3540.世界経済の転換点と日米関係



この頃の状況を見ていると世界が転換点に来ているように感じる。
                Fより

世界的な転換点に来ているように感じる。30年代の大恐慌は、米
国株式市場が大暴落して始まる。しかし、その後下げ止まってから
しばらくは米国経済そのものは回復基調に入る。この米国の金融恐
慌がやがて欧州に飛び火して、欧州経済ががたがたになり、やがて
地球を一周して再び米国に戻ってくるパターンを辿った。

今回はこの恐慌的な状況をG20で、前例のない財政支出を各国が
同時に行なうことで、金融システムを正常化させて不良債権にあえ
ぐ金融機関を救い、恐慌にはならなかった。

しかし、この財政支出がもともと財政基盤の弱かった「PIGS(
ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペイン)」などの国家財政の
破綻という状況になってしまった。これはデフォルト(債務不履行
)懸念に結びつく。

30年代世界大恐慌になったきっかけは、オーストリアのロスチャ
イルド系大銀行「クレジットアンシュタルト」がオーストリア政府
融資のデフォルトなどで突然破綻したことである。国の財政破綻が
原因で世界恐慌にあった歴史がある。

そして、現在、この国家破綻の危険性が出てきたと世界経済フォー
ラムでも認識され、この認識でポルトガル国債が下げ止まらないし
、これが原因で、世界株市場の連鎖安になっている。今回の下落は
米国の金融規制強化への対応というより、この国家破綻で世界的な
経済影響を受けると心配されたことである。

この世界的な破綻リスクの緊急的な調整をG7財務相会議で話し合
いことになると見る。北極圏近くのイカルイトという辺境の地で開
幕する意味は、秘密の厳守が求められたことからだ。ホテルもない
ために、各国の記者たちが押し寄せることが出来ない。秘密会合と
いう性格に会議をすることだ。

この世界経済の流れから新しい経済制度の設計をする必要があり、
その1つとして世界大恐慌後のグラス・スティーガル法と同様な米
金融規制案があると見る。この規制があれば、今回のサブプライム
問題はより小さかったと米国は主張するようだ。

今回の問題点は、第1に欧州の財政破綻懸念国への対応であるが、
日本も財政破綻の危険があるし、第2に中国の人民元レートの問題
である。国際貿易上、大きな偏りがあると経済全体の効率は大きく
失うことになる。このため、プラザ合意で日本の円は大幅な切り上
げをしたが、それと同じような切り上げを必要とG7諸国は見てい
る。

また、米オバマ政権は景気回復のために雇用を増やさないと中間選
挙での民主党の勝利がない。この一番のネックを中国人民元レート
が過小評価されていることであると見ている。このため、米国は中
国への対応を変化させている。それが、グーグル問題、ダライラマ
会見、台湾武器輸出などであるが、人民元の切り上げを要求してい
るという信号を中国に送っているが、中国はその信号を無視してい
る。

米国は1つの目標が設定されると、その以外の目標は小さくなり、
そのため同盟国である日本への対応も変化している。小沢問題より
現時点では日本が中国へ接近されることは、人民元切り上げには不
都合であり、日本の検察に小沢を逮捕させるより、米国への接近を
させて、普天間より日本の郵貯資金で米国債を買って貰う方が重要
になっている。そうすれば、米国債を大量に買う中国の意向を反映
させた外交をしなくて済む。米戦略が変化して、その戦略を実現さ
れるためにキャンベルなど米政府要員が動いているのだ。

しかし、日本は中国近傍にいるために、中国への輸出で日本経済は
10〜12月4.3%成長と活況になり始めている。東アジア共同体の1歩
としての日中韓・ASEANなど16カ国の輸出手続きを統一化する
など、この地域での経済発動を一体化する動きが加速している。
そして、この地域での基軸通貨として人民元が確実に前進している。

雇用を増やしたいためにアジアへの輸出を拡大したい米国は、この
動きから取り残されている。この面でも日本との結びつきを強化す
る必要に迫られている。

さあ、どうなりますか??

