3410.米経済戦略の変更



ピッツバーグでのG20が開催している間に、ドルが下落している
が、これは米経済戦略の変更である。       Fより

ドルが下落して、89円/ドルになった。米国がG20でも「世界
経済の不均衡」の是正を主張している。これに対して、日本も中国
も同意したことで、G20での合意となり、その相互監視機関を置
くことになっている。G20で、米国は金融規制強化という議題で
はなくて、経済問題にシフトさせている。

もちろん、EUやアジア諸国からの要求事項である金融関係者の報
酬規制や金融資本増強などの規制はするが、一番問題である投資銀
行と普通銀行の分離とか、投資銀行やファンドの商品取引での規制
は議論されなかった。金融規制強化を早く済まして、世界経済の不
均衡是正に向けるように仕組んだように感じる。

米国FRB、財務省ともに、金融危機は終わり、出口戦略に移って
いる。出口戦略では金融緩和処置の解除を中心に議論をしているが
、ガイドナー財務長官やバーナンキFRB議長などは、国民の貯蓄
率向上や次の産業育成などにシフトしている印象を受ける。

そうしないと金融業以外の雇用が生まれない。金融業は残念ながら
、少数精鋭であり、大多数の国民の雇用を確保できない。多くの雇
用がないとGDPの70%を占める消費活動が上向かない。消費が
上向かないと米国企業の復活もない。

このため、一番良いのが、中国からの輸入品を止めることである。
それにはドル下落をして、大幅にドルの価値を下げることだが、中
国と密約で人民元はドルにリンクしている。このため、ドルを下げ
ると人民元も下がることになる。人民元が下がると、アジア諸国の
通貨も下がるので、米国への輸入品はドルを下げても減らない。

そこで、貿易量の0.4%しかない中国製のタイヤをターゲットに
して輸入制限処置を取ったのである。中国が米国債から徐々に金や
他国通貨にシフトしている。このため、今後、米国債を買わなくな
ると米財務省も見越して、次の手を打つ必要があったのである。

このため、金価格は高騰して1オンス1000ドルの大台を超えた
のも中国が金にシフトしたことでそうなった。このため、IMFが
緊急に金を放出して、高騰した金価格で全量中国に売り払い、金の
高騰を結果的に止めた。

米国は金融政策から産業政策にシフトしたことは間違いない。金融
の儲けを英国、EUに奪われているので、英首相との首脳会談をし
ないで、日本や中国などアジア諸国の首脳と首脳会談をオバマ大統
領はしていた。ヨーロッパの首脳とは首脳会談をしていない。EU
でも東欧はドルキャリーの行き場であり、米国がEUを助ける存在
になっている。逆に言うと米国の利益にならない。

しかし、日本の藤井財務大臣はガイドナー財務長官との会談で円高
容認を伝え、日本は米国債を買わないと宣言している。中国は貿易
依存度がGDPの40%と高いために、人民元をドルリンクのまま
で、切り下げておきたい。このため、米国債を今後もある一定量を
買うようであるが、米国は人民元を切り上げて、輸入を減らし輸出
を増やす必要がある。

このため、米中は今後、経済問題で大きな紛争が起きることになる。
それが、米国がG20で提起した世界経済の不均衡是正という旗で
ある。中国の胡錦濤国家主席は十分、意味を理解していないようで
ある。米国の意図を読んでサミットに出ないと大きなシコリを残す
ように感じる。

さあ、どうなりますか??
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G20サミット、経済施策の相互監視で一致 
 【ピッツバーグ=日高広太郎】20カ国・地域(G20)首脳会議(
ピッツバーグサミット)は25日午後(日本時間26日朝)、米国の消
費に過度に頼る「世界経済の不均衡」を是正するため、各国の経済
政策を相互監視する枠組みを創設するとした首脳声明を採択して閉
幕した。金融・経済危機から回復の兆しをみせつつある世界経済を
より安定した成長軌道に乗せるため、各国が協調する姿勢を示した。 

