3383.米中G2で中国経済は



米国債は順調に消化されている。中国は買っている。  Fより

7月末に行われたG2米中対話で米国は、米国債の購入を中国に要
求したはずとコラムで書いたが、その結果が8月の米国債の消化が
順調であることで証明された。

中国は、6月に米国債の保有を大幅減にした。前月末比251億ドル減
り、7764億ドルとしたが、これはG2対話での中国の立場を強化す
るために仕組んだことも分かった。

このように両者は交渉のためにいろいろな手を使うが、一旦交渉が
まとまるとその後は決まった順当な行動をする。米国債購入と引き
換えに出した条件が、人民元の対ドル為替レートの維持で米国は勿
論OKである。このため、米国は中国の人民元レートの引上げ問題
も議論されていない。

この米国債ご購入のお礼に、オバマ大統領が11月半ばに訪中するこ
とを明らかにしたが、その際、日本に立ち寄らないと見る。鳩山民
主党政権が反米的であると見ているように感じる。ここは心配な所
である。

情報は、その無くなった情報にも意味があるが、この2つの米国債
消化状況と人民元レートの情報は、8月以降に一切報道されていな
い。

中国は財政出動が順調であり、去年10月から開始した4兆元の財
政出動の消化率が高く、とうとう新規案件が尽き始めている。

金融緩和で余った資金を人民銀行は回収し始め、上海証券市場の株
価も30%程度下げている。また、中国国有企業の営業収入も7月
は4.9%減となり、中国の温家宝首相は22〜24日に浙江省を視察した
際に「マクロ経済政策の方向を堅持する方針は揺るがない」と再度
、指示をしている。

このため、中国の今後の経済成長は、1つに国内消費市場、もう1
つが海外への輸出の2つになる。国内市場の活性化策としては「農
村年金」20年までに全国で実施して、農民の消費を底上げするとい
う。

また、輸出では人民元レートを低く抑えることが必要であり、米国
との交渉が成立することになる。それと、ASEANと中国が投資
協定と結び、東アジアの19億人の巨大経済圏にして貿易を活性化
するなど、多様な手を使って、自国経済を活性化しようとしている。

それに引き換え、日本のアジア戦略はよく分からなかったというの
が本当である。ここは、鳩山民主党政権に期待したい。
==============================
米中、貿易不均衡の是正へ協調 初の戦略・経済対話が閉幕 
2009/07/28 
 【ワシントン=高橋哲史】米中の閣僚が一堂に会し、経済や安全
保障分野の懸案を議論する初の「戦略・経済対話」が28日、2日間
の日程を終えて閉幕した。貿易不均衡を是正して持続可能な経済成
長を実現するため、マクロ経済政策で協調することを確認。米国は
過剰消費の是正、中国は内需拡大を進める考えを表明した。安保分
野では、北朝鮮の核問題や世界規模での核兵器の廃絶に向け連携を
強化することで一致した。 

 戦略・経済対話はブッシュ政権時代の経済に絞った対話を引き継
ぎ、外交・安保問題にもテーマを広げた新たな枠組み。米中が世界
規模の課題を幅広く話し合う「G2」の体制が動き出す。 (10:54)
==============================
中国国有企業の営業収入、7月は4.9%減 再びマイナスに 
 【北京=多部田俊輔】中国財政省がまとめた国有企業の経営状況
によると、7月の国有企業の営業収入総額は前年同月比4.9%減の1
兆8437億元(約25兆3000億円)となった。6月の営業収入総額は今
年に入って初めて前年同月実績を上回ったが、再び減少に転じた。
財政省は「国有企業の業績は改善しているが、まだ安定していない
」とみている。 

 7月の利益総額は前年同月実績とほぼ同じ水準の1327億元。業種
別では政府の景気刺激策の恩恵を受けている建材や建設などの業績
が順調に伸びた。石炭や海運などは苦戦が続いている。 

 国有企業の業績は最悪期からは脱しているが、景気の先行きには
慎重な見方も出ている。国内証券アナリストは「上半期の業績を良
く見せるために(国有企業が)6月に出荷を増やし、7月はその反
動から減少した可能性もある」と分析している。 (20:12)
==============================
南シナ海での偵察行動 中国、米に中止を要請 
 【北京=佐藤賢】中国国営の新華社によると、米中両政府は26、
27の両日、海上の安全に関する国防当局者協議を北京で開いた。南
シナ海で米海軍調査艦と中国船舶のトラブルが頻発していることを
巡り、中国は「米国が中国の排他的経済水域(EEZ)で海や空か
ら偵察をしているのが原因だ」とし、偵察行動の中止を要請した。
米国は協議を通じて安全を確保する方策を検討していく考えを伝え
た。 (23:01) 
==============================
中国首相、金融緩和継続を改めて強調 引き締め観測けん制 
 【北京=高橋哲史】中国の温家宝首相は22〜24日に浙江省を視察
した際に「マクロ経済政策の方向を堅持する方針は揺るがない」と
述べ、現在の金融緩和策を当面続ける考えを改めて強調した。金融
引き締め観測を背景に上海株式相場は神経質な展開が続いており、
温首相の発言はこうした市場の憶測を打ち消す狙いがあったとみら
れる。 

