打診 
 政府・与党は19日、沖縄県の米軍普天間基地問題を巡り、米軍キ
ャンプ・シュワブ(同県名護市)の陸上部を有力な移設先とする方
向で調整に入った。政府・与党の沖縄基地問題検討委員会での議論
を経て、具体案を決定し、米側との本格的な交渉に入る考えだ。 

 鳩山由紀夫首相は同日、シュワブ陸上案に関して「あらゆる選択
肢を視野に入れて一つ一つを検討している」と表明した。首相官邸
で記者団の質問に答えた。これに関連し、政府筋は同案を非公式に
米側に打診していることを明らかにした。 (07:00)
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シュワブ陸上案に反対=社民・福島氏
時事
 社民党の福島瑞穂党首は15日昼、米軍普天間飛行場(沖縄県宜
野湾市)の移設問題で、国民新党がキャンプ・シュワブ陸上部(同
県名護市)への移設案を政府・与党の沖縄基地問題検討委員会に提
出する方針を固めたことについて、都内で記者団に「名護市民、沖
縄県民の気持ちは、国外・県外(移設)で頑張ってくれということ
だと思う。なぜここで陸上案が出てきたのか」と述べ、反対の考え
を示した。
 社民、国民新両党は、17日の検討委に新たな移設案を出す予定。
福島氏は、民主党に対しても「自分たちの見解を出すべきだ」と求
めた。 (2010/02/15-13:21)
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「仁義なさ過ぎ」社民・阿部氏=普天間めぐり福島党首を批判
時事
 社民党の阿部知子政審会長は17日、福島瑞穂党首が米軍普天間
飛行場(沖縄県宜野湾市)をキャンプ・シュワブ陸上部(同県名護
市)に移設する国民新党案に反対する考えを示したことについて「
ちょっと仁義がなさ過ぎる」と批判した。首相官邸で開かれた政府
・与党の沖縄基地問題検討委員会出席後、記者団に語った。
 阿部氏は「いろんな考えがあっていい。検討委以外の場でけしか
らんとか言うべきではない」とも指摘した。阿部氏は日ごろから福
島氏の党運営に批判的で、検討委のメンバーとして福島氏への不満
を抑えられなかったようだ。 
 福島氏は15日に、都内で記者団に「なぜ陸上案が出てきたのか
」と国民新党案を批判。同党内から「不愉快だ」(下地幹郎政調会
長)との声が挙がっていた。(2010/02/17-20:52)
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在日米軍再編:普天間移設 「シュワブ陸上案」閣内分裂
毎日
 ◇北沢防衛相が意欲、前原・福島氏「反対」
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を巡って19日
、鳩山内閣の閣僚発言がまたも割れた。

 国民新党が主張するキャンプ・シュワブ陸上案(同県名護市)に
ついて、北沢俊美防衛相は記者会見で「(政府・与党の沖縄基地問
題検討委員会で)まとまったら真剣に検討する」と意欲を示した。
防衛省は05年の在日米軍再編協議でキャンプ・シュワブ内の演習
場地区に移設する案を検討したが、米側や地元の反発で頓挫し、シ
ュワブ沿岸部(名護市辺野古)に移設する現行案に落ち着いた経緯
がある。今回、再び陸上案を模索する動きが同省内にあり、北沢氏
も理解を示した形だ。

 しかし、地元・名護市では1月の市長選で移設反対派の稲嶺進氏
が当選したばかり。稲嶺市長は「海にも陸にも造らせない」と明言
しているが、北沢氏は会見で「基地の中へ移転するんだから」と指
摘。米軍楚辺通信所(同県読谷村)をキャンプ・ハンセン(同県金
武町など)へ移設した例を挙げ「大きな反対運動は起こらなかった。
そういう歴史的なものに学ぶべきところはある」と強調した。

 だが、過去の経緯をよく知る前原誠司沖縄・北方担当相は「かな
り前に調査されて消えた案だ。民家の上空を飛ぶなどの問題をどう
クリアするのか」と疑念を呈した。社民党は福島瑞穂党首(消費者
・少子化担当相)が反対を明言し、照屋寛徳国対委員長も「既存の
基地内であろうが県民の負担増になることは間違いない。基本的に
反対だ」と述べた。

 国民新党の亀井静香代表(金融・郵政担当相)は「各党が良いと
思う案をそれぞれ検討して実現可能性を探る段階だ」と反発。亀井
氏は14日に東京・羽田空港で民主党の小沢一郎幹事長と会った際
、シュワブ陸上案への理解を求めたが、小沢氏は「おれは政策のこ
とは分からない」と述べるにとどめている。連立与党間、閣僚間の
調整が全く進んでいない状況が露呈した。

 そうした中、平野博文官房長官が19日夕、自衛隊機で沖縄入り
し、20日には沖縄県の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事と会
談する。

 17日の検討委で具体案の提示が見送られたのは、国民新党の陸
上案提示を受けて平野氏が沖縄への打診に動くのを社民党が警戒し
たからだ。仲井真知事は19日、県庁で記者団に「過去の案を詳し
く知らないので聞かないことにはよく分からない」と述べ、平野氏
に説明を求める考えを示した。

