3330.アメリカによる「戦略的デフォルト」の可能性



アメリカによる「戦略的デフォルト」の可能性
                             2009.6.27
                               DOMOTO

アメリカによる「デフォルト宣言」の可能性は、書籍、ネットでも
広範に見られる。

私は、金融アナリストである朝倉慶氏などの予測を参考に、悪化し
つつあるアメリカ経済は2、3年後に困窮し、多大なデメリットを
覚悟した上で、「戦略的デフォルト」を行使すると見ている。

従来デメリットが多過ぎるとされてきた「戦略的デフォルト」は、
圧倒的な軍事力と食糧支配体制を持つアメリカが行うと、現在のア
メリカ経済を大筋でプラスに好転させる可能性が高いのではないか。
おそらく、食糧物資の輸出規制や地域軍事安全保障などを駆け引き
として駆使した外交戦略が既に検討されているはずだ。

「戦略的デフォルト」は、「金」とリンクさせた新北米通貨「アメ
ロ」への切替え抜きでは効力を発揮しえないと思うが、現状の延長
線上のアメリカ経済には、衰退もしくは停滞しか見い出せないのだ
から、「勝てるバクチ」であるならば打つだろう。

1971年の「ニクソン・ショック」では、経常収支の赤字の続く中で
、米議会の承認もなしに、突然、世界へ向けて一方的にドルと金の
交換停止をニクソン政権が宣言した。「戦略的デフォルト」が約2
、3年後あたりに発動されるとすれば、ちょうど40年ぶりの「ル
ール変更」となる。

1998年にデフォルトの危機に見舞われたロシアや、戦略性に優れた
中国は、アメリカによる「戦略的デフォルト」を重要なシナリオの
一つに想定しているだろう。中国は金の大量買い付けをリーマン・
ショック後の08年9月以来開始していたと推測されているし、ロシア
はそれ前からだと噂されているという。この他、EUも金を大量に保
有しているとされている。

6月25日のロイターによる下記の記事は、今後の中国の金本位戦略を
明確に現している。
http://otd5.jbbs.livedoor.jp/577859/bbs_plain?base=260&range=1

今後2、3年後を含む世界不況の経済状況下で、オバマ政権が「デ
フォルト宣言」を発動した場合、世界の軍事情勢は著しく悪化する。

最も深刻化するのがパキスタンで、財政破綻し無政府状態となるパ
キスタンの60発から100発といわれる核兵器に付随する核物質は、ア
ルカイダや他のテロリストによって収奪される可能性が激増する。
これに対してアメリカは、デフォルト宣言とアメリカ軍によるパキ
スタン占領をワンセットとして計画立案する必要性が出てくる。

DOMOTO
http://www.d5.dion.ne.jp/~y9260/hunsou.index.html


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