3490.現代金融理論は江戸時代の理論を基にしている



森野さんとお会いしたが、その席で江戸時代の日本の金融の仕組み
を、世界が勉強して、現代風の金融理論としているだけであり、
日本の江戸時代を日本人が勉強しないために、その盲点や優秀な点
を指摘できなくなっていると。

江戸時代はコメ中心経済であり、コメは秋の1回しか出来ないため
に、その将来できるコメを元手にして各藩はコメ商人から金を借り
た。この商人は危険分散のために先物取引をして担保したことから
始まっている。このコメ先物の派生商品も多数あり、デリバティブ
取引が盛んに江戸時代では行っていた。この理論をシカゴや英国が
勉強して、シカゴ商品市場を作り、英国は金融取引に入れた。

そして、戦後GHQは、江戸時代の日本の金融理論を潰しために教
育改革や米国フルブライト留学生に英語で書かれた理論を教えて、
日本の商家秘録などを公に広めないようして、日本の理論を潰した
のである。

ヒットラー政権下のヒャルマル・シャハト経済学はケインズ経済学
そのものであるし、先行しているが、戦後、米英はシャハト経済学
を潰して、ケインズ経済を正式化したことでも、日本・ドイツの経
済学を潰して、戦勝国である米英の経済学を正式化する大変な政策
をしている。

シャハトはニューンベルグの裁判でも死刑に出来ず、無罪判決にな
り解放後、シャハトは最初にナセルのエジプトに呼ばれ、次にスカ
ルノのインドネシアで経済顧問をしていた。

また、日本ではいろいろな藩札が発行されて、その藩の運営方法が
まちまちであり、失敗も成功もあり、その通貨理論化が進んでいた。
藩札の大量発行はインフレになるが、実体とリンクさせるとデフレ
になることなどである。

このため、2つの世界大戦の戦間時代に金本位制を廃止したことで
、実体とのリンクを無くした諸国通貨は徐々にインフレになること
が分かる。金は安定しているので、価値は変わらないが、通貨の価
値がインフレになるので、通貨代金として上昇している。しかし、
その上昇速度は100年程度で見ることが必要であり、人間の寿命
的には良い投資ではないので、金利が高い投資にいくことになる。

デノミはなぜ行うのか、それは藩が大商人を潰す為であり、この方
法はミャンマーで華僑を締め出すのに使い、今、北朝鮮でも商人を
潰すために使っている。この方法の考案者は日本である。

COP15でも森林の価値を認めたが、この森林経営として成功し
ているのは、日本とノルウェーである。
この森林経営術でも琉球の祭温が理論化して、その後、大倉常長が
出ている。どちらも江戸時代であり、森林から多くの恵みを持続的
獲得するためにどうしたらよいかを研究している。この2つの理論
が今、世界が必要としているが、その前に日本人が発掘する必要に
なっている。日本の江戸時代に理論化されている経済理論は優れて
いるが、日本人自身が忘れて、欧米理論をありがたがっている。

日本では江戸時代の話を聞こうという人はいないが、韓国や中国で
は、日本の成功した根源が江戸時代であるという認識があり、呼ば
れて講演することが多い。その中には石門心学や二宮尊徳なども含
まれる。

もう少し、自分たちの過去を知るべき時にきたと森野さんは力説し
ていた。

もう1つが、世界の状況を知るためにはどうするかである。米国を
見ても分からない。EUの方が重要であると言う。

EUは、貴族社会を知らないと読み解けない。その読み解くには、
ベルギーの情報が必要であるが、フランス語とドイツ語であり、こ
れは読めない。EUの貴族達は米国は成上り者としか見ていないの
で、あまり重要視していない。どうしてベルギーかというと、オラ
ンダはプロテスタントの国であり、カトリックがEUの中心である
ので、ベルギー王室の方がオランダ王室より重要であると見るよう
だ。そういえば、ベルギーの王妃はイタリア貴族の出である。同じ
カトリックだし、オランダのベアトリックス女王の夫は同じプロテ
スタントのドイツ人である。

このEU情報を英語で読むにはカナダ・ケベック州のモントリオー
ル情報が優れている。カナダは米国から離れて、EUに近づいてい
るのもケベックにフランス語圏があり、ベルギー情報を得ているこ
とでそうなる。

EUの心底は、米国からEUに覇権を移そうとしているが、現時点
ではドルの経済圏が強くて、EUも米国と一人勝ちであることを認
めている。米中のG2はEU対抗でそうしたが、当分EUは負ける
と見ている。それだけ米中同盟は強力であると見ているようだ。

このため、森野さんが発掘した江戸時代の経済学とEU情報を講演
してもらう機会を作りたいと思う。


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