3358.中国企業、飛躍の理由とは



中国がなぜ、世界の工場になったのか秘密がある。その考察。
                    Fより

日経エレクトロニクス2009年6月15日号に中国企業の物真似
の仕方が出ていた。この記事と私の経験を元に考察したい。

中国は科挙制度が現在も同じように続いている国である。昔は皇帝
が支配して、官僚をテストで選び、その官僚が全てを支配する。政
治が経済を支配する構造である。今は共産党というが、市場主義経
済であるが、党官僚が経済をも支配して、中国のトップも党官僚に
なった。ここが歴代王朝と違うが、その他の構造は昔のままである。
歴代中国帝国の次の王朝が共産党になったのだ。

日本が中国を嫌うのは、昔から中華思想で日本を見下している印象
と元寇の役のような侵略を行ったことと、いろいろな交渉でも信頼
より騙されることが多いことのようである。

もう1つが、4000年前に稲作をしていた日本人の祖先が揚子江
中流域に住んでいたのを北方から漢民族に攻められて、上流域住民
はベトナム、タイに逃げ、下流域住民は日本に逃げてきたことで、
血がそうさせているとも言える。

また物真似で日本製品をどんどん真似することで日本の市場を奪い
取っていることが、現代ビジネスマンが中国嫌いになる原因だと思
う。

この物真似のすごさは、欧米で新製品が開発されて、中国語対応な
どを行った商品が中国で販売される前に、真似製品が先に売り出さ
れることでも分かる。

BYDはe6という電気自動車とバフェット氏が投資したことで一
躍有名になったが、工場を始めてから10年程度で、現在従業員15
万人という中国でも最大級の大企業になっている。安価な鉄系のリ
チウムイオン2次電池でも有名である。高岡さんが使っている。

ここの自動車も、トヨタのカローラやエスティマの真似車であるこ
とが知られている。BYDの社長もこのことを認めている。しかし
、製品開発期間が2年もかかっていない。また、技術者は全員、競
合会社の技術者を集団で引き抜いたという。その中には日本人の技
術者も含まれる。このため競合会社のいくつかは技術的な優位性を
無くして倒産した。というように、非常に早い速度で技術者を引き
抜き、真似する技術を磨き、真似をしていることになる。

自動車で一番、難しいのはエンジンであるが、このエンジンを専門
で供給する会社がある。それは三菱自動車の中国合弁企業である。
このエンジンを基本的に中国自動車会社の多くが使っている。この
エンジンの周りの部品も標準化されて、複数の会社から供給されて
いる。このため、部品価格も非常に安くなっている。

中国は世界各地の自動車メーカの工場があるが、部品群の標準化が
できているために、外装だけをデザインして部品群に載せて完成さ
れている。その意味では、モジュール化された部品を組み立てるこ
とで自動車ができている。

日本の製品は部品群をその自動車に合わせて一から作るので高くな
るし設計の時間もかかるが、最適な自動車ができる。このようなイ
ンテグラル化が得意である。

このため、日本の自動車より中国の自動車は圧倒的に安価にできる
ことになる。よって、世界の低級品市場を日本や韓国から奪うこと
になる。韓国は中級品市場にシフトして、日本と競合しているし、
この市場を日本は奪われ始めている。

しかし、基本的にはモジュール方式とインテグラル方式の戦いのよ
うな気がする。中国流のやり方は、電気自動車ではより効果を発揮
することになる。部品点数が1/10と少なくなることと、その摺
り合わせの度合いが少なくなることでよりやさしくなる。

このモジュール化をさせないことがトヨタのプリウスの戦略のよう
な気がする。主要なすべての部品を内製して、その連携で動かし、
それぞれの部品のコスト削減、部品点数削減を行うことでモジュー
ル方式ができないようにして、勝ち抜こうとトヨタは考えている。

しかし、電気自動車ではノルウェーの会社シンクがモジュール化の
部品群を提供するというので、ここでも戦いになる。

さあ、どうなりますか??
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バフェット氏:中国自動車メーカー比亜迪の株式取得完了−9.89% 

 7月30日(ブルームバーグ):米著名投資家ウォーレン・バフェ
ット氏率いる米保険・投資会社バークシャー・ハサウェイは30日、
中国の電気自動車メーカー、比亜迪(BYD)の株式9.89%の取得
を完了した。BYDの株価はバークシャーが出資を発表したときの
水準から5倍に値上がりした。 

  BYDが香港証券取引所に提出した資料によると、中国証券監
督管理委員会(証監会、CSRC)はバークシャーの出資を承認し
た。 

  昨年9月にBYDがバークシャーからの出資を受け入れること
で合意して以来、BYDの株価は上昇し、バークシャーの含み益は
約10億米ドル(約955億円)に上る。 

  新鴻基証券のアナリスト、バリー・レオン氏は「投資家は、
BYDの電気自動車事業の潜在的な成長力を好感している」と指摘
。「代替エネルギー部門は間違いなく、今後も中国政府からの支援
を受けるセクターの1つだ」と述べた。レオン氏はBYDの投資判
断を「バイ(買い)」としている。 

  バークシャー傘下のミッドアメリカン・エナジー・ホールディ
ングスは昨年、BYDの新株2億2500万株を1株当たり8香港ドル
、総額18億香港ドル(約222億円)で取得することで合意。30日の終
値に基づく評価額は約94億香港ドルとなる。 

  30日の香港市場では、中国最大の充電池メーカーでもあるBY
Dの株価は前日比1.3%安の41.65香港ドルで取引を終えた。バーク
シャーによる同社株の取得完了は、取引終了後に発表された。 

  BYDの王傳富社長は昨年、バフェット氏からの出資によって
中国7位の自動車メーカーであるBYDは支えられ、海外での信用
が高まり、潜在的な顧客に安心感を与えることになると述べた。
BYDは昨年12月、世界初の量産型プラグインハイブリッド車
「F3」の販売を開始した


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