米国、中国などが大きく変化している。この中で日本はどうすれば いいのであろうか? Fより NHK教育のプロジェクトJAPANで「国際アンケートを読み解 く」を19日夜に放送していた。この放送から考えたい。 1.日本の位置づけは、欧米かアジアかというアンケートの結果 世界では、欧米24%、アジア11%となっている。特に欧米 とする割合が大きいのが、ノルウエー42%、フィンランド40% デンマーク30%であり、中国は欧米32%でアジア18%、韓国 は欧米10%でアジア16%、日本は欧米30%でアジア3%とい う結果であった。欧米と感じる割合が低いのは、ベネズエラ27% 、パナマ22%、シンガポール21%である。 1868年の明治維新で、中国文化圏から離脱して欧米文化を取 り入れる脱亜入欧を行い、服・頭・暦などを欧米に変えた。大日本 帝国憲法を作り、これらのことで文明国家になるとした。 1945年戦後は米国文化を吸収してきたことで、日本を欧米と見 る国が多くなっていると感じる。欧米と感じない国は、欧米と摩擦 を起こし、日本に期待しているようにも見える。 日本は、100年間欧米化したが、1000年以上も思想的にはア ジアの影響を受けている。この融合ができる状態になっている。 アジアは実証的であり、欧米は論理的である。 2.天皇・憲法 天皇を知っていますかという問いに世界では知っているが、30 %、知らない60%であった。知っているが少ない国は、ボリビア 3%、トルコ4%、モロッコ5%で、知っているが多かった国は、 韓国91%、中国76%、オーストリア71%である。 欧米諸国では、天皇体制を独特な日本の体制と見ているし、中国 ・韓国は、国家主義と見ている。英国とは王室外交を行い、最高位 のガーター勲章を明治天皇は頂いている。それまではキリスト教徒 しか与えないガーター勲章を特例を設けて、明治天皇に授与したの は、日本の近代化や戦略に英国が影響を及ぼしたいという思いから であった。 そして、米国は1920年代から日本研究をノースウエスタン大学 ケネル・グローブ教授が開始して、大日本帝国憲法の矛盾を明らか にした。そして、軍部の台頭を予見していた。現在はハーバード大 ライシャワー研究所でも行っている。もちろん、米国では中国研究 も盛んである。この研究が米国の外交力になっている。 日本も現在的な意味での米国研究や中国研究をして、外交力を強化 する必要があると見る。 3.同盟関係 日米同盟に対して世界で賛成45%、反対28%であり、米国で は賛成64%、反対6%となり、日本では賛成25%、反対29% 分からない46%である。フィリピン賛成78%、反対21%で、 タイ賛成69%、反対25%で、韓国賛成51%、反対31%と同 じ感じであるが、中国は賛成15%、反対78%と反対が大きい。 中国は日米同盟を嫌っているが、ASEAN諸国は中国と日米が バランスしてほしいために、賛成が大きい。 当面は日米同盟の維持であるが、中国軍部が台頭する可能性があり 、その抑止のためにはロシア・インドなど周辺国家が協力する必要 があると見る。 4.経済 経済発展している国はどこかとの問いで、アメリカ50%、日本 46%、中国37%、EU35%であり、技術革新・先端科学はど こかの問いでは、日本63%、アメリカ46%、中国35%、EU 27%である。 今後、1・2年で日本は中国にGDPで抜かされる。そして、日本 における最大の貿易相手国は米国から中国になる。同様に米国も最 大の貿易相手国は中国になる。 このため、日本をユーラシア側から見ていく必要がある。すると日 本海がユーラシア大陸の内海という位置づけが出てくる。地政学的 に日本を見直すことが必要である。 経済的には中国・インドとの関係が強くなる。日本企業は英国的な インドの方が信頼感の醸成が簡単である。中国人との交渉等に日本 人は大変で精神を消耗するので、覚悟が必要である。 5.国際貢献 日本が国際貢献をしていることを知っているかの問いでは、日本 YES48%、世界33%であった。アフリカ・中東24%、南米 20%、アジア34%である。米国50%、英国53%であるが、 イラク17%である。日本に期待する援助では自衛隊の派遣45% 、非軍事的な支援55%となった。 日本は非軍事的、平和構築や地球環境など経済力の発展で抑止力 にする援助が望まれているようである。援助活動を通じて、人間が 自立していくような援助が必要であり、それを通じて人間の安全保 障を行うことである。 日本は経済力を高めて、アジア諸国を民主化した実績を持っている。 この方法を世界に展開することである。