米国の回復が鮮明になっているが、今後はどうなるのか検討しよう。 Fより やっと、日米欧の景気が回復し始めている。米国の7月失業率は、 7.4%になり6月の失業率7.5%から改善している。米鉱工業生産も 96.5%と先月に比べて0.5%改善している。しかし、米国の鉱工業は GDPの12%であり、個人消費のGDPの70%と比べると、大きく寄 与率が違う。 この個人消費を占う米小売売上高は期待に反して、7月0.1%減とな っている。7月から低燃費自動車への買い替え補助金の効果で、前月 の2.4%増でありることを考えると、その他は0.6%減にもなる。 6月の米消費者信用残高は4.9%減であり、自動車を除く耐久消費財 でも減少していることがわかる。 この個人消費がないために、景気回復の力が弱いと見るべきである が、株価は連日年初来高値になっている。日本株の買いも外国人投 資家であり、米国の投資会社やファンドが年金資金を日本や上海な どに投入していることが分かる。高値を買うテクニカル分析投資を 米国投資家は行っているので、そうなる。 投資会社や証券会社は、手数料収入で儲けが出るし、投資会社は自 己投資部門が、高値で売り抜けているので大きな儲けを出している ことになる。 FRBも米経済活動についての総括判断を「横ばい」と上方修正し 、景気が底入れ段階にあると判断している。そして、最大三千億ド ル(約二十九兆円)の長期国債の買い入れペースを徐々に落として 十月末に終えることを決めた。 株価が高く銀行は儲けたが、その金をどうするのかというと、不良 債権の処理に回せばよいが、米国債買いをしないと米国の財政支出 が持たない。財務省とFRBは銀行監督の権限から銀行に米国債の 購入を促すことであろうと見る。その代わり、FRBは国債を買い 入れない方向になる。これも昔の日本と同様な処置である。 また、不良債権問題はまだ全然解決されていないと、TARP監督 委員会のエリザベス・ウォーレン委員長は述べている。当初1兆ド ルで開始する予定が400億ドルと縮小したが、時価会計緩和で、 不良債権が表面化しないことで、TARPでの取引は低調である。 ユーロ圏GDPも4〜6月期は0.1%減で最悪期脱したとの見方が出 ている。独仏はプラス成長になり、ここでも底入れとの見方である。 世界経済は、L字の底に達して、今後新興国の経済成長に伴う消費 に期待することになるが、その中国が気になる事態になっている。 これを有料版では検討したい。 ============================== 米鉱工業生産、9カ月ぶりプラス 7月0.5%、底入れの兆し 【ワシントン=米山雄介】米連邦準備理事会(FRB)が14日発 表した7月の鉱工業生産指数(2002年=100、季節調整済み)は96.0 となり、前月に比べ0.5%上昇した。前月比プラスは08年10月以来、 9カ月ぶり。在庫調整の進展に加え、政府の低燃費車への買い替え 支援もあって自動車メーカーが増産に動くなど、米鉱工業生産に底 入れの兆しが出てきた。 FRBは12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明でも 景気の下げ止まりを指摘。07年12月から後退局面に入った米景気が 底入れしつつあることが、生産面でも確認された形だ。 7月は製造業が1.0%上昇。特に自動車・同部品は20.1%の上昇に はね上がった。生産は自動車・同部品を除いても0.1%の上昇とプラ スに転じ、産業全般で減産から増産に転じつつある。(02:44) ============================== 7月の米失業率9.4%に改善 雇用減、24万7000人に縮小 【ワシントン=大隅隆】米労働省が7日発表した7月の雇用統計 (季節調整済み)によると、失業率(軍人を除く)は前月より0.1ポ イント改善し9.4%だった。非農業部門の雇用者数は前月から 24万7000人減ったが、減少規模は6月の44万3000人(改定値)より 縮小した。 失業率、雇用者数減ともに市場予測の平均(9.6%、32万5000人) を下回った。 (07日 21:40) ============================== 米小売売上高、7月0.1%減 【ワシントン=米山雄介】米商務省が13日発表した7月の小売売 上高(季節調整済み、速報値)は3423億900万ドル(約32兆9000億円 )となり、前月の改定値に比べ0.1%減少した。市場予測平均の0.8 %増を大きく下回り、低燃費車への買い替え補助金でかさ上げされ た自動車を除くと0.6%減に落ち込んだ。春先に持ち直した個人消費 の伸び悩みが鮮明になってきた。 小売売上高の前月比マイナスは3カ月ぶり。6月は速報値の0.6% 増から0.8%増に上方修正されたが、雇用・所得環境の改善の遅れか ら、一本調子で増える勢いはない。 業種別にみると、7月は自動車・同部品が2.4%増。同月から始ま った低燃費車への買い替え補助金の効果で、前月の1.9%増から伸び 率を高めた。(07:00) ============================== 6月の米消費者信用残高、4.9%減 5カ月連続マイナス 【ワシントン=大隅隆】米連邦準備理事会(FRB)が7日発表 した6月の米消費者信用残高(速報、季節調整済み)は2兆5027億 ドル(約244兆円)となり年率換算で前月比4.9%減少した。前月水 準を下回ったのは5カ月連続。5月の改定値(2.6%減)よりも減少 幅が拡大しており、家計の消費抑制と借金削減の傾向は続いている。 