 議長国の米オバマ大統領は会議終了後の記者会見で、過度な好況
と不況を繰り返すことに「寛容にはなれない」と語り、持続可能な
成長の実現を目指すと表明した。 

 声明は米国の住宅・消費バブルの崩壊を踏まえ、「世界経済のよ
り均衡ある成長パターンへの移行のため協働が必要」と指摘した。
各国の経済政策を相互に監視する「強固で持続可能かつ均衡ある成
長のための枠組み」を新たに設け、11月までに始動させる考えを表
明。国際通貨基金(IMF)と世界銀行に支援を求めた。 (11:00)
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米政府の再生可能エネルギー支援、10億ドルに到達 
 【ワシントン=御調昌邦】米財務省とエネルギー省は22日、風力
や太陽光などの再生可能エネルギーの生産施設などへの直接支援が
10億ドル(約910億円)に達したと発表した。9月1日の第1弾に続
き、今回は全米の25カ所のプロジェクトに対し5億5500万ドルの支
援を決めた。支援金額は事業費の3割としており、民間部門の投資
を促し、雇用創出にもつながるとみている。 (22:35) 
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「米経済に成長の兆候」 財務長官が会見
 【ワシントン=岩本昌子】ガイトナー米財務長官は22日、ホワイ
トハウスでクリーン・エネルギー関連企業の代表者と会談した。会
談後の会見で、同長官は米経済について「過去18カ月で初めて、経
済成長の兆候が見られる。金融市場は著しい改善を遂げている」と
述べた。

 今後の見通しについては「民間の予想を見ると、今年後半から来
年、再来年にかけて、ますます高い経済成長率が見込まれるようだ
」と前向きな見解を示した。ただ、失業率上昇が止まらないことか
ら、「民間の需要を伴った持続可能でバランスのとれた経済成長を
維持していかなければならない」と念を押した。同長官は、24日か
らピッツバーグで始まる20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット
)でも同様に、バランスのとれた世界経済回復について話し合われ
ると語った。(08:33) 
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米景気回復へ「家計」関門 雇用、所得なお不安
 【ワシントン=御調昌邦】米連邦準備理事会(FRB)は23日の
米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で「経済活動は上向い
てきた」と認めた。財政、金融両面の政策が一定の効果を上げ、米
国の景気後退局面は2年弱で終わる可能性が出てきた。ただ、内需
の柱である個人消費は不安を抱え、雇用の悪化も続く見通し。家計
部門の立て直しが米景気の本格回復に向けた関門となり、FRBの
低金利政策が長引く公算もある。

 今回の後退局面は2007年12月に始まった。景気の上下動の転換点
を正式に判断するのは全米経済研究所(NBER)だが、最終的な
判定にはさらに時間を要する。これに関連してバーナンキFRB議
長は今月中旬の講演で「後退は終わったとみられるが、景気はしば
らく弱い」と語った。(07:00)
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8月の米耐久財受注、前月比2.4%減 
 【ワシントン=御調昌邦】米商務省が25日発表した8月の耐久財
受注額(季節調整済み、半導体を除く)は前月に比べて2.4%減の
1644億4200万ドル(約14兆8500億円)となった。減少は2カ月ぶり
で、今年1月(7.8%減)以来7カ月ぶりの大きなマイナス幅となっ
た。市場予測の平均(0.4%増)も下回った。民間の航空機関連の受
注が大幅に減ったことが背景だ。 (22:38) 
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オバマ大統領の外交政策、支持率50%に低下 アフガン情勢悪化で 
 【ワシントン=弟子丸幸子】米紙ウォールストリート・ジャーナ
ルとNBCテレビが22日に発表した世論調査で、オバマ大統領の外
交政策への支持率が50%となり、7月に比べ7ポイント低下した。
オバマ政権が最重要課題に据えるアフガニスタン情勢の悪化が影響
しているもよう。焦点となっている米軍増派に関しては51%が反対
を表明。賛成は44%だった。

 アフガンでのテロとの戦いの見通しに関しては「成功するとの自
信が低下した」との回答が59%となり、先行きへの不安が広がって
いることを示した。アフガンへの駐留継続への支持は55%に達した
ものの「即時に撤退すべきだ」との意見も38%を占めた。

 一方、経済政策への支持率は50%で7月比では1ポイント上昇し
た。大統領の支持率は51%で同2ポイント低下。就任直後の60%(
2月調査)からは9ポイントの低下となった。調査は17〜20日に実
施し、有効回答数は1005人だった。 (19:12) 
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ドル下落、米FOMC・金融サミット前にリスク選好改善=NY市場
2009年 09月 23日 09:15 JST

 [ニューヨーク 22日 ロイター] ニューヨーク外為市場で
ドルが幅広い通貨に対して下落。対ユーロでは一時、1年ぶり安値
をつけた。米連邦公開市場委員会(FOMC)声明発表や20カ国
・地域(G20)首脳会合(金融サミット)を前に景気回復をめぐ
る楽観的な見方が広がり、安全資産としてのドル需要が後退した。

 景気回復を促進するため2010年に入っても当面、緩和的金融
政策を維持するとのシグナルがFOMCで出されるとの見方を背景
に、前日上げていたドルの利益を確定する動きも見られた。

