3530.産業・社会制度革命の可能性



18世紀に第1次産業革命として、英国で蒸気機関ができた。19
世紀には第2次産業革命として、米国で鉄道・発電機・電信電話が
でき、20世紀には第3次産業革命として、同じく米国で情報通信
・コンピュータができた。この2次・3次産業革命の技術を開発し
た米国が世界の覇権を手にしている。技術開発で豊かになった国が
世界経済を牽引してきたのである。

この第3次産業革命の需要が先進諸国で一巡して、先進諸国では不
景気となっている。このため、まだ第3次産業革命までの技術が十
分普及していない新興国の需要に期待するしかない状態になってい
る。中国やインド、ブラジルなどである。

しかし、3次までの産業革命を見ると、コンドラチェフが提唱した
ように50年周期のように見える。この説が正しいとすると、次の
コンドラチェフの波が起こるには2015年頃からである。

しかし、徐々に、その次の波を起こす技術とその技術を使った製品
がその顔を出てきているようだ。それを今回は概観してみよう。
           津田より

0.はじめに
私のHP上のお知らせ欄にある「APPストアのI-phone用」をクイッ
クすると、ITUNEの最新版を導入している読者では国際戦略コラムの
ダウンロード画面に飛ぶはず。I-phoneやアンドロイドの携帯電話
やアマゾンのキンドル端末など、ペーパーレスの電子本や端末が出
てきている。

この電子本の形を実験するために「知見コミュニケーションシステ
ム」(以後、知見CS)の協力を得て、I-phone用のVIEWER
(ビュアー)を開発した。今後、アンドロイド携帯電話等のVIE
WER(ビュアー)も開発予定であり、本格的に著者サービスの分
野に乗り出す。

この電子出版は紙を使わないために、印刷や紙を輸送する必要も無
く、その分のコストが要らないばかりではなく、インターネットで
世界のどこでも配送でき、かつ在庫の必要もない世界になる。この
電子出版が一般的になると、今までの本屋も出版社も今の形では生
き残れないことになる。

コンテンツを持つ著者は誰でも手軽に出版できる。あまり手数とコ
ストが掛からないので資本力を必要とせずに出版が出来る。アマゾ
ンのように新人の発掘も簡単にできる。このビュアーが開発できた
ので、私も出版社ができることになる。実験中であるので今は無料
にしているが、有料化もできる。また、いろいろな電子本のストア
が計画されている。このストア用のVIEWERも開発予定であり
、ワンストップで全ストアに乗せることが可能だ。

コンテンツを持つ人たちの時代が来たことになる。中間の取次店や
本屋・印刷業者はいらなくなる。編集作業が残るが、割かし簡単に
出版ができることになる。その環境ができた。

コンテンツは、そのコピーが問題であったが、I-phoneやアンドロ
イドのようにコピーがしにくい環境ができたことで、電子本出版は
大きな可能性がある。そのため、私を含めた著者の皆さんを助ける
準備をしているのだ。また、講演会等に配る大量のCD、DVD、
BDのコピーも簡単にできる機械も見つけた。これも購入予定であ
る。

この紙なし社会が来ると、新聞配達もなくなり紙の資源も輸送もい
らなくなり、CO2排出量は大幅に削減される。共同通信や時事通
信などの記事作成会社とその記事を元に評論をする小さな電子新聞
社で済むことになる。大きな新聞社も出版社はいらなくなり、個人
でも電子出版が出来ることになる。大きな産業革命が起きる予感が
する。

ということで、I-phone用の電子本出版の希望があれば、メールで
ご相談ください。知見CSが提携している電子本専門の取次店をご
紹介します。

1.環境分野
 このコラムでは、電気自動車、太陽光発電、燃料電池など多分野
の環境系技術について議論してきた。私自身がコンピュータ技術者
と電気技術者であり、また環境技術を必要とする部門に居たことで
、技術的な評価できるために、どうしても技術的な面が多くなる傾
向にある。

そして、徐々に確実に技術は発展進化している。当初のゼファーの
風力発電は風切音が大きくて気になったが、つい最近の製品は風切
音が緩和されている。もう1つが、風速が20M以上になると、止
まってしまい発電しないし、5M以下の風速でも発電しないために
効率が非常に悪かった。この問題点を解決して、20M以上でも、
5M以下でも発電するなど性能が向上している。

