3329.米「新生GM」の動向



世界最大の自動車会社であったGMの再生に米経済再生が掛かって
いる。その動向を検討       Fより

新生GMの会長には米AT&Tの元会長兼最高経営責任者(CEO)の
エドワード・ホイッタカー氏を起用し、ヘンダーソンCEOが社長
兼CEOとして続投する。

政府が60%を抑える国有企業になり、巨額の債務など「負の遺産
」を一気に整理できるが、この国有化で米議会や政府の意向が働く
ことになる。それを避けるために、「新生GM」は18カ月以内の再
上場を目指し、米政府はそこで株を売却して政府から離なそうとし
ている。しかし、国有化から完全に脱するためには「数年かかる」
という。

米政府は、このGM対応と自動車産業の雇用問題で大統領令に基づ
く評議会を作り、GMがこれから行う大リストラと販売店の半分縮
小、車種半減に対応する。現時点でも部品会社、販売店、工場周辺
の商店などを合わせると40万人の雇用が失われている。

そして、GMは10月までに米国で約4000人のホワイトカラーを削減
し、米国での事務系社員26000人から22000人になる。すでにハマー
は中国の四川重工業に売却し、サターンも米国内の会社に売却して
いる。

GMの売上高の60%が海外であったので、GM自体の従業員は少
ないが、部品会社や販売店などの倒産が出てくると思っていたら、
大手の部品会社リアが倒産した。

しかし、今後、米政府は部品会社には支援をしないと宣言している
ので、今後も部品会社の倒産は多発する。このため多くの雇用が失
われる。

この対策としてフォードは、世界で約1600社ある自動車部品の調達
先企業を、年末までに850社に半減すると発表した。部品会社の淘汰
が始まっている。

5月の新車販売は8カ月連続で前年同月比3割以上の落ち込みをみ
せた。ただ、落ち込み幅は縮小しており、年換算で1000万台程
度の需要は回復するようだ。しかし、今までが1700万台体制で
あり、かつ利益率のいい大型車ベースであったのが、今後は利益率
が低い小型車が中心で、その利益率の落差は大きい。対応する日本
・韓国のような安くて品質がよい小型車を持たないと、GMは真の
復活ができない。

このため、米議会上院が18日、自動車の買い替え法案を可決したが
、燃費が悪い古い車を低燃費車に置き換えることで、環境汚染の防
止と新車販売のテコ入れを狙うものだが、実際には燃費が悪い車で
あるビッグスリー(米自動車3社)の車した対象にならず、ビッグ
スリー保護策である。

自動車の買い替え法案に対応する新たな低燃費小型車をミシガン州
の休業工場活用して、年間最大16万台生産するとGMは発表した。
この新小型車とは、スズキの小型車のような気がする。もちろん、
名前を変え、デザインを変えている可能性はあるが、小型車を基礎
から設計している余裕は新生GMにはない。

オバマ大統領が推し進める「エコカー政策」にGM単独で対応可能
であると思えない。このため、トヨタからバイブリッド車を供給し
てもらい、それをトヨタ自動車との合弁工場NUMMI(カリフォ
ルニア州)で組み立てる方向でGMはトヨタと交渉していると感じ
る。

というように、日本メーカがGMを助ける役割を担うことになるよ
うだ。

さあ、どうなりますか??

しかし、このGM問題よりカリフォルニア州債の債務不履行問題の
方が大きくなりそうだ。まだまだ、米国は何が起きるか分からない。
国も州も個人も金を借りすぎているので、大幅な支出の削減か大幅
な増税を求められるようだ。
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新小型車、11年に生産開始=ミシガン州の休業工場活用−米GM
6月27日6時21分配信 時事通信