 世界経済の不均衡是正はほぼ確実にドル安を前提とすることから
、投資家は金融サミットにも注目している。

 GFTフォレックスの為替調査部門ディレクター、キャシー・リ
エン氏は「閑散取引だった。FOMCの金利決定を前に値動きが荒
くなった」と指摘した。

 ガイトナー米財務長官が、国内経済の成長が勢いを増しているも
ようと発言したこともリスク許容度の高まりにつながった。

 終盤の取引で、ユーロ/ドルは0.8%高の1.4796ドル。
オプション関連の需要やアジア筋からの大規模な買いが入ったこと
で、一時は1.48ドルを上回り08年9月以来の高値をつけた。

 重要な経済指標を欠く中、ユーロ/ドルは1.4825ドルが次
の節目となる公算が大きいとトレーダーは指摘した。いずれ1.50
ドルを回復するとみる向きが多い。

 ドル/円は0.9%安の91.14円。
ドル/スイスフランは0.8%安の1.0231スイスフラン。一
時1年2カ月ぶり安値をつけた。

 ポンド/ドルは1%高の1.6359ドル。

 ニュージーランド・ドルは対米ドルで1.9%高。一時は2%超
上昇し13カ月ぶり高値をつける場面もあった。

 主要6通貨に対するICEフューチャーズUSドル指数は0.9
%安の76.073。一時、1年ぶり低水準である76.003を
つけた。月初から約2.4%下落している。
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米クレジットカードの貸倒償却率、過去最高に上昇=ムーディーズ
2009年 09月 24日 14:24 JST 

[ニューヨーク 23日 ロイター] 米格付け会社のムーディー
ズ・インベスターズ・サービスは23日、米国で失業率が上昇する
中、クレジットカード各社がデフォルト(債務不履行)になると予
想するクレジットカードの貸倒償却率が8月に過去最高になったと
発表した。

 消費者が引き続き圧力にさらされていることを示す兆候とみられ
ている。

 ムーディーズのクレジットカード貸倒償却率は7月の10.52
%から11.49%に上昇した。
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ブラジル、ドル依存からの脱却模索─ルラ大統領=米CNBC
9月25日9時36分配信 ロイター

 [ニューヨーク 24日 ロイター] ブラジルのルラ大統領は
24日、ドルの必要性を減らすため、自国通貨を使い商取引を行う
ことについて他の主要新興国と協議していることを明らかにした。
 ピッツバーグでの20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミ
ット)出席のため訪米している大統領はCNBCテレビに述べた。
 大統領はまた、年初来対ドル相場が29%上昇している自国通貨
レアルについて「過大評価されており、絶えず懸念している」と述
べた。
 ただ、それは変動相場制に伴うリスクであり、ドルへの依存を減
らすことが、レアル相場の競争力を長期的に維持する唯一の効果的
な方法であるとの認識を示した。
 これを達成するため、中国やインドなど他の新興国との間で自国
通貨決済の貿易を行うことについて協議を続けていることを確認し
た。
 大統領はこの問題について「来年までに合意に達したい」と述べ
た。
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米中、協調確認も各論で溝 首脳会談、通貨など「国益」を優先
 【ニューヨーク=品田卓、大隅隆】米中首脳は世界経済の回復や
核問題の解決など国際社会が抱える様々な課題を乗り切るため協調
を強めることを確認した。中国による米国債の大量購入などで相互
依存が強まり、互いを必要とするためだ。だが貿易や通貨など「国
益」に絡むテーマでは足並みの乱れが目立ち始めた。金融危機の克
服という目先の共通目標への取り組みが一段落し、両国とも内政に
目線が移る。今後の両国関係は波乱含みだ。

 中国の胡錦濤国家主席は会談の冒頭で関係強化に向けた4つの意
見を説明した。ハイレベルの往来、11月のオバマ米大統領の訪中の
成功、7月に開いた閣僚級の戦略・経済対話の事後点検、人的交流
の拡大を挙げると、オバマ大統領は「米中関係を新しいレベルに引
き上げたい」と応じた。

 総論では協調で一致したが、各論では食い違いが表面化した。胡
主席は米国が中国製タイヤに特別セーフガード(緊急輸入制限)を実
施することを決めた問題を取り上げ「両国の利益に反する」と批判
。「類似の問題が再発しないようにしよう」と解決を呼びかけた。
(10:04)
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首相が国連総会演説「常任理事国目指す」 東アジア共同体を提唱
 【ニューヨーク=中島裕介】鳩山由紀夫首相は24日昼(日本時間
25日未明)、国連総会で一般討論演説した。「東アジア共同体」の
構築に挑戦すると表明した。「開かれた地域主義」を旗印に東アジ
ア域内各国の連携を強め、安全保障上のリスク軽減や経済の活性化
を図る。国連改革への日本の立場について「安全保障理事会の常任
理事国入りを目指す」と述べ、これまでより踏み込んだ。