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ユーロ圏金融・債券市場・終盤=ポルトガル国債が下落、ギリシャ
国債は安定
2010年 02月 5日 04:16 JST
[ロンドン 4日 ロイター] 4日のユーロ圏金融・債券市場で
は、ポルトガル国債の価格が引き続き下落した。財政状態がぜい弱
なポルトガルに注目が集まっている。

 トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁は、この日の理事会を受け
た記者会見で、ギリシャが赤字削減に向け正しい方向に動いており
、財政健全化計画を達成することが重要と発言。10年物のギリシ
ャ国債と独連邦債の利回り格差が縮小するなか、ポルトガル国債は
下げ止まらなかった。
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国家の債務不履行、世界経済の最大のリスク=世界経済フォーラム
2010年 01月 15日 17:12 JST
 [ロンドン 14日 ロイター] 世界経済フォーラム(WEF
)は14日、年次総会(ダボス会議)を前に「グローバル・リスク
」年次報告書を公表し、2010年の世界経済にとって、財政悪化
が深刻な債務危機を招くリスクが最大の脅威だ、と警告した。

 世界の主要国は金融危機に対し、景気刺激策の実施や民間債務の
肩代わりなどで対応した結果、国家債務が急増した。それはリセッ
ション(景気後退)の深刻化を食い止めたかもしれないが、市場で
は高水準の国家債務への懸念が増大している。
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世界で株安、欧州を懸念 NY株一時1万ドル割れ
 欧州の財政不安が再び強まり、リスクマネーが収縮、世界の株式
市場が連鎖安の様相となっている。4日の米国市場ではダウ工業株
30種平均が一時、1万ドルの大台を割り込んだ。5日もアジア株が
軒並み下落し、東京株式市場では日経平均株価が一時300円を超える
下げ幅となった。円相場は海外市場で1ドル=88円台を付けるなど
、対ドル、ユーロともに円高が進んだ。

 5日の東京株式市場では前日の米国株安に加えて円高も嫌気され
、東証1部の約9割の銘柄が下落する、ほぼ全面安の展開となった。
午後1時10分時点の日経平均は前日比252円22銭(2.44%)安の
1万0103円76銭。
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金融規制案など議題に G7財務相会議、開幕へ
 【イカルイト(カナダ北東部)=木原雄士】7カ国(G7)財務
相・中央銀行総裁会議が5日夜(日本時間6日午前)、北極圏近く
のイカルイトで開幕する。オバマ米大統領が表明した銀行によるヘ
ッジファンド投資禁止などの金融規制案や、G7財務相会議のあり
方などが議題になる。閉幕時にまとめていた共同声明の採択は見送
る。

 G7会議では米国が金融規制案の狙いなどを説明したうえで、導
入した場合の影響などについて議論するとみられる。菅財務相は5
日の閣議後の記者会見で「(金融の)あるべき姿と景気回復を両立
させるというスタンスで臨みたい」と述べた。(07:00) 
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米大統領の人民元発言、中国で反発広がる
 オバマ米大統領が中国の人民元の切り上げ問題を念頭に「通貨レ
ートは課題」と発言したことについて、中国国内で反発が広がって
いる。5日の中国各紙は大統領の発言を批判し「米国の圧力に屈す
るべきでない」との論調を展開した。中国政府内では元切り上げの
再開を訴える声も根強いが、米国の圧力でかえって再開に向けた動
きが鈍るとの見方も出ている。
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アメリカのオバマ大統領: 「課題の一つが為替レート」

 [ワシントン 3日 ロイター] オバマ米大統領は3日、中国
などアジアは今後、米国の大きな輸出市場になるとの見方を示した
上で、米製品が競争上不利にならないよう為替レートに対処する必
要があると述べた。
 オバマ大統領は民主党議員との会合で、米政府は中国をはじめ、
各国に対し、貿易ルールを遵守し相互に市場を開放するよう求めて
いくとの姿勢を示し、「国際的に対処しなければならない課題の一
つが為替レートであり、米製品の価格が人為的に引き上げられ、他
国の製品の価格が引き下げられることのないようにすることだ」と
語った。
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ゆうちょ銀の資金、米国債で運用も 亀井大臣が見解 
2010年2月4日1時30分 
 亀井静香金融・郵政改革相は3日、日本郵政グループのゆうちょ
銀行の資金運用について、米国債や社債などに多様化していくべき
だとの考え方を示した。郵政見直しではゆうちょの預け入れ限度額
の引き上げも検討されており、亀井氏は資金の増加が見込まれると
して、運用先も広げるべきだとの立場だ。 

 亀井氏は記者団に対し郵政見直しについて「手足を縛られて営業
をしているわけだから、現実にあった形にしていく」と発言。昨年
12月末で約180兆円のゆうちょ銀行の貯金残高の増加が見込め
るとした上で、米国債など日本国債以外の運用が「もう少し増える
と思う」と述べた。 

