3381.自民党の凋落



自民党の凋落
   
   最近のメディアの報道は、殆ど民主党が政権獲得したかのようである。
  確かに、現代の疲弊した状況から、政権与党の責任は、大きい。にも
  拘らず、責任ある与党って、そんな図々しい言葉がよくも出るものだと
  呆れる。
   
   貧富の差が大きくなってきている。格差社会は、社会が劣化してきて
  いる証拠である。かっては、中流意識の日本人が多かった。中流意識
  を持てず、最低限の生活の維持も困難を来たし、将来にも絶望し、自
  殺する。格差は、将に社会の劣化であある。秋葉原事件を拡大型自殺
  というそうである。派遣切り、正社員の過労死、過労自殺。ホームレス
  の増加。絶望や自殺に至らなくても、多くの国民は、将来への不安を抱
  えている。そして、犯罪の多発である。
   
   鳩山邦夫氏が『自殺者には、自殺のDNAがある。』と発言したと報道
  された。また、同氏は、法務大臣として、過去最多の死刑執行を許可
  するハンコを押したとのこと。ハンコをつくに際しても、法務大臣の承
  認なしに、自動的に執行されるようすべきといった発言もしている。
   民主党代表の同氏の兄、鳩山由紀夫氏も、『私も弟同様、死刑制度
  を認める。」と発言をしている。
   
   死刑制度を認めることは、社会と真摯に向き合っていない証左である。
  まして、自殺者には、自殺のDNAがある等といった発言は、言語道断
  である。政治家以前に社会人として、失格である。
   
   国民は働くところがないにも拘らず、労働者不足と看護師や介護士を
  他国から、招いているが、国民は、介護施設で働いても、生活を維持
  可能な収入を得られず、離職している。医師不足で国民は救急車であ
  ちこちタライ回しされ、命を落としている。医師の過労死、過労自殺も
  起きている。社会の劣化である。
   
   自民党の細田幹事長が世界に冠たる文化国家、平和国家が築かれ
  てきたといった趣旨の発言をされていたが、このような現状認識のな
  さでは、自民党は、退場するしかないであろう。
   
   東南アジア、アフリカ諸国は、将に社会が劣化している。貧しい家庭
  の子供がごみアサリをしている姿が映し出されると、心が痛む。捨てる
  富裕層とそれをアサル貧困層。
   
   ODAについて、政官業の癒着が指摘されているが、報道されることは、
  稀である。世界各国に投じられた援助金が、腐敗した政権の維持、温
  存に加担していては、受け入れ国に豊かさがもたらされるどころかOD
  A二国間の腐敗した政権の維持だけである。豊かな国家、世界が建設
  されれば、自ずと我が国にも恩恵がもたらされるのである。ソマリア対
  策と自衛隊を派遣する必要もないのである。輸出も可能になる。
   
   腐敗した社会の加担は、いづれ、加担した国家にも及ぶのは、当然
  である。受け入れ国の住民に訴訟を起こされる等、お粗末、極まりな
  い。それにしても伊藤和也さんの死によって、その活動を多くの国民が
  知り得たが、政府は、ODAを正常に機能することを真摯に考えないの
  であれば、これこそ、民間に委託すべきである。
   
   最近では、アメリカが咳をすれと、日本は風邪を引くといった言葉が
  使われなくなったが、これは、何を機にして、言われなくなったのだろ
  うか。しかし、アメリカ一国集中資本主義は、続いていた。アメリカのア
  フガン、イラク攻撃。先進諸国は、どこもこれを阻止し得なかった。
   
   アメリカのブッシュ政権は、金融バブルだけでなく、軍需産業の発展
  に寄与した。結果、アメリカ社会は、ますます劣化していった。9・11攻
  撃は、アメリカ政府は、既に報告を受けていたということは、今や定説
  となってきている。所謂、ヤラセである。
   
   アフガン、パキスタン、イラクといった国々の惨状は、アメリカのブッシ
  ュを支持してきた日本をはじめ西欧社会の責任は大きい。ならず者国
  家と北朝鮮やイラク、イランを非難してきているが、パパブッシュのなら
  ず者息子こそ、ブッシュジュニアーである。
   