 【ニューヨーク26日時事】米連邦破産法11条(日本の民事再生法
に相当)適用下で再建中の自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)
は26日、休業入りする予定のミシガン州オライオン工場を活用して
新たな低燃費小型車を生産することを決めたと発表した。2010年末
に工場の設備改良に着手し、11年中の生産開始を目指す。
 これにより、同州ポンティアックにある部品プレス工場の労働者
も含め、約1400人の雇用が確保される見通し。オライオン工場は年
間最大16万台の小型車を生産できる工場になるという。同社は、大
型車偏重だった生産体制の見直しをさらに進める方針だ。
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GM、トヨタ合弁での車種選定が難航 ミシガン州では小型車生産
 【ニューヨーク=小高航】米ゼネラル・モーターズ(GM)は26
日、トヨタ自動車との合弁工場NUMMI(カリフォルニア州)で
生産する車種の選定作業が難航していることを明らかにした。トヨ
タとの協議は継続する。一方、GMは同日、将来の戦略小型車を米
ミシガン州の工場で生産すると発表した。

 GMはNUMMIでの「ポンティアック・バイブ」の生産を8月
末に打ち切る。トヨタとの間で後継車種の選定を進めているが、
GMの北米事業を統括するトロイ・クラーク氏は26日の電話会見で
「当社やトヨタのニーズに合致する車種が現時点で見当たらない」
と述べた。

 車種の選定には、設備更新に伴うコストや、既存車種との競合な
ど複雑な要素を勘案する必要がある。クラーク氏は「(トヨタは)
重要なパートナーで、協議を続ける」としている。(12:03) 
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米部品大手リア、来週にも破産法申請を準備 米紙報道 
 【ニューヨーク=小高航】米紙ウォールストリート・ジャーナル
(電子版)は25日、米自動車部品大手のリアが来週にも連邦破産法
11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請する準備をしている
と報じた。リアはシートなど内装部品大手で、日本メーカーとも取
引がある。

 リアは今月1日に期限を迎えた社債の利払いを30日間繰り延べる
など、資金繰りが悪化していた。ウォール紙は関係筋の話として、
法的整理に必要な資金をJPモルガン・チェースなど金融機関から
調達すると伝えた。
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フォード、調達先を半減 車部品、年内に世界で850社へ 
 【ニューヨーク=小高航】米フォード・モーターは24日、世界で
約1600社ある自動車部品の調達先企業を、年末までに850社に半減す
ると発表した。取引先を絞り込むことで、調達コストの圧縮を目指
す。日本のデンソーやダイヤモンド電機などを含む16社を主要取引
先グループに加えたことも発表。全体の調達先を減らす一方で主要
取引先とは製品開発などで協力を深めていく。

 フォードの部品調達先は2004年に3300社、08年末に1600社あり、
将来的には750社まで絞り込む。1社当たりの取引額を大きくするこ
とで、調達コストの削減や部品会社と連携した品質改善などを進め
る。
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GM、米国でホワイトカラー4000人削減 10月までに 
 【ニューヨーク=小高航】米ゼネラル・モーターズ(GM)は10
月までに、米国で約4000人の事務系職員(ホワイトカラー)を削減
する。全体の約15%に相当する。複数の米メディアが23日伝えた。
これまでに削減を決めた対象のブランドや工場の担当者が中心にな
る見通しだ。

 GMは2008年末に約3万人だった事務系職員のうち、今年に入り
既に3000人を削減しているが、今後さらに幹部級の社員も含めて
4000人減らす計画。早期退職の募集などが中心だが、一部で強制的
な措置も含まれるという。
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米、自動車産業の雇用問題で評議会 
 【ワシントン=大隅隆】米ホワイトハウスは23日、自動車産業の
雇用問題などに対処するための評議会創設を発表した。サマーズ国
家経済会議(NEC)委員長、ソリス労働長官が共同議長に就き、
ガイトナー財務長官などの関係閣僚で構成する。自動車大手、ゼネ
ラル・モーターズ(GM)の一時国有化などを受けた措置。

 米政府は同日の大統領令に基づき評議会の設置を決めた。GMな
ど自動車大手の経営不振で40万人の雇用が失われており、地域の雇
用対策などを支援する狙い。自動車産業が集積するミシガン州など
は来年の中間選挙でも激戦区になる見通し。雇用対策を支援するこ
とでオバマ政権と民主党への支持を維持する狙いもあるとみられる。 
(14:07) 
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米政府、自動車部品への追加支援せず 米メディア報道
 【ニューヨーク=小高航】米政府は自動車部品メーカーへの追加
支援を実施しない方針を固めたもようだ。複数の米メディアが16日
、伝えた。政府関係者が部品メーカー側の代表者に「業界はすでに
潤沢な支援を受けており、追加支援の必要があるとはみていない」
などと語ったという。

