3434.予算についての幾つかの所感



予算についての幾つかの所感。        虚風老

これまで、概算予算がこれほど話題と関心を集めたことがあったで
あろうか。
またテレビで取り上げる機会が多いいので、その内容や形成過程に
も注目があつまっておる。これだけでも大変いいことだ。

これまでは、概算要求がでても、いや予算が出ても直接関連する人
達は、その部分にだけは、一喜一憂していたに違いない。しかし、
今回は国民みんなが、この予算はどうゆう合理性があるのかとか、
予算というものが、間接的には自分達の生活に大きくかかわってい
るのだと実感したにちがいないな。

以前なら、予算が決まれば、あとはその枠(額)が天から降りてき
たものとして、その中でどうしようかとだけ考えてきた。しかも前
年踏襲主義だから深く考えることもなかった。
しかし、これからは、予算は誰かが決めているのだ、そして変わる
のだという意識になる。

これは、それなら、地方議会−地方自治体の予算はどうなの、とい
う関心に向いていくじゃろう。
それまでは、土建業者など公共事業など直接関係しているモノしか
、地方自治体の予算とか気にとめる人は少なかったであろう。勝手
にきまっていて、まあそこそこうまく運営してもらえる。できれば
、それぞれが身近な要求をし、そのつどだけやってくれるのがいい
という具合じゃ。

しかし、これからは、予算の組方、全体の合理性、そのコストなど
にも目がむいてくるじゃろう。それは、確実に地方の首長や、議会
の選び方に変化をもたらす。

わしゃ、テレビでこういう番組を作ったらおもしろいかもしれんと
思う。
まあ、予算=政策の一つを抜き出す。建設業などでは、柱一本・ビ
ス一本まで、原価計算をする場合がある。
またみんなも知っていようが、普通会社などでもだいたい人件費な
どに含みを持たせてある。単価2000×10名×25日といった
具合じゃ。
しかし、たいていはそのようにはなておらん。単価も人数も日にち
も実際は違う。
まあ、そこから益をだすんじゃがね。
(テレビ好きの総務省のトッチャンボウヤ、原口などなら協力して
くれるかもしれん)そこで、ある政策に関わる予算を一つ選んで、
積算コスト内容を一円に至るまで表にだす。(今年度予算だと無理
なら前年度予算でええ)
で、この予算がどこにどのように流れていって、そこで何を幾らで
買ったかを一番末端まで、追っかけてみる。
それについて大阪のオバチャンのノリで突っ込みをいれていく。
(わあ、こんなところに金がきてまんのかいな。とか、えらい高こ
うおまっせ、近所の量販店なら、半分の値段でかえるがな。とか、
なんや、この人達エライ高給もらってますが、そんなに仕事しては
るの?とか。わあ、この困った人が、この予算があることで、ここ
で救われるとるんやねえとか。

わいわいがやがや、全部のコストを庶民目線でチェクするわけじゃ。
相当面白いと思う。 ぜひ大阪の番組でやってほしい。東京だと追
求断罪みたいになって、怒りだけを呼ぶということになってしまう
からの。ほんわか笑いながら矛盾に気づいていくというのがええ。

別にぎちぎちの予算を組めというのではない。普通20%程度の遊
び=余裕は必要なもんなんじゃ。まあ、それをこんな御時世だから
15%ぐらいに切り込めないかとか30数%もそんなモノがあれば
ソリャあそれこそが無駄でしょうということじゃ。

経営の方の言葉でスクラップアンドビルドという言葉がある。
まあ、前原や、大阪府の橋本が行っているのは、果断なスクラップ
にあたる
例えば橋本知事が計画している、府庁の移転で考えてみよう。
これは、府政からいけば合理性があるかもしれない。しかし、府庁
が移転するということは、旧府庁の周辺で商売をやっているモノに
甚大な影響をおよばさるをえない。食堂から呑み屋、駐車場から、
関連事務をその周辺に抱えている人。
それらの商売にとって壊滅を意味するかもしれない。しかも彼等は
、別に不当な利益をそこで得ているわけではない。善意の第三者と
して、長年まじめに商売にはげんできたもの達だ。県庁の近くとい
うことで、他所より高い権利金を払って入居しているかもしれない。
いわば、組み込まれているビジネスモデルの中核がなくなることは
死活問題である。