   核をはじめ、大量破壊兵器を持っていないと言っているイラクを攻撃し
  て、これらを持っている持っていると誇示している北朝鮮を温存を図る
  不思議な世界の実現は、不可解である。
   
  世襲議員
   
   世襲制度は、独裁国家に当然、起こってくる現象である。独裁国家の
  の見本である。この制度の見直しを民主をはじめ、自民党の一部にも
  あるようだが、何故、かかる現象が起きたかの原因追及もせず、結果
  の是正を論じても虚しいのではなかろうか。表層を糊塗しても、解決は
  不能である。民主主義の劣化、社会の劣化があるのみである。
   
   国民には、選ぶ基準がないのである。これは、将に民主主義が存在し
  ないことである。世襲でないにしてもスポーツ選手、アナウンサーを始
  めとした報道関係者、報道機関を利用したタレント。大阪府知事など、
  将にタレント弁護士、所謂、タレ弁である。同人は死刑制度を是認して、
  善人面して、当選したのである。
   
   かくして、国会議員の国会議員による国会議員のための政治が実現
  するのである。大体、誰が総理についても、政治は動いて行ったのであ
  る。将に官僚国家である。国民そっちのけで、政権抗争が可能なのた。
  恰も民主義国家のような体裁を執っているが、資本主義社会の中で、
  温く温くとしてきたのである。こんないい職業はない。是非子供にも政治
  家を受け継がせたい。
   
   選挙って、何?
   
  「私、選挙担当で、選挙以外のことは、訊かないでください。」と小沢元
  民主党代表が街頭で答えている姿が映し出されていたが、■選挙って
  何?■これこそ、小沢氏に訊いてみたい。国民を操ること?
   前回の郵政選挙は、小泉チルドレンが生み出されたが、今回は、小沢
  チルドレンが生み出されるであろうか。
   
  供託金
   
   選挙権を行使できないと同時に被選挙権の行使もできないのが現状で
  ある。供託金制度である。
   
   日本の供託金の額は、群を抜いている。衆議院小選挙区が300万円、
  比例区が600万円。そもそも、アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア等は、
  供託金制度がない。あってもイギリスが9万円、カナダが7万円、高額で
  も韓国が150万円である。
   
   この日本の供託金制度は、何を物語っているのだろうか。政党に属し
  ていれば、政党助成金も付いてくる。企業献金もある。
   
   国民には、選挙権も被選挙権も存在しないのである。将に民主主義が
  ないのである。地盤、看板、鞄のある者のみに被選挙権が存在するので
  ある。かくして、世襲議員の存在がある。
   
   私等、村長選に立候補して以来、命を狙われる羽目になっている。落
  選したのである。それでも命をねらわれるのである。
    
   自立して生きる
   
   人間の場合は、自立して生きることに3種類あると思います。経済的自
  立、社会的自立、宗教的自立(精神的自立)です。三拍子揃っていれば、
  まことに結構なことですが、なかなか難しい。宗教的自立だけで生きた人
  と言えば、私は、種田山頭火、尾崎放哉が頭に浮かぶ。
   
   社会的自立をしている人、これもなかなか難しい。政治家に一番求めら
  れるのは、社会的自立である。しかし、今の政治家に一番欠けているのが、
  この社会的自立である。
   
   彼らは、如何に人を動かすか、操るかである。社会の一員として、自身が
  如何にあるべきかが欠落している。金美鈴さんがテレビ出演で、保守の立
  場で自身は、逆境にも拘らず、現在の地位を獲得したと勢いよく、まくし立
  てておられた。
   
   あるメルマガ発行者は、やはり保守の立場で、派遣労働者の報道は、不
  快であるとマスコミ批判をし、やはり自身および家族の地位を誇示されてい
  る。これらの人達は、他者に思いを馳せることが出来ない。
   
   他者への思いを強く持ってこそ、地位ある人の姿ではなかろうか。新聞に
  ある方が『有能な上司は、無能な部下を有効活用することが出来る。』とい
  った趣旨のことを述べておられた。金さんやメルマガ発行者にこの言葉を
  伝えたい。
   