 米メディアによると、部品メーカーの代表者は、工場の閉鎖など
で自動車生産に支障を来す事態になれば政府は追加支援を検討する
、との見方を示した。ただ政府関係者は「現時点では部品が不足し
て業界が混乱しているわけではない」との認識を示したという。

 部品メーカーの経営悪化を受け、業界団体の米国自動車部品工業
会(MEMA)は10日、米政府に80億〜100億ドル(約7700億〜9600
億円)の追加支援を要請。オバマ政権が追加支援に踏み切るかどう
かについて検討している。(14:23) 
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米、車買い替えに補助金 「ビッグ3」保護、色濃く
 米議会上院が18日、自動車の買い替え法案を可決、近く成立する
見通しとなった。燃費が悪い古い車を低燃費車に置き換えることで
、環境汚染の防止と新車販売のテコ入れを狙うものだが、実際には
ビッグスリー(米自動車3社)の保護策の色合いがにじむ。

 上院が可決した内容は、古い車を低燃費の新車に買い替える際に
3500―4500ドル(約34万―44万円)の補助金を支払う。比較的小型
な乗用車で補助を受けるにはガソリン1ガロン当たり最低4マイル
の燃費改善が必要。(20日 07:00) 
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米政府、日産に低利融資 環境車支援で1500億円
 【ニューヨーク=小高航】米政府は23日、米フォード・モーター
や日産自動車など3社に対し、環境対応車の生産を支援する目的で
約80億ドル(約7600億円)の低利融資を実施すると発表した。総額
250億ドルの融資制度の第1弾で、各社は米国で電気自動車など次世
代車の生産を本格化する。

 融資の内訳はフォードが59億ドル、日産が16億ドル(約1500億円
)、電気自動車ベンチャーの米テスラ・モーターズが4億6500万ド
ル。米連邦破産法11条を申請したゼネラル・モーターズ(GM)と
クライスラーは今回、財務の不安定さなどを理由に融資が見送られ
た。

 政府の発表によると、日産は政府融資を活用し、米スマーナ工場
(テネシー州)で電気自動車を最大で年15万台生産する。フォード
はミシガン州など米5州の工場で低燃費車を生産。12年までに家庭
用電源などで充電できる「プラグ・イン・ハイブリッド」車などを
商用化する。(00:36) 
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GM、新会長にウィッテーカー氏 AT&T元会長 
 【ニューヨーク=小高航】米ゼネラル・モーターズ(GM)は9
日、破産法手続きで優良資産を移管した「新生GM」の会長に米通
信最大手AT&T元会長兼最高経営責任者(CEO)のエドワード
・ウィッテーカー氏(67)が就任すると発表した。同氏は通信業界
で巨額買収を次々と仕掛けたことで知られる大物経営者。ヘンダー
ソンCEOが社長兼CEOとして続投する人事も発表した。 

 GMは同日、12人いる取締役会メンバーを大幅に入れ替えると発
表。現会長のクレサ氏は会長職を退くが取締役に残る。ほかにヘン
ダーソン氏やコカ・コーラ元CEOのネビル・イズデル氏ら計6人
の現職が取締役に残留。ウィッテーカー氏が後任会長として加わる。
他に6人の新メンバーの人選を進めており、新生GMの取締役は13
人となる。未定のメンバーのうち、1人はカナダ政府、1人は全米
自動車労組(UAW)の医療保険基金が派遣。残りの4人は米政府
を中心に指名する見通し。
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GM、小型車「サターン」を米ディーラーに売却 
 米ゼネラル・モーターズ(GM)は5日、小型乗用車を主体とす
る「サターン」ブランドについて、米大手ディーラーのペンスキー
・オートモーティブ・グループに売却すると発表した。売却額は明
らかにしていない。同社は製造設備を持たないため、当面はGMに
生産を委託する。 
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GM「販売網の縮小不可欠」 公聴会でCEO
 【ワシントン=大隅隆】米上院商業科学運輸委員会は3日、連邦
破産法の適用を受けたゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラ
ーの販売網の縮小を巡り公聴会を開いた。GMのヘンダーソン最高
経営責任者(CEO)は「これが最後の再生のチャンス」と強調し
、破産申請に伴う合理化は避けられないと訴えた。これに対し、失
業の増加などを懸念する議員側からは異論が相次いだ。

