誤報、誤報とメディアは叫ぶ、どこが誤報か言ってみな ーー 朝日阪神支局襲撃22年、実行犯手記のどこが誤報だったか ーー 私は今年の1〜2月に週刊新潮が掲載した朝日新聞阪神支局襲撃事件の実行犯を 名乗る男の手記を実際に読み、語られている内容が実にリアルであることに驚い た。記事を読むかぎり、書かれている内容は真実であると、私の直観は判断をした。 だのに、なぜ「誤報」なのだろうかと、その後の週刊誌報道も追いかけて読んで みた。 すると、その男性は「実行犯ではなく、実行犯に指示を与えた人間であった」と いうところが誤報なのだった。実行犯がそれぞれ非業の死を遂げたから真実を 語ったとする部分や、アメリカ大使館からの指示があったというところは、真実 であると最後まで念押しされている。 私の基準では、これは誤報というよりは、多少不正確な表現であったといえばす む程度の話なのであるが、それをあえて誤報、誤報と宣伝し、新潮社の9人の役 員まで減俸にしたという(5月2日毎日新聞朝刊)のは、よほどこの記事の内容が正 しくて、殺害依頼をした筋がやっきになって打ち消そうとしたのではないかと 思ってしまう。 下山事件や三鷹事件など、戦後の謎めいた事件も、もしかしたらことごとく同じ 文脈で起されたのではないかと思ってしまう。同僚が殺された朝日新聞が週刊新 潮の記事を否定したのは、過去の同僚の死よりも、今の国際関係を慮った行為で あるといえるのかもしれない。 得丸 http://birthofblues.livedoor.biz/archives/50769375.html http://birthofblues.livedoor.biz/archives/50772218.html http://www.j-cast.com/2009/02/05035469.html 朝日阪神支局襲撃22年 誤報に不快感示す市民も 兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局で1987年、男が押し入り散弾銃で記者2 人を殺傷した事件から22年となる3日、市民らが同支局に拝礼と記帳に訪れ、 犠牲となった小尻知博記者=当時(29)=の冥福を祈った。 週刊新潮が2月、実行犯を名乗る男性の手記を4回にわたり連載し、後に誤報 と認めたことについて、近くに住む無職山本毅さん(70)は「本を売るために ないことをスキャンダル的に報じると国がおかしくなる」と不快感を示した。 参列者は遺影に献花し手を合わせた後、3階の資料室で撃ち込まれた散弾粒や 小尻記者のジャンパーなどを見学した。 事件から20年の2007年に始まった「『みる・きく・はなす』はいま」展 も開かれ、22年間に起きた言論をめぐる43事件をパネルで紹介。新潮の誤報 問題について特別コーナーも設けている。 2009/05/03 16:58 【共同通信】