   日本は、民主主義国家であるかのようであるが、実際は、資本主義国家
  であると、私は、見る。自民党の凋落は、資本主義の凋落なのである。麻
  生、鳩山の第1回の党首討論で、鳩山代表は、『友愛』を論じておられた。
  他者の幸福をやっかまない。他者の幸せを喜ぶべきと。力のある者は、他
  者の足を引っ張りしないと。これは、西松建設事件で小沢元代表の秘書を
  逮捕したことを『友愛』という美し言葉で非難しているのだ。
   
   他者の足を引っ張るのは、自民党が劣化していることを物語っているのだ。
  お互いになぁなぁの時代は、終わったのだろう。そのうち、復活することだろう。
   
   麻生はじめ自民党議員は、リーマンショック以前に戻すと宣っている。『民
  主党には、経済政策がなく、バラマキ』とネガティブキャンペーンをしている。
  しかし、今こそ、資本主義に左右されない社会の構築が求められる時では
  なかろうか。
   
   派遣労働、請負労働、これらは、資本家の意向によるものである。派遣切
  りが横行しているのは、資本家の意向であることは、自明である。結果、正
  社員は過重労働で心身が破壊されるのである。
   
   
  公務員給与
   
   ある自治体では、医師の給与がゴミ収集の従事者や学校給食の調理人の
  公務員らより、低いといった事情が生じているという。
   
   当地では、公務員の給与は、民間企業と隔絶している。これは、全国的傾
  向と思う。共産党の市議の新聞の折り込み文書には、給与が高いことは、そ
  れだけ、地方の商店街が潤い、発展するとあった。
   
   住民は、口々に自治体職員の自宅、自家用車が立派であると囁く。確かに、
  地元の工務店、ディラーは、潤うだろう。しかし、公務員給与だけで地域経済
  が発展することが正常な経済と言えるのだろうか。疑問である。できる限り、
  多くの人に購入してもらうために公平であるべきではなかろか。しかも、税金
  は住民のものである。
   
   ある自治体で、暴力団組員に巨額の生活保護費が違法に支払われ、市長
  が公務員全員で負担すると言ったことをワイドショウで話題にしていたが、コ
  メンテイターらは、公務員に同情する意見を述べていたが、現状の把握がで
  きていないのだ。
   
   天下り
   
   民主党は、キャリア公務員の天下りの問題を指摘するが、ノンキャリにも
  天下りは、起きている。
   当地の首長を4期、務めたが、ホトホト飽きられ、5期目には、落選し、
  次に県議を1期、2期目は落選。首長初当選時も、5期目も、県議時も公選
  法違反を起こしている。同人は、全国森林組合連合会代表理事会長に就
  いているが、同人の弟は、ノンキャリの農林官僚であった。同組合の代表
  理事会長に就けたのは、弟の影響力があったからこそではないかと思う。
  キャリア、ノンキャリを問わず、天下りは、まったく同様に起きている。何故か
  民主党は、キャリアにばかりに拘る。これには、旧社会党の影響があると思う。
   
    地方分権
   
   同公選法違反事件では、数人の被告人の内の妻が『「私は、対抗馬の妻
  とは、従姉妹に当たるが、娘の就職(ハローワーク)を斡旋してもらったので、
  同人を応援した。』と。一体、これが弁護に当たるのだろうか。挙がった金額
  から、当然、実刑と言われていたが、執行猶予であった。対抗馬も同様、同
  事件を起こしているので、何ともはや、言う言葉もない。私には、地方自治と
  か分権と言っても、言葉ばかりが踊っている感がある。住民に分権や自治の
  意識が欠けている。寄らば大樹のかげ、これでは、分権は不可能である。
   
  年金問題
   
   『人生いろいろ、会社も色々、社員も色々』この言葉だけが、独り歩きしてい
  るがこの言葉がどこで出たか殆どの国民は知らない。私が説明すると『あ、そ
  うだったの!』との返事である。小泉純一郎元総理はこれは、働いてもいない
  会社に厚生年金を積んでもらっていたのである。これは、明らかに違法であ
  る。市民団体から告発されたが、不起訴になっている。
   