 米議会では上院銀行委員会も10日に「自動車産業のリストラと政
府の役割」をテーマに公聴会を開く。議会は来年の中間選挙をにら
み政府の金融支援を受ける両社への監視を強めており、雇用維持を
重視する議会の動きが迅速な再建の障害になる懸念が出てきた。

 ヘンダーソンCEOは販売網の維持にかかるコストがGM車1台
につき1000ドル(約9万6000円)かかっているとし、合理化が必要
だと訴えた。クライスラーのプレス社長も「(将来の減産を考えれ
ば)いまの販売網を支えきれない」と明言した。(12:10) 
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米新車販売33%減、5月92万台 落ち込み幅は縮小
 【ニューヨーク=小高航】2日まとまった5月の米新車販売台数
は、前年同月比33.7%減の92万5824台だった。年率換算では991万台
と1000万台割れが続くが、年明け以降では最も高水準で、下げ止ま
りの兆しも指摘された。米新車市場の動向は、連邦破産法11条(日
本の民事再生法に相当)を申請したゼネラル・モーターズ(GM)
やクライスラーの再建に影響を与える。

 米調査会社オートデータによると、5月の新車販売は8カ月連続
で前年同月比3割以上の落ち込みをみせた。ただ、落ち込み幅は縮
小しており、「慎重に見極める必要があるが、回復の兆しは出てい
る」(フォード・モーター幹部)と底打ちへの期待も広がった。

 メーカー別では1日に破産法を申請したGMが28.7%減の約19万
台。8カ月ぶりに減少幅が3割を下回った。4月末に破産法を申請
したクライスラーは46.9%減と半減ペースが続いた。政府支援を受
けていないフォードは24.2%減と、上位6社で最も落ち込みが小さ
かった。(10:08) 
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「国有」GM多難なスタート 競争力回復、スピードに焦点
 【ニューヨーク=武類雅典】米ゼネラル・モーターズ(GM)の
再建は、延命から競争力回復のスピードに焦点が移る。「新生GM
」は18カ月以内の再上場を目指すとされ、実現できれば巨額の債務
など「負の遺産」を一気に整理できる。ただ環境対応車への出遅れ
など課題も山積。政府が7割出資する「国有自動車会社」は多難な
スタートとなる。GM再建は米経済だけでなく、日本企業や日本経
済にも影響が大きい。

 「我々の改革を早く達成するために強力な手段だ」。フレデリッ
ク・ヘンダーソンGM最高経営責任者(CEO)は1日、破産法活
用の利点を強調した。破産法下では債務削減や労働協約の見直しな
ど抜本的なリストラが容易になるため、270億ドルもの無担保債務は
大幅に削減。過去15年間で1000億ドル以上払っていた年金・医療費
の負担も減る。(08:01) 
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GM「09年末までに赤字体質脱却」 CEO会見 
 【ニューヨーク=小高航】1日に米連邦破産法11条(日本の民事
再生法に相当)の適用を申請したゼネラル・モーターズ(GM)の
ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)は同日、法的整理による負
債圧縮で、2009年末までに赤字体質からの脱却をめざす意向を示し
た。中国など海外事業の強化などで迅速な再建を図る。ただ米政府
が60%の株式を保有する「国有化」から脱するには「数年かかる」
との見方を示した。 
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GM、オペル売却で合意 加マグナに
 【フランクフルト=下田英一郎】米ゼネラル・モーターズ(GM
)と米独両政府は30日、GM子会社の独オペルの救済策で合意に達
した。GMはオペルの資産を保全したうえで、カナダ自動車部品大
手マグナ・インターナショナルに売却。独政府もオペルに15億ユー
ロ(約2000億円)のつなぎ融資を実行するという。


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