 鳩山由紀夫首相は19日、首相官邸で記者団に「どの選択肢に対
してもコメントはしない。最終的に連立政権を維持する形の結論を
出す」と社民党への配慮をみせた。【仙石恭、横田愛、三森輝久】
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民主、国会運営に自由度 「自民切り崩し」着々と
 自民党を離党した吉村剛太郎参院議員は16日、福岡市で記者会見
し、国民新党への入党を表明した。参院で同党と統一会派を組む民
主党は同日の参院常任役員会で吉村氏の統一会派入りを了承。民主
党は参院の会派ベースで過半数の122議席を確保し、社民党抜きでの
法案可決の環境が整った。

 自民党離党組で民主党に入党した田村耕太郎参院議員に続く吉村
氏の民主会派入りは、民主党の小沢一郎幹事長による自民党切り崩
し工作の一環とみられる。小沢氏は今夏の参院選後に本格的な「自
民党つぶし」に取りかかるとみられ、政局を左右しそうだ。吉村氏
は記者会見で「国民のために真の保守政治を確立していきたい」と
語った。昨年末に国民新党から入党の打診があり、15日に都内で同
党の亀井静香代表と会談して最終合意したことも明らかにした。
(11:52)
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中国・北の脅威対処、新防衛大綱へ議論開始
 政府は18日、鳩山首相が主宰する「新たな時代の安全保障と防
衛力に関する懇談会」(座長=佐藤茂雄(しげたか)・京阪電気鉄道
最高経営責任者)の初会合を首相官邸で開き、今後の防衛力整備の
指針となる新たな「防衛計画の大綱」(防衛大綱)策定に向けた議
論を開始した。

 懇談会は今夏をめどに報告書をまとめる予定。政府は報告書をも
とに、年内に現大綱を改定した新大綱策定を目指す。

 鳩山首相は冒頭のあいさつで、「防衛体制の見直しには、継続と
変化の両方が必要だ。タブーのない議論をしてほしい」と述べた。
また、「北朝鮮の核、ミサイル開発の深刻化や周辺諸国の軍事力の
近代化に日本がどう対応していくのかという視点がいる」と指摘し
、中国の名指しを避けつつも、北朝鮮と中国の脅威への対処を中心
課題の一つとする考えを示した。

 首相は日米同盟の深化をはじめ、国連の平和維持活動、災害救援
活動、テロ対策などの国際協力のほか、サイバー・テロなど新たな
脅威も課題に挙げ、「中長期的な視野に立ってご検討願いたい」と
指示した。懇談会は月2回のペースで議論を行う。初会合には平野
官房長官、岡田外相、北沢防衛相らも出席した。

 防衛相はこの後、防衛省で幹部を集め、大綱策定に向けた省内の
検討機関である「防衛会議」を開いた。防衛相は「武器輸出3原則
は鳩山政権としてきちんと守るという前提のもと、装備産業の基盤
整備をどう図るか議論してほしいとお願いした」と述べ、懇談会で
武器輸出3原則の緩和も議題とするよう求めたことを明らかにした。

(2010年2月18日21時44分  読売新聞)
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米国債保有、日本が中国抜き首位に 09年末
 【ワシントン=御調昌邦】米財務省が16日発表した2009年12月末
の国際資本統計によると、日本の官民が保有する米国債残高が7688
億ドル(約69兆円)となり、7554億ドルだった中国を抜いて再び世
界一となった。日本がトップになるのは08年8月以来、1年4カ月
ぶり。中国が米国債の保有をやや減らした一方、日本の民間金融機
関が購入を増やしたことが背景だ。

 日本の昨年12月の米国債保有額は前月に比べて115億ドル増えたの
に対し、中国は342億ドル減少し、逆転となった。

 中国は09年5月には8015億ドルまで保有量を増やした。米国の財
政赤字を金融面で支える構図が生まれ、中国の米国に対する発言力
が増したとの見方が出ていた。(00:14) 
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 民主党訪米団の派遣要請=小沢氏に米国務次官補
2月5日9時9分配信 時事通信

 【ワシントン時事】キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋
担当)は4日、民主党の小沢一郎幹事長と2日に会談した際、同党で
大規模な訪米団を編成し、5月の大型連休中にワシントンを訪れるよ
う要請したと明らかにした。キャンベル氏は小沢氏の回答について
は言及を避けたが、「小沢氏の都合もつけば、彼や他の党幹部を大
いに歓迎したい」と述べ、小沢氏の訪米に期待を表明した。
 日韓両国訪問から帰国後、ワシントン郊外のダレス空港で記者団
に語った。
 キャンベル氏によると、会談で同氏は「政府関係者だけでなく、
より多くの与党議員と強固な関係を築きたい」と述べ、訪米団の規
模はできるだけ大きくするよう要望。訪米が実現すれば、オバマ政
権の対日政策などについて説明し、理解を求めたいとの意向を伝え
た。



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