これは、前原が斬り込もうとしている公共事業が、地方の雇用や事
業に深く組み込まれているということでも同じである。
構造改革は、このように血が流れる。

だから、逆に原口が要求している、地方分の1兆1千億の増額は認
めるべきじゃろう。
スクラップしながら同時にビルドするというのがええんやろうけど
、ことはそう簡単ではない。転業促進も必ずタイムラグが生じる。
これらを地方のレベルでフォローしてもらうためにも(そこを広く
説明して)そこは積極的に手当てしておいたうほうがええ。

逆にエコポイントや自動車の大きな補助は止めた方がええ。
あのときは、経済が急激にクラッシュしかかっていて、体温でいえ
ば、40度を越えるかという感じじゃった。それをこえれば、不可
逆的に企業に影響がで、雇用も大量に失われる危険があった。今は
、体温でいえば、37,6といったところか、まだ容体は悪く注意
をようするが、危険ではない。逆にカンフル剤を使っていると依存
症になってしまう。

ここは、そんな手助けは一度やめて、企業側の商品戦略や、海外へ
の販売戦略を状況にあわせて変えるように促した方がええ。(3月
までは、やるんじゃし。もしどうしてもやるのなら、来年8月以降
に補正で考えることになるじゃう。これは環境対策に名を借りた経
済対策という側面のほうが高い。環境対策なら、燃費規制をすると
かのほうがはるかにすすむ)

予算の中身をみる。そしてその裏にある実体をみる。これはドラマ
じゃのう。
物語は人を動かすんじゃよ。
                虚風老
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収益償還型・特定目的公債      虚風老
   
 目的公債というのをワシなりもプランで考えてみた。
例えば、太陽電池のように、長期にわたって発電をし、収益が確実
で安定的に見込まれるモノを対象に考えられるじゃろう。

まず、年利3%ぐらい−国債よりはるかに有利と思える利率に設定
する。
この公債は元本については、政府によって保証される。100万な
ら100万。
3%複利で、15年だと150万くらいになるかな。

そこで、この償還金額を固定で決めてしまう。150万円という具
合に。
で、この公債で集めた資金(元金)によって、初期設備投資を行い、
運用収益(つまり売電じゃな)によって、地代・システム維持費(
補修等)保険(大地震等によるシステムの壊滅に備えるため)等の
支払をした残りを償却財源とする。
150万償還後の設備は、国に所有権と、そこから上がる運用益は
帰属する。つまり長く補修をしてつかえれば、国に金が入ってきて
、長いスパンで償還利率でかかった金を得ていくということじゃ。
(きっちり管理しておけば15年なんかじゃこわれやしないしの)

まあ、普通なら、電力会社等が社債等を発行して、設備投資資金を
ひねりだすのであろう。
しかし、大規模に安心して集めることができ、会社ならば、資本に
対して、配当かたちでリターンをださねければならない。
しかし、国の管理ならそれを気にしなくてええ。

これには、次の利点があると考えられる。
まず、日本人は株等のリスク性の金融資産に手をだすことに躊躇する。
この公債については、政府保証がつけるので、事実上の国債である。
株式のように電子式に管理し、預貯金の口座の名義等で、管理する。
(日本人で銀行口座を持てない人はまずいないじゃろう。名義管理
なので、子供・孫名義も可能。そのさい贈与税をある金額まで、無
くしてもかまわない。300万とか100万なら今でも贈与税はか
からないが−これだけでも、タンス預金が出てくる可能性がある)
(振り込み等が簡単。紙をださないので節約や管理が易い)

