3467普天間基地移設問題について



普天間基地移設問題について        虚風老 

まず、普天間なりグァムなりの移動は、2003年から着手された
、米軍の再編計画によって起こってきたことであり、それを策定し
てきたのは、共和党・ブッシュ政権のラムズフェルド元国防長官の
指揮下で行われたということである。

日本の自民党・防衛省・国防族の人脈は非常に共和党側に傾いてお
るので、その影響下にある。共和党は伝統的に軍事優先派でもある。
また、歴代ジャパンハンドラーと称される人々も共和党派が多い経
済金融では民主党派が多いがね。また、それに対する日本側のカウ
ンターエージェントも、そこに連なる。(そこから情報を得るマス
コミ担当者も)

また、ジャパンハンドラーにとっては、自分の地位権力(日本の政
策を動かせるという)にもかかわってくるというわけじゃろう。
そして、アメリカにとっても、日本が今までのようにワンコのよう
に命令に異もなく従うかというのを探っておるわけじゃ。

日本側の人脈にしてもそれらの方針が日本の利益にかなっていると
いうふうに考えておるわけじゃろうけど。すべてが、利益が相反し
ていると言う訳ではないからの。国内調整のためにそこを権威のよ
うに使ってしまうということもありうる。

日本の軍事力を高めたいという人だって、その流れに沿った方が強
化できると考えるじゃろうし、日本が単独・独力で、軍事力を高め
るというのは無理があるじゃろうからね。(軍事技術的にも、軍事
後方支援力にしろ、軍事情報にしろね)

もちろん、米国防総省には一貫した態度・戦略があるであろうから
、現在も再編計画はそのとき策定さえたモノに則って動いているわ
けじゃ。
またオバマにとっては、現在の極東にさしせまった危機があるわけ
ではないので、どうでもいいことで、国防省のブリーフィング(既
存の戦略)どうりに進めようとするじゃろう。
このことについて、国防省や議会と対立する理由がないからの

国防総省の計画の中では、日本側の役割や日本における基地の位置
づけは明白なのであろう。しかし、ワシとしては、米軍と融合的一
体化なんて概念には、危うさを覚える。
指揮を共同でなんてのは、自民党系の国防族、自分達が言ってるよ
うに、対等になんてことにはなりはせん。(永遠にの)

ところで、日本側には、自民党時代二つの相反する作用によって
これを受け入れる態勢が形作られてきたと考えられる。
一つは言うまでもなく、沖縄の負担軽減であり、もう一つはアメリ
カの軍事プレゼンスを日本において落とさせない(もしくは強化さ
せる)ということである。

自民党政権にとって、対中抑止派の力が強かったので、軍事プレゼ
ンスを残すというほうに、やや力点があったことはいなめないし、
また防衛施設庁がらみで、沖縄の金を落とす方策(懐柔のため)と
して、地元土建業者への利益につながる方法に引きずられるという
こともあったようにも聞いている。

気になるのは、アメリカ議会が、グァム移転経費を7割カットしよ
うとしているという点である。アメリカ議会が世界中にある米軍基
地の一つの海兵隊基地がどこにあろうと、そんなもので大きく反応
したとはおもえない。(国防総省なら関心をもっているであろうう
が、、、、また外圧的に見えることを利用とする人々がそれを利用
しているというのも常套手段だが)

これが、どういう文脈で出ているのかを正確に知る必要がある。

日本も財政難じゃが、アメリカはもっと財政について困難性を増し
ておる。
その中で防衛費(特に中東を除く)を縮減しようとするのは財政上
の要請であろうし、民主党のラムズフェルド(ネオコン人脈)が立
てた世界軍事戦略を、いつまでも民主党政権と民主党主導の議会が
そのままにしておくだろうかというがある。

また、対中戦略については、共和党終期でも変わってきていたが、
民主党になり、また金融危機後の戦略では大きく変わらざるえない。
まず、アメリカが中国と対立するという戦略は今後かなりの期間に
わたって取られないであろうということじゃ。
アメリカは別名ビジネスマンの共和国といわれる。これから最大の
金の卵を産みそうな東アジアを混乱におとし込む戦略はないとおも
える。

しかも、中国側もそれを望んでおる。(つまり今の世界態勢の中で
順調に力を増していき、溢れるばかりの国内問題を片付けていきた
いというのが本音であろう。中国に今の国際関係を擾乱させたいと
いう動機はどこにもみあたらない)

日本の民主党政権がやらなければならないのは、現行案以前に、ア
メリカ軍が、海兵隊が<最低限どのような機能>を日本に置いてお
かなければならないかと考えているかということの米側の確認であ
る。
なぜなら、辺野古沖というのは、日本側の事情が大きく関わってで
きた日本側の案であるからだ。

海兵隊というのは即応部隊であり、直接上陸するための部隊である。
大規模に陸海空全軍を用意してすすめる類の戦闘(対中とか対北朝
鮮へ全面的に戦う)ならば、直近である必要はない。海兵隊一部隊
だけでは無理じゃしの。
突発事変が起きた時に、自国民救出の為に一時的に空港・港湾など
を占拠して救出にあたるという任のためにはいるであろうけどの。
それらの戦略資源(足の短いヘリとかをすぐに運用するためとか)
の保管のためにある必要はあるかもしれない。

民主党が、この行き詰まりを解きたいならば、民主党政権での一番
の優先事項を「沖縄の負担の軽減にある」ということを全員一丸で
アメリカに言うべきであろう。
まあ、防衛省は納得しないであろううがの。それは自衛隊の運用=
軍同士の協調歩調をとるということから米軍と良好な関係をあくま
でも維持しなければならんからの。
かといって、アメリカが戦力を引いてしまうということは考えられ
ない。

もちろん、アメリカにとっても、辺野古案は強化された新基地で運
用上、最大のメリットがあると考えるじゃろう。
だが、これは、もうひとつは、沖縄に米軍が永久に滞在するか、徐
々に縮小していくのかという長期戦略にも絡んだ問題も含んでおる。

最低限必要なことは何か、それはどのように担保できるか。場所と
いう具体案でなく、それをもう一度聞き出すことじゃ。(国防省で
はなく外務省によって)


それと
普天間の話しではないが、ワシャ茨城空港(旧百里基地)には疑い
も持っておる。
まともな交通経済を考えているなら、あそこの空港は「民間」とし
ては成り立たないじゃろう。
そこで、軍民共用ということになっておるが、滑走路を2本にした。
また空港までのアクセスが無茶苦茶悪い。あれは、将来横田をあそ
こへ移転させるつもりなのじゃなかろうかね?

どこの国が、首都の上空を外国が管理しておるというのじゃ。管制
を日本側と共同にするための作業をしているというが、横田は米軍
の輸送基地としてしか使われておらん。
横須賀や座間があるので、首都圏においておかねばならないという
なら、百里でもええじゃろう。

米国の動きと日本国内の権力構造が働きだすのにタイムラグがある。
もう少し米国内の動きをつかまえないと。。。

                      虚風老
 


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