 温首相は中国景気の現状について「国内外の経済は良い方向に向
かっているが、不安定で不確定な要因が多く、情勢は依然として複
雑で厳しい」と指摘した。中国経済が自律的な回復に向けた「重要
な時期にある」としたうえで、「積極的な財政政策」と「適度に緩
和的な金融政策」を継続すると言明した。 (00:19)
==============================
中国、米国債の保有を大幅減 6月末、外貨準備の運用多様化も
 【北京=高橋哲史】米財務省によると、6月末の中国の米国債保
有残高は前月末比251億ドル減り、7764億ドルとなった。中国メディ
アは「2000年以来、単月では最大の減少額」(第一財経日報)と報
じた。中国政府が2兆ドルを突破した外貨準備の運用先を本格的に
多様化し始めたとの観測も浮上している。

 中国の米国債保有残高が減少したのは2カ月ぶり。5月末は380億
ドルの大幅な増加だっただけに、市場では「中国の外貨準備の運用
方針は固まっていない」との見方も出ている。
==============================
中国の財政支出、伸び大幅鈍化 7月9.3%増 
 【北京=高橋哲史】中国財政省が12日発表した7月の国と地方を
合わせた全国財政支出は、前年同月比9.3%増の4985億6700万元
(約7兆円)となった。伸び率は1〜6月平均の26.3%より大幅に
鈍化した。

 中国政府は今年上期に景気刺激策の実施で公共事業予算の大半を
消化したため、下期に入って歳出を絞り始めたとの見方も出ている。
 (19:45) 
==============================
中国、「農村年金」20年までに全国で 消費の底上げ狙う 
 【北京=高橋哲史】19日付の中国各紙によると、中国政府は農村
部の住民を対象とする新しい年金制度を2020年までに全国に普及さ
せる目標を決めた。新制度は政府が基礎年金部分を全額負担する内
容。09年中に、まず全国の県か、その下の地方政府の10%で試験的
に始める。農村部で根強い「将来への不安」を和らげ、個人消費を
底上げする狙いがある。 

 18〜19日に新制度の推進会議を北京で開き、決定した。会議に出
席した温家宝首相は「新制度によって農民は老後を心配しなくて済
むようになり、将来への不安を徐々に解消できる。これは国際金融
危機への対応、国内消費の拡大にとても重要な意義がある」と述べ
、新制度の導入が消費刺激策の一環であるとの認識を強調した。 

 新制度は基礎年金と個人年金で構成する。基礎年金は国の財政か
ら全額を補助し、個人年金も地方政府が一部を負担する仕組み。
これまで農村部をカバーする年金制度は整っていなかったため、農
民が将来への不安から消費を抑える要因になっているとの指摘が多
かった。 (00:24)
==============================
ASEANと中国が投資協定 19億人の巨大経済圏に

 【バンコク共同】東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国の経
済閣僚会議が15日、バンコクで開かれ、両者間の投資の自由化な
どを定めた投資協定に署名した。

ASEANと中国は既に、自由貿易協定(FTA)に基づいてモノ
やサービス貿易の自由化を実施しており、今回の投資協定署名で双
方の経済連携は一段と深化、総人口約19億人の巨大経済圏完成に
近づいた。

 ASEANは今年6月、韓国とも投資協定を締結したが、日本と
は結んでいない。

日本政府当局者は「日本はASEAN主要国と2国間で投資協定を
締結しており、ASEAN全体との協定がないからといって日本企
業が不利益を被ることはない」として、中韓に追随する必要はない
との見解を示している。

 共同通信が入手したASEANと中国の共同声明案によると、中
国のASEANに対する累積投資額は昨年末までの段階で61億ド
ル(約5800億円)。

ASEANの対中投資は昨年だけで56億ドルで、声明案は投資協
定締結により「双方の投資家が利益を享受できる」と強調した。

2009/08/15 13:29 【共同通信】
==============================
オバマ米大統領、11月半ばに訪中へ 
 【北京=高橋哲史】中国国営の新華社によると、米国のジョン・
ハンツマン新駐中国大使は22日、北京で記者団に対し、オバマ大統
領が11月半ばに訪中することを明らかにした。オバマ大統領の訪中
は今年1月の就任後初めて。ハンツマン大使は「今年は米中関係に
多くのことが起きている」と述べ、7月の米中戦略・経済対話など
を念頭に幅広いレベルで両国関係が深まっているとの認識を強調し
た。 (01:25)


コラム目次に戻る
トップページに戻る