電気自動車もその技術が時間と共に進化している。ブレーキを踏む
と発電して、電気消費量を低く押されることができるが、現在は後
輪で前進させて、前輪は加速をつける時や坂道では推進力にして、
それ以外では発電している。このため、300KM以上の後続距離
が稼げるようになってきた。平坦な道では、あまり推進力が必要な
いことが徐々に分かってきている。このように時間が経つと共に技
術は進化するのである。インバータの改善、直流電気のスイッチな
どの細かい改善が徐々に実用的な電気自動車にしている。

電池の世界も大きな前進がある。リチウム電池の問題点は、リチウ
ムの資源があまりないことである。日本国内でもリサイクルできる
ほどの蓄積されていないために、リチウムを世界から輸入すること
になるが電気自動車で必要なリチウムの量は大きく、価格が高騰す
ることになりそうである。このため、リチウムを使わない割かし大
量にあるマグネシウムの空気金属電池にシフトする必要があるが、
リチウム後の準備が大きく前進しているようである。

マイクロ水力発電でも進化してきた。落差発電は昔からあったが、
流水での発電が出来るようになり、かつ構造がシンプルであり、流
水がある東南アジアでは有望な技術になってきた。風力・水力・太
陽光など自然発電で問題なのはその不安定であるが、ここでもNA
S電池を用いた安定化システムができて、その導入の障害を緩和し
ている。

LED照明も徐々に実生活で使える価格になってきた。しかし、こ
こではもう1歩進める必要がある。LEDは直流で動作するために
LED照明器具それぞれにAC/DCの変換装置がついている。
この装置の電気ロスが大きい。このため、LED給電する電気をま
とめて変換する方が、大電力になり高額の半導体が使えるために、
電気ロスを少なく出来る。

全体的な電気系統の含めたシステムをインドの町で実験できるよう
であり、日本が持つ多様な技術を実験してほしいものである。

2.新しい公共
鳩山首相が提唱する新しい公共は非常に良い構想である。この民間
の手で公共福祉を担うと言うことは江戸社会の良い面を現代化して
いると見えるためである。

江戸時代は町を自主統治させていた。町中のことは無給の町年寄と
町役人、番屋詰めなどであり、町を支配する幕府の役人は北町、南
町奉行所それぞれで与力25名と同心140名だけである。ほとん
どの町中のことは無給の町役人が行うことになる。

武士階級の警察・裁判はお目付がやることであり、北町・南町奉行
所には権限がない。あくまでも江戸の町人の犯罪を取り締まること
である。武士が町中で事件を起こしてもお目付が出てくるので、劇
のようなことはない。

この町役人が、それぞれの地域で福祉も行うことになる。町方には
税金がなく、経費は町内会費で町中の社会安定を行う必要があり、
捨て子があると、町役人の事務方である町名主が捨て子の世話をし
てくれる人を探すことになる。町民は長屋での生活が一般的であり
、共同生活のような感じであり、世話人には家賃を下げるなどの便
宜を図っている。

このように半自発的な自治を行っていたのが、江戸時代である。番
屋に詰める自警団は無給であるなど参考になる事例が多い。このよ
うに江戸幕府はコストを使わないで、町中の行政を行っていた。こ
のような仕組みを現在の財政危機の時代では発想する必要が出てき
ていると感じる。

3.最後に
2012年まで世界はどうも混乱の中にある。時代が行詰っている。
技術的な問題以外にも社会的な仕組みでも問題が出てきている。オ
バマ政権でも財政支出が大幅に伸び、数年もこの状態であると財政
破綻を起こす危険性があり、金融機関を安定化させる必要があって
金融規制強化に乗り出した。しかし、この金融規制は大きな混乱を
引き起こすことになる。

日本はこの20年以上も財政支出による景気の底上げを図ったこと
で、大変な財政危機の状況になっている。その新しい芽が、環境技
術の面と新しい公共と言う社会面の改革のようである。

さあ、どうなりますか?
楽しみですね!!

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