3466.行政の可視化が民主主義の実現に必要



行政の可視化が民主主義の実現に必要

自民党の林芳正氏が何の権限があって、事業仕訳をしているのだ、
法的根拠を示せといった趣旨の代表質問をしていました。
憲法では、予算は、国会の審議を受け、議決を経なければならない
、とある。予算は、国会議員の最も重要な職務であるはずです。
予算を熟知すべきであり、これこそ、議員の本分であるはずです。
「事業仕訳」などと称して、テレビ中継しているが、一体今まで、
国会議員として、どれだけ真摯に取り組んできたのか。
国会の予算審議会が、テレビ中継が行われたりするが、あの審議も
パフォーマンスに過ぎない。

木枯らし紋次郎こと中村敦夫氏の講演会で講演後、質疑要望になっ
て、「自身は、無農薬、有機栽培に取り組んでいるが、隣地の水田
の航空防除で、無農薬栽培の認定を受けられないでいるが、航空防
除の規制ができないか云々」といった要望が出された。中村敦夫氏
曰く、「私、農業委員会に属していますが、委員会といっても、セ
レモニーのようなものなんですよ。」と、にべもなく要望を無視し
た。これが国会議員の姿なのだと、つくづく思い知らされた。セレ
モニーと言っているのだから、議員全員で行わなくては、セレモニ
ーにならないのは、言を俟たないことである。
予算審議会といっても、先ず、各委員会で事業を見通し、その内容
を確認して、まさに事業仕訳が行われ、予算審議会に持ち込まれる
べきではないか。
予算委員会に上げていく手順というものがあって、然るべきである
はずだ。いきなり、予算委員会で予算審議が実施されることこそ、
不可能である。

「事業仕訳」と称して、今までの議員自身らの怠惰な行いを顧みず
、事業の当事者に高飛車な質問を投げかけ、血祭りに挙げているよ
うにさえ見える場面がみられる。テレビ中継で面白いところをピッ
クアップして報じているのかもしれないが、市中引き回しをしてい
るような感がある。
民主党に言いたい、あなた達、野党であった時期に、何かすべきこ
とがあったのではないでしょうかと。事業が如何に有効に国民に作
用しているか、如何なる事業が国民に必要かこれこそ、選ばれた議
員の職務ではなかろうか。
来年度からは、事業仕訳を行われないと報じられている。今年度は
、自民党の出鱈目ぶりを国民に見せつけたまでである。
国民には、知る権利がある。全ての事業を可視化し、毛細血管の先
まで見えるようにすべきではなかろうか。建設事業であれば、落札
した業者が判るようにすべきではなかろうか。

私は、自身の住む自治体の事業に疑問を覚え、情報公開法に基づい
て、事業の実態の解明を図ったが。予定価格調書、入札結果一覧表
、工事請負契約書、工事請負契約変更書等の文書の開示を求めた。
事業は、予定価格の100%で落札され、工事請負契約の増額まで
されている。そのような事業も役所に出向き閲覧料を支払わなくて
はならない。
予算書や決算書を見て判明したことは、介護事業制度が発足したに
も拘らず、公費が延々と介護施設に支払い続けられていた。
ここには、官製談合、裏金作りがある。これらを検察に告発するが
、不起訴処分である。権力の腐敗がある。
国民には、知る権利がある。国、地方自治体に拘らず、インターネ
ットで公開して、民主主義を実現すべきである。
透明化されないところには、腐敗が起きる。刑事事件で被疑者の取
り調べを可視化すべきとの主張は、当然である。司法でも住民訴訟
だけでなく民事一般も可視化してこそ、民主主義の実現がある。


國井 明子 


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