 ゆうちょ銀行は昨年12月末で約180兆円を有価証券で運用し
ているが、9割近くは日本国債で米国債はほとんどなく、社債も約
12兆円にとどまっている。
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民主党訪米団の派遣要請=小沢氏に米国務次官補
2月5日9時9分配信 時事通信

 【ワシントン時事】キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋
担当)は4日、民主党の小沢一郎幹事長と2日に会談した際、同党で
大規模な訪米団を編成し、5月の大型連休中にワシントンを訪れるよ
う要請したと明らかにした。キャンベル氏は小沢氏の回答について
は言及を避けたが、「小沢氏の都合もつけば、彼や他の党幹部を大
いに歓迎したい」と述べ、小沢氏の訪米に期待を表明した。
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普天間問題「決着遅れるなら対米関係持たず」 防衛政務官 
 長島昭久防衛政務官は1月10日のフジテレビ番組で、米軍普天間
基地の移設問題を5月までに決着させるとした政府方針に関して「
また延ばすという話になると、本当に対米関係がもたなくなる」と
指摘した。そうした事態になれば「米政府から見た鳩山由紀夫首相
の信頼性がなくなってしまう」とも語り、5月決着の必要性を強調
した。 
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オバマ大統領とダライ・ラマ、2月中に会談
 【ワシントン支局】ギブズ米大統領報道官は4日の記者会見で、
オバマ大統領が今月、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世
と会談する予定であることを明らかにした。中国政府は両者が会談
した場合は米中の信頼と協力関係を損なうとして、報復措置の可能
性を示唆している。4日付の米紙ワシントン・ポストは、ダライ・
ラマが17、18日にワシントンを訪問する見通しと報じた。
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米議会、グーグル問題で対中強硬論強まる 政府に対応要求 
 【ワシントン=御調昌邦】米議会で中国への強硬論が増してきた
。インターネット検索世界最大手の米グーグルがサイバー攻撃など
を理由に中国からの撤退を検討している問題を受け「ネットの自由
」を重んじる立場から、中国の人権問題や社会体制への批判が目立
つ。人民元改革や貿易の不均衡、知的財産権の保護など米中間の懸
案は多い。他の経済政策でも米政府に強気の対応を迫る空気が広が
りそうだ。
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日中韓・ASEANなど16カ国、輸出手続き統一へ
 日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国など16カ国は
輸出製品が自国で生産されたことを証明するルールや手続きを統一
する検討に入る。アジアで広域的に事業展開する企業の負担を軽減
し、域内貿易を促進する狙いがある。日本政府は実務的なルールを
そろえることで、16カ国での自由貿易圏の構築につなげていく方針
だ。

 統一を目指すのは「原産地規則」と呼ばれるルール。2国間の関
税障壁などを撤廃する自由貿易協定(FTA)を活用して輸出する
際、自国が原産地であること証明する手続きが不可欠になる。FT
Aでは特別に定めた低い関税率が適用されるため、第三国で生産さ
れた製品が迂回(うかい)して流入することを防ぐ必要があるため
だ。(07:00) 
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景気二番底懸念和らぐ 10〜12月4.3%成長予測、エコノミスト平均
 景気が再び底割れする「二番底」の懸念が和らいできた。経済産
業省が29日発表した2009年12月の鉱工業生産指数は前月比2.2%上昇
し、10カ月連続で改善した。中国向けを中心に輸出が増加。民間エ
コノミストによる昨年10〜12月期の実質成長率予測は平均で4.3%と
、最近の日本では高い伸びになったとみている。ただ今年前半の成
長率は公共投資の減少などで鈍化するとの見方が大勢で、雇用環境
の改善やデフレ脱却にはしばらく時間がかかりそうだ。
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米、台湾に武器5800億円売却 中国「強烈な憤慨」
 【ワシントン=弟子丸幸子】米国防総省は29日、台湾に総額64億
ドル(約5800億円)の武器を売却する計画を決め、米議会に正式に
通告したと発表した。オバマ政権による台湾への武器売却は初めて
で、中国の軍拡への懸念が背景だ。計画には地対空誘導弾パトリオ
ット(PAC3)などを盛り込んだが、台湾が求めていた新型の
F16戦闘機や潜水艦は見送った。中国政府は「強烈な憤慨」を表明
して反発。ネット検閲をめぐる対立や通商問題と合わせて、米中間
の摩擦が広がっている。


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