3357.韓国関連



韓国関連

皆様
韓国に関連して、別の切り口から韓国を見た本を紹介します。

「韓国のデジタルデモクラシー」玄武岩(集英社新書)

韓国の歴史をめぐる問題では、日本の新聞が、「いたずらに国内の
対立を煽り、日韓関係に悪い影響を及ぼすのは心配」だとして韓国
の国内政治問題を報道しない姿勢が目立つ中で、朝鮮戦争以降の民
主化闘争を含む戦後韓国の政治と歴史が冷静に描かれていて参考に
なりました。

インターネットという電子メディアが既存のメディア権力と対抗す
る中で、新しい政治的な公共空間として形成され、既存の政治組織
に対抗する市民ネットワークが、大統領を生みまでの政治勢力にな
った韓国の新しい市民活動の形態となっている。ブロードバンド大
国といわれる韓国は、市民参加型の新しい政治の潮流に取り残され
ているという意味で日本よりも先進的になっているかもしれない。

日韓問題や北朝鮮との関係ばかりを焦点にしている日本のメディア
からは、韓国の民主化運動は見えてこない。地域主義を生存のメカ
ニズムとしてきた、政治、党首が絶対的な影響力を発揮するボス型
政治、学縁、地縁、血縁の三つを既得権の構造とし、腐敗にまみれ
た財閥との癒着した政治に対し、反対できる勢力として風穴を開け
たネット型市民運動は、あまり報道されてこなかった部分である。

巨大メディアへの不信、記者クラブの閉鎖性と特殊性、独立性を欠
く権力との馴れ合いに無自覚な日本のメディアへの反省でもある。
また、日本の総選挙における公認が、地盤を世襲した息子や、人気
俳優たちによる全面的な支援をバックにした選挙運動が相変わらず
続いているのに対し、韓国では、そもそも家柄のブランドだけでは
政党の公認を受けることは非常識になっている。党員資格を緩和し
ようとする自民党と強化しようとするウリ党の違いなど韓国の政治
は戦後日本政治のコピーとは異なっている。

四度目の挑戦で大統領に当選した金大中氏は、軍事独裁勢力による
投獄中、すでに情報化時代を予見し、その準備をしてきたといわれ
ている。韓国合宿に際し金芝河氏の活動とこのネット社会の動きに
ついて興味のあるところであります。

小川



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