 首相は持論の「友愛精神」に基づき、日本が取り組む国際的課題
を「5つの挑戦」として提唱した。

 東アジア共同体は貿易自由化や通貨統合も含む域内の経済連携と
安全保障の枠組みを両立した構想。演説では「自由貿易協定(FTA
)、金融、通貨、環境、災害支援などできる分野から」連携を進め
ると強調した。「協力の積み重ねの延長線上に東アジア共同体が姿
を現すことを期待する」と表明した。(01:59) 
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インタビュー:アジア共同体構想、ドルの役割低下あり得る
                      =行天元財務官
2009年 09月 24日 19:25 JST

 [東京 24日 ロイター] 財務省特別顧問に就く行天豊雄国
際通貨研究所理事長(元財務官)は24日、ロイターのインタビュ
ーに応じ、鳩山由紀夫首相が打ち出しているアジア共同体構想によ
り、ユーロ創設でドルの相対的な役割が低下したように、結果的に
ドルの相対的な役割が減ることはあり得るとの認識を示した。
 しかし、構想はブロック化でも米国を排除する考えでもないと強
調。相対的なドルの役割低下自体も、世界的な不均衡是正など、米
国の長期的な政策の健全性の点でプラスになるとの認識を示した。

 為替政策については「相場を意識的に動かすことによって他の経
済目的を達成させることは正しくない」と述べ、為替を経済政策の
手段とすることに否定的な見方を示した。そのうえで為替相場につ
いて「長期的にはインフレ格差、金利差で決まる」と指摘。「為替
相場は長期的視点にたって安定・予見可能性を高めることが大事」
と述べる一方、短期的には、かく乱的な動きには対応が必要との認
識を示した。  
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円安政策とらない」藤井財務相、米に約束

【ピッツバーグ(米東部)=森田将孝】藤井財務相は24日午後(
日本時間25日未明)、 金融サミットの開幕前にガイトナー米財務
長官と初めて会談した。 

 藤井財務相は会談後に記者団に対して「他国のような通貨安政策
には反対で、円もそう対応すると申し上げた」と話し、ガイトナー
長官に安易な為替介入などの円安政策は取らない姿勢を伝えたこと
を明らかにした。 

 日米財務相会談で日本側が為替介入しない方針を伝えるのは極め
て異例で、発言は為替や株式市場にも影響を与えそうだ。 
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アメリカは、中国と日本が負債を買ってくれねばハルマゲドンだ
【9月24日 CNBC】
 アメリカは日本と中国が我々の負債を買い上げてくれることに全
面的に依存しているので、彼らがそれを停止すれば、厳しい経済問
題に直面する、とタイガーマネージメントの創設者で会長だったジ
ュリアン・ロバートソン氏がCNBCに語った。
 「もし日本と中国が我々の負債を買ってくれねばハルマゲドンだ
」とインタビューでロバートソン氏は語る。「どこから資金を得る
ことができるのか知らない。どうも我々はとんでもない状況に自ら
を追い込んでしまったようだ。そこからなんとかして脱出しなけれ
ばならない」

 ロバートソン氏は、外国が我々の債権を買うことを停止すればイ
ンフレが大きな問題となる、と語った。
 「もし中国と日本が債権の購入を停止すれば、我々はすぐ15から
20%のインフレに見舞われるだろう」と語った。「これは経済の問
題ではない。これは彼らが金を貸してくれねば、誰が貸してくれる
のか、という問題なのだ。我々がこの二つの国に完全に依存する状
況を考えてくれ。大変なことだ」

 ロバートソン氏は、中国は米国債を購入することを停止するとは
思わっていないが、日本は最終的には長期国債を売らざるを得なく
なるだろう、と述べた。
 「それは買わないことよりもっと深刻なことだ」と彼は言う。「
その他には、彼らは殆ど短期国債だけを購入している。そしてそれ
は我々が提供しているものだ。それは我々は長期債を売ることがで
きないからだ。ご存知のように、歴史は、短期の借り入れをする人
は火の車に見舞われることを示している」と語った。
 
 この問題を避ける唯一の方法は、経済を成長させ抜け出るしかな
い、と語った。
 「アメリカは大量消費を改め、節約に徹し貯蓄をすることだ。そ
して、以前の状態にもどらねばならない」と語る。「そうならねば
、迷い込んだ森から抜け出ることはできない」
 ロバートソン氏は短期的にはそんなに楽観論者ではない。
 「我々は相当まずい状況にある」と彼は語る。「リセッションは
少なくとも一時的には超えたと思う。しかし、我々には取り組んで
いない多くの問題があり、また、あまりに多くの金を借りたので、
中国と日本が我々の負債を買ってくれねばそれを返済することがで
きなくなっている。



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