まあ、国の肝入りで作る<国内環境ファンド>みたいなものなのか
もしれない。

国債の場合もあるが、価値が変動するし、だいたい何に使われるの
かはっきりしておらず、借金の穴埋めにしかつかわれないのじゃな
いかという思いがある。(まあ、あながちウソとはいえんが)

その点、使われるのが、太陽電池による発電というのがはっきりし
ているし、(眼に見える)その会計を極めて透明にみることができる。
(設備費いくら、補修−維持費いくら、土地使用料いくら償還費い
くら…。という具合に)

ものすごい量の発電装置が発注になるので、大量生産・大量購入す
るので、生産費を低下させることができるじゃろう。

民間(家計の持ってる金融資産)からの活用になるので、消費=景
気にインパクトを与えることができる。

環境−未来のためというキーワードに参加できる。太陽電池をつけ
たいが、自宅の上には着けられないという人達のニーズがみこめる。

満期型と、年ごとの償還型(100万投資して、毎年150万の一
部を戻していく、このときは20万ぐらい減額しなくちゃならない
か?)を用意するという手もある。

個人にしても
自宅でつけた場合の故障とか補修をしなければならなくなるリスク
がない。
公的管理下にあるので、銀行預金より安心。
タンス預金のように盗まれる心配がない。
住んでる場所を選ばない、(北陸の暗い発電効率が悪そうだから付
けられないという人の利用可能)

大量の需要が見込めるので、太陽電池をつくる会社は工場をつくり
やすい。
設置が特殊ではないので、コストを押え易い、建築土木など公共事
業を請け負っていた地方の会社が競争参入しやすい。
保守点検等(わりと単純な作業)に地元の土木建築が抱えてた雇用
をふりむけやすい。

地域分散ネットワーク型発電になる端緒になるかも。

リサイクル−再生事業も立ち上げやすい。しかも全部基本的に日本
国内に作れる。(公共事業型)
これらは、どれも雇用の増大になる。

日本の輸入エネルギーを低下させることができ、エネルギーの外需
依存・化石燃料等の値上がり等の変動につよくなる。

つまり設備投資・雇用・エネルギー政策・環境対策につごうがええ。
しかも、国の財源に頭を痛めずにすむ。

欠点、配電など既存電力設備との接続等にかなり投資する必要があ
るかもしれない。
これには、スマートグリッド化を進めなければならないじゃろう。

昼間だけとか、天気が悪い日とか、ばらつきを埋めなければならない。
ガスマイクロタービン発電とか、蓄電池、水素化⇔電気化の技術革
新が必要になる。
まあ、逆に蓄電や水素化の技術革新への強い需要になるかも。
これらの自然エネルギーには、高効率が望めない。償還期間がかな
り長くなる可能性がある。
それを読み込んでおかねばならない。民間企業ベースでやりにくい
理由。

電気の強制買い取りを前提にしているので、電気代が高くなる。
(自宅に付けている人はいいじゃろうが)といったって、月に一人
喫茶店のコーヒー代くらいじゃろ。
それくらいは払わないと。。

電力会社の人達の電源開発計画が読みにくくなり、電源開発計画が
立てにくくなるかも。
産業用と家庭用を別枠で考えなければならないかも。

電力会社は原子力だけを、主に推進してきたが(計画・集中管理し
やすいからか)、
しかし、ちゃんと廃棄処理や放射性廃棄物の埋蔵などのコストも
自分達でみるつもりなんじゃろうね。そのへんをはっきりさせてお
いてほしいもんじゃね。

                虚風老
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夢でみてみれば。 虚風老
   
 日航も地方空港もこれから大変じゃのう。

実は寝ていて、面白いアイデアが浮かんだ。
まあ、寝ぼけて書いておるので、実現可能性とか採算性とかそんな
ことは、露も考えておらんがの。

まず、三菱が新しい中型の航空機(おそらく燃費では世界最高のモ
ノ)をつくるじゃろう。
それを導入して、環状バスか、山の手線のように、地方中核都市を
回る、内回りと、外回りの巡回航路を作るというものじゃ。