   厚生年金を扱っている社会保険庁の職員は、公務員である。彼ら公務員は、
  共済年金である。キャリア、ノンキャリであれ、全く他人事である。厚生年金等、
  野となれ、山となれと職務に当たっていたのではなかろうか。そうでなければ、
  現代のような事態に陥っていなかった筈である。これを見過ごしてきた国会議
  員にも責任がある筈だ。
   
   社会保険庁長官であった横尾和子氏は、最高裁判事に天上がっている。
  任期を俟たずに、依願退職しているが、社会保険庁長官であったことが問
  題であったと十分、窺える。
   
   この最高裁判所の判事の国民審査が衆議院選と同時に行われるが、この
  世界は、政治の世界よりも、もっと腐敗している。司法の腐敗は、甚だしい。
   
   市民による裁判員制度が発足したが、将にパフォーマンスだ。酒井法子を
  出演させた裁判員制度のキャンペーンのドラマがあったそうである。全く、お
  似合いであったのに、500万円の損害賠償をするらしい。
   
   国会の委員会の不作為
   
   専門委員会の国会中継があるが、一見、よろしく行われているようだが、か
  って、木枯紋次郎こと中村敦夫氏の講演を聞いたことがあるが、講演後、質
  疑、応答に入り、『隣接すれう田の航空防除で、無農薬栽培をしているが、無
  農薬栽培が認められないので、航空防除を禁止してもらえないだろうか。』と
  いった趣旨の要望が出されたが、同氏は、『私、農業委員会に所属している
  が、委員会と言っても、セレモニーが行われているだけなんです。』といとも簡
  単に要望を無視というか、拒否した。しかし、どうして、こんなに堂々とこんなこ
  とを言ってのけられるのか、その神経に驚かされたものである。どこか神経麻
  痺を起こしているとしか言えない。国会にこの病が蔓延しているのだろう。
   
   法務委員会の怠慢な様子が、新聞の読者の声の欄に取り上げられていた
  が、裁判官の訴追請求が相当数、出されているが、国会議員は、敗訴した腹
  いせに出しているだけだと、これも審議しない。
   
   最高裁判所が出鱈目であるのだから、地方、高等裁判所も当然、出鱈目、
  出放題。民事裁判で上記森林組合連合会理事会長が2町歩の田地、田畑
  の詐取に至っているが、全くの違法判決である。騙した者の味方をしていて
  は、共犯である。裁判記録は、5年で廃棄、判決文書だけは、残されても、
  全く意味がない。裁判官の犯罪は、消えてゆく。これを消さないためには、訴
  訟記録の謄写かもっと厳密にするには、お金はかかるが、書記官の認証を
  とっておくべきである。
   
   刑事裁判では、菅家利和さんの冤罪が判明したが、これは不当な自白強
  要もさることながら、DNA鑑定が間違っていたのである。麻生内閣の森法務
  大臣は、最近、3人の死刑執行を承認したが、冤罪が発覚しては、困るから、
  急遽、執行したいう情報も「ある。 
   
   麻生総理の胸元の水色のリボンをかたどったバッジが目立つが、北朝鮮
  による拉致被害者の救済のバッジではなかろうか。横田めぐみさん拉致以前
  に久米裕さんの拉致があったが、検察は、実行犯を不起訴処分にしている。
  拉致を実行させ放題にして、今更、ブルーのバッジでもあるまいし、政治家
  とは、そもそもそんなものである。悪事をさせ放題にして、今度は、それを取
  り上げ善人面するのだ。
   
   環境問題
   
   日本の環境技術は、他国に比べると相当進んでいるが、環境行政は、他
  国に比べ、遅れを取っている。これも政治家の怠慢である。
   
   数十億年の地球の歴史と数万年の人類の歴史において、環境破壊がお
  こなわれたのは、ここ僅か100年のことである。地球環境の破壊は、目を
  おおうばかりである。人類は、地球上の一生物である自覚が必要である。
  これを忘れるといずれ人類も破滅していく。
   
   私は、政治不信どころではない。政治に絶望している。私は、右でも左でも
  ない。私の先生は、大陸ではrevolutionとか革命とかいった言葉があるが、日
  本人には、『■本来■如何にあるべき。』と問うべきだと言われた。

國井


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