3307.北朝鮮問題はオバマ政権の対処能力を超えている



北朝鮮問題はオバマ政権の対処能力を超えている 

               2009.5.30       DOMOTO



「米国、同盟国に脅威与えるなら迅速に行動と、北朝鮮に警告」
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200905300008.html

「北朝鮮の核開発問題で、ゲーツ米国防長官は(5月)30日、北朝鮮
が米国もしくはアジアの同盟国に脅威を与える動きを示した場合、
米国は迅速に行動する、と何らかの軍事的対応も辞さない考えを示
唆した。」

「ゲーツ国防長官も「日韓に核抑止力提供」明言―米、対北朝鮮政
策で圧力重視に転換の見込み」
http://blog.livedoor.jp/takami_neko_shu0515/archives/65131641.html

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ゲーツの発言は、北朝鮮と中国に対してのブラッフ。

甘っちょろい子供騙しのブラッフにどれだけの効果があるのか? 
実に、素朴な日本人を舐めたことを言ってくれる。

アメリカに、周到な北朝鮮攻撃と戦争のプランはない。(※ 『ブ
ッシュのあとの世界』 日高義樹氏著 2007年1月刊―第3章に詳述
されている。)
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%81%AE%E3%81%82%E3%81%A8%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C-%E3%80%8C%E7%94%A6%E3%82%8B%E5%A4%A7%E5%9B%BD%E3%83%BB%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%80%8D%E5%8F%A9%E3%81%8D%E3%81%8C%E5%A7%8B%E3%81%BE%E3%82%8B-%E6%97%A5%E9%AB%98-%E7%BE%A9%E6%A8%B9/dp/4569659764/ref=sr_1_27?ie=UTF8&s=books&qid=1243670524&sr=1-27

「アメリカ国防総省・ブッシュ政権首脳などが考えたように、アメ
リカと北朝鮮との戦争は、朝鮮半島にとどまらず、1950年の朝鮮戦
争と同じように国境を接する中国を巻き込んだ『全面戦争』となる
。それは中国経済に対して甚大な影響をもたらすので、経済的に中
国との深い相互依存関係にあるアメリカが、オバマ政権で北朝鮮と
の戦争を起こす可能性はまずない。」
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/22192317.html

「アメリカに周到な北朝鮮攻撃と戦争のプランはない」ことを見極
めた時点で、中国共産党は北朝鮮を温存させる対応を国連安保理で
取る。

また、外交と軍事活動の情勢展開の過程で、
「日本列島上に北朝鮮が、仮にミサイルを撃ち込んできたとしても
、日米安保同盟の原則通り、アメリカが北朝鮮に対して軍事的報復
行動を取る事は全く期待できない。」

ワシントンでハドソン研究所での研究の傍ら、長年アメリカ政財界
の要人との取材を続けている日高義樹氏は、その講演会などで上の
様に述べているそうだ。

「関ヶ原の戦い」に臨んで、石田三成が当てにしてはいけない兵力
を計算に入れたがり、遂には川原で首を切り落とされたという史実
を想う。

アメリカが北朝鮮本土に対して何らかの武力攻撃を取れば、北朝鮮
が宣言する即時「火の海」・ソウル攻撃が開始される。それと連鎖
し国境上の大量難民の発生に対応して、中国とロシアは軍隊を北朝
鮮に侵攻させるが、本戦における主力軍ではない。主力軍は在韓米
軍を含むアメリカ軍となるのだが、対北朝鮮戦争に兵力を集中させ
ると、優先度の高いアフガニスタン戦争が手薄になってしまう。

「在韓米軍の空洞化とアフガニスタンへの戦力シフト」(2009年4月7日)
http://www.asyura2.com/09/wara8/msg/191.html

アメリカにとっての最重要国―「中国」やロシア―に影響が波及す
る朝鮮半島での「全面戦争」による経済的甚大な損害と、事実上、
国家財政破綻し衰退しゆく日本では、アメリカにとってどちらが重
要なのかは分かり切った事だ。

それゆえ、仮に北朝鮮が日本へミサイルを撃ち込んできたとしても
、日米安保同盟の原則通り、アメリカが北朝鮮に対して軍事的報復
行動を取るその内容は形骸的なものにとどまる公算は高い。

アメリカによる「デフォルト宣言」が2年後と観測される現在、北
朝鮮問題はオバマ政権の対処能力を遥かに超えている。

DOMOTO
http://www.d5.dion.ne.jp/~y9260/hunsou.index.html 
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(Fのコメント)
 中国の関与が需要である。米国は兵力を朝鮮半島には裂けないの
で、陸上兵力としては、中国軍が重要になる。韓国との国境に北朝
鮮軍の70%がいるので、韓国からの攻撃はできないし、ソウルへ
の砲撃が大変であり、その対応しかできない。

中国は、戦略の大幅な変更になるので、国内協議に手間取っている。
しかし、北朝鮮への締め付けを厳しくしていることから、大きな不
満であることは分かる。

中国の行動を注視するしかないのが現状でしょうね。米ゲーツ国防
長官の発言も、中国の行動が前提条件である。

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