クレジットカードなどの回転信用が6.8%減、自動車ローンなどの 非回転信用が3.8%減だった。(12:01) ============================== 6月の米卸売売上高、0.4%増 在庫調整進む 【ワシントン=大隅隆】米商務省が11日発表した6月の米卸売売 上高(季節調整済み)は3131億4900万ドル(約30兆2500億円)とな り、前月の改定値から0.4%増えた。卸売在庫も3939億3400万ドルで 1.7%減。在庫調整は市場予測(0.9%)よりも急ピッチで進んでい る。 6月の卸売売上高では前年同月比では21.0%減。うち耐久消費財 が前月比0.7%増。自動車・部品(4.5%増)が好調だったが電気製 品は2.5%減だった。非耐久消費財は0.1%増。 売上高に対する在庫の比率は1.26カ月分。前月比0.02カ月分減っ た。前年同月比で見るとなお0.15カ月分多い。 (02:48) ============================== FRB『米景気は底入れ段階』(東京新聞) 2009年8月13日 夕刊 【ワシントン=古川雅和】米連邦準備制度理事会(FRB)は十 二日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、 終了後に発表した声明で米経済活動についての総括判断を「横ばい 」と上方修正し、景気が底入れ段階にあると判断。量的緩和のため に実施している最大三千億ドル(約二十九兆円)の長期国債の買い 入れペースを徐々に落として十月末に終えることを決めた。 FOMCは、主要政策金利に当たるフェデラルファンド(FF) 金利の誘導目標は年0〜0・25%に据え置き、事実上のゼロ金利 を維持することを全会一致で決めた。 長期国債の買い入れは三月のFOMCで決め、期間は半年間とし ていた。今回、FRBは買い入れ期間を延長したものの、買い入れ 規模は変えなかった。 同様に実施している住宅ローン担保証券などの購入規模も現状を 維持した。 FRBは声明で、金融市場が「最近の数週間でさらに改善」が見 られ、「家計支出も安定の兆しが見えている」と指摘。前回六月に 経済が「縮小」しているとした判断を上方修正した。 ただ、雇用環境の悪化や所得の伸び悩みなどが続いており、経済 活動の弱さが「しばらく続く」と分析。「FF金利は長期間、異例 の低い水準」になるとした。また、景気回復のために必要な政策手 段をとり続けることをあらためて強調した。 ============================== TARP監督委員長、これから起きる不良資産の問題 TARP監督委員会のエリザベス・ウォーレン委員長は、テレビ番 組 Morning Joeに出演、「銀行の不良資産の問題は全く解決してい ない」との見解を述べました. ・銀行はいまだに不良資産を抱えている ・会計ルールの変更により、不良資産を過大評価しているため、 PPIPを通じて不良資産売却に乗り出さない. ・不良資産の問題は、住宅ローンだけでなく、商業物件ローンへと 大きな問題となる.ドイチェ銀行は、商業物件ローンは50〜60%破 綻率を見込んでいる. ・小規模の銀行は、資本不足で、120〜140億ドルの資本注入が必要 だろう. ============================== 米財務省、TARPの拡大必要となる可能性=議会監視委員会 2009年 08月 11日 15:22 JST [ワシントン 11日 ロイター] 米議会の不良資産救済プログラム(TARP)監視委員会は11 日、現行のプログラムが市場の再開につながらなかった場合や経済 状況が悪化した場合、財務省はTARPの拡大を検討するべきだと の見解を示した。 同委員会は最新の月次報告の中で、不良化したローンや証券が引 き続き、金融システムに脅威をもたらしていると指摘。特に商業不 動産ローンに絡む損失の拡大に直面している小規模銀行にとって状 況は厳しく、こうした銀行は、大手金融機関に実施されたものと類 似のストレステスト(健全性審査)や資本支援が必要となる可能性 があるとしている。 ============================== ユーロ圏GDP、4〜6月期は0.1%減 最悪期脱したとの見方 【ブリュッセル=赤川省吾】欧州連合(EU)統計局は13日、ユ ーロ圏16カ国の2009年4〜6月期の実質域内総生産(GDP)が前 期比で0.1%減となり、1〜3月期の2.5%減に比べ減少幅が大幅に 縮小したと発表した。けん引役のドイツ、フランス両国がともにプ ラス成長に転じた。年率換算ではマイナス0.4%程度。景気下げ止ま りが明確になってきた米国に続き、欧州でも最悪期は脱したとの見 方が広がっている。 1〜3月期のGDPは年率換算ではマイナス10%弱で、1999年の 通貨統合以降で最大の落ち込みだった。4〜6月期は域内で最大の 経済力を持つドイツが前期比で0.3%増とほぼ1年ぶりにプラス成長 に転じ、フランスも0.3%増。新車への買い替えに補助金を支給する 制度など「景気対策の効果が出た」(グッテンベルク独経済技術相 )という。 (20:36) ============================== 外国人、日本株買い鮮明 09年度、買い越し2兆円超 外国人投資家が日本株に対する買い姿勢を強めている。4月から の買越額は2兆円を超え、前年同期を26%上回った。世界的に景気 が底入れすれば外需依存度が高い日本企業の収益回復に弾みがつく との期待から、自動車や電機など主力株への買いが増えている。個 人や年金などの売りを一手に引き受け、外国人が日経平均株価の上 昇をけん引する構図が鮮明になってきた。