まあ、福岡からみてみると、例えば、山陰(松江)−北陸(富山)
−東北(秋田)−北海道(札幌)−東北(仙台)−首都圏(成田)
−東海(名古屋)−四国(高知)−福岡とまわす。
まあ、逆まわりもありじゃな。
まあ、大きなところは、直通があるとして、今上げたところは、直
通でも、地上を通っても中々便が悪いところじゃから、各駅停車の
ように必要なところやその近くまでまわるということじゃ。
それぞれに環状をスポークのようにまた別の場所へ運ぶ、直通便も
あるじゃろうから、カットして目的地へ乗り継ぐという手もある。
着陸料が安くなれば、そういう、こまかに着陸しながら長い区間の
客、短い期間の客、という混在でお客を拾っていくという手はない
じゃろううか。それとも登場率や、速さの利便性でおとるから、だ
めじゃろうかのう。

三菱などの、中型機の国内生産には是非成功してもらいたいもんじゃ。

                        虚風老

まう一つ、普天間基地が返還されたなら、沖縄本島だけ、カジノ特
区にしてはどうじゃろう。わしゃ、カジノなんか、ふつうの人は、
するべきではないと思うが、(特に東京などの大都市で)
もし、沖縄だけできるとすれば、カジノをする人間は飛行機代も払
ってくれるし、ホテルにも泊まらざるを得ない。沖縄本島に限って
おけば、何か悪いことをしても、島外へでるルートは限られるじゃ
ろう。
生活費ではなく、有り余ったお金で、享楽をたのしんだり、蕩尽し
たり、豪遊してくれる
のは大歓迎じゃな。経済がまわるからの。金持ちは遊べ。それが良
いことじゃ。
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まあ、がんばりんしゃい。 虚風老
   
 概算要求が出たが、やはり官僚にネグられたみたいじゃね。
まあ、今回は時間的制約がきついは、内容について政治家グループ
が不慣れじゃし、表の項目はわかっても、内容中身のコスト等の妥
当性まで分かるだけの知識もないじゃろう。

まだ、仮免にもいっていない路上講習中ぐらいじゃろう。
本予算がとおって、一年目で仮免。執行がおわって、反省して、来
年はちゃんと組めるようにならないとね。しかし、予算を自分で精
査するということは、ものすごく政策の全体に詳しくなるじゃろう
な。半年もすれば、自民党のベテラン大臣より政策通になるんじゃ
ないかな。

それに、数字を操って、膨らませることは(実体がないから)いく
らでもできるが、縮減するのは、(実体があるから)ちと骨がおれ
る。

行政刷新会議ができるとしたら、各省庁にまたがっている、同じよ
うな政策を一本化したりすることで、財源を減らしながら政策を行
うという、効率化することぐらいじゃろう。一緒にしたほうが、財
源も規制などの現場の使い勝手も、効率よく使える事業はあるはず
じゃ。
各省庁は縦割りで縄張り意識が強いので、横串をさすことじゃ。
この辺は本当に政治主導でなければできないじゃろうのしの。

まあ、内容の精査ろ査定については、プロである財務省主計局の力
と誠を期待するしかないの。(それに特別予算の見直しもはいるら
なければならないし)
まずは、厚生労働省の分から、徹底的に査定してみてはどうかな。
連中の態度は怪しいし、大きな予算にはたくさん隠すポケットがあ
るからの。

国会に提出された「予算」は修正には応じないという伝統があるら
しいが、役に立つ指摘は素直に受けて、修正すればええんじゃない
かな。それもまた改革じゃ。

まあ、来年は、予算があがっても、ぼーっとせずに、ずっと資料を
読み込んで、参院選後からすぐに骨格作りに取り掛かるがええじゃ
ろうね。
まあ、苦労は早いうちにした方がええ。官僚の力もわかるじゃろう。

             虚風老

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