3285.ストレステストの結果??



米国の銀行を審査した結果が発表された。この検討。 Fより

一口に言って、どうも1990年代の日本の日銀と大蔵省を思い出
す。いつも少なめに公表して、銀行は安全であると宣伝していたが
、数年が経つと損失額が増えて、再度公的資金を入れることになり
、15年を要して不良債権の処理をしたが、今の米政府・FRBは、
同じようなことをしているように感じる。

どうしてそうなるかというと、公的資金の残りが12兆円しかない
ので、あまり大きな損失を公表すると、公的資金の追加をしないと
いけないが、米国民はこれ以上の公的資金を積みますことに反対し
ているので、できない。

ということで損失額を少なめにして、FRBの融資や証券化商品の
買取で銀行を助けていく方向にしたのでしょうね。時価会計の緩和
も同様な処置であるので、全体的な整合性も取れている。それほど
米国の銀行の損失は拡大していると見る。企業債務、消費者ローン
などの損失も大きくなっているが、それを見ていない可能性がある。

しかし、7.3兆円の資金が必要とした結果を受けてNY株価はダ
ウが上昇している。どうもFRBがドルを大量に市中に供給してい
るが、そのドルの行き場を失っていて株式市場に来ているように感
じる。

FRBのバーナンキ議長もガードナー財務長官の意向を受けて、市
中に大量のドルを供給する方向で合意していると見る。政府のでき
ることが少ないと、言っているのでしょうね。

バーナンキ議長は「査定結果は投資家や国民にかなりの安心感をも
たらすはずだ」とし、財務長官は議会への公的資金枠の追加要請に
ついて「現時点では必要とは考えていない」と述べたことで分かる。

4月2日にIMFが米国銀行の損失は270兆円といているので、
今回のIMFの結果は相当に少ない。私Fの見解は、このIMFで
でも少ないと見ているので、FRBの結果は驚くほど少ないことに
なる。

そして、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは7日の公表直前に
資本不足額を大幅に圧縮していたと報じた。検査は厳格に行われた
とするFRBの主張に疑いが生じているようだ。

さあ、どうなりますか??
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米金融、10社で資本不足7.4兆円 資産査定結果
 【ワシントン=大隅隆】米政府と米連邦準備理事会(FRB)は
7日、大手金融機関19社の健全性を審査する資産査定(ストレステス
ト)の結果を公表した。景気が一段と悪化した場合の潜在的な損失
が来年末までで計6000億ドル弱(約60兆円)になると予測。バンク
・オブ・アメリカ、シティグループなど10社について計746億ドル
(約7兆4000億円)の資本不足の恐れがあると査定した。結果を受け
て米金融機関は増資などの健全化策に着手した。

 バーナンキFRB議長は7日の記者会見で「査定結果は投資家と一
般市民にかなりの安心感を与える」と指摘した。ガイトナー財務長
官も「金融システムの透明性」が高まることで貸し渋りなどの信用
収縮の解消につながるとの見方を強調した。

 19社のうちJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックスな
ど9社は現在の自己資本で景気悪化に耐えられると査定した。一方で
バンク・オブ・アメリカは339億ドル、ウェルズ・ファーゴは137億
ドル、シティグループも55億ドルの資本増強がそれぞれ必要になる
と判定している。(11:01) 
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米金融機関10社、計746億ドルの資本増強必要−健全性審査(2) 

5月7日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)は
7日、米金融機関19社を対象とするストレステスト(健全性審査)
の結果を発表し、10社に計746億ドルの資本増強が必要との判断を明
らかにした。 

資金不足を指摘されたのは10社で、不足額が大きい金融機関から順
に、バンク・オブ・アメリカ(BOA)が339億ドル、ウェルズ・
ファーゴが137億ドル、シティグループが55億ドル。また、フィフス
・サード・バンコープが11億ドル、キーコープが18億ドル、PNC
ファイナンシャル・サービシズ・グループが6億ドル、リージョン
ズ・ファイナンシャルが25億ドル、サントラスト・バンクスが22億
ドル、ゼネラル・モーターズ(GM)の金融子会社GMACが115億
ドル、モルガン・スタンレーは18億ドルと判断された。 

資本増強の必要なしと判断された9社は、ゴールドマン・サックス
・グループ、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・ニューヨー
ク・メロン、メットライフ、アメリカン・エキスプレス(アメック
ス)、ステート・ストリート、BB&T、USバンコープ、キャピ
タル・ワン・ファイナンシャル。 

審査結果では、大半のエコノミストの予想よりも「厳しい」経済環
境の下で19社が被る損失が今後2年間で計5992億ドルに達する恐れ
があることも示された。損失リスクが最も大きいのは住宅ローン関
連で1855億ドル。2番目はトレーディング関連で993億ドルだった。 

結果の公表は、一部の金融機関にとって、米政府との緊張した関係
から脱却する出口を開くものだ。しかし、資本不足を指摘された他
の金融機関は6カ月以内に資本を増強する必要があり、さらなる公
的資金注入を迫られ、経営陣の刷新を促されることもあり得る。 
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特別検査でFRBが譲歩=公表前に資本不足額を圧縮−米紙報道
5月9日14時54分配信 時事通信

 【ワシントン9日時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル
(電子版)は9日、大手19金融機関に対する特別検査(ストレステス
ト)を行った連邦準備制度理事会(FRB)が7日の公表直前に資本不
足額を大幅に圧縮していたと報じた。検査は厳格に行われたとする
FRBの主張に疑いが生じかねず、今後論議を呼びそうだ。
 それによると、銀行の収益力などをめぐり、FRBと一部金融機関の
見解が鋭く対立。2009年1−3月期の好決算をもとに銀行側がFRBを押
し返し、少なくとも19行のうち半数が資本不足額を圧縮させたとい
う。
 このうちシティグループの資本不足額は当初約350億ドル(約3兆
5000億円)に達すると判断されていた。公表された55億ドル
(約5500億円)の6倍以上で、最も多い不足額を指摘されたバンク・
オブ・アメリカの339億ドルを上回っていたことになる。 
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IMF報告:世界の金融危機関連損失、10年末に4.1兆ドルか(2) 
4月21日
(ブルームバーグ):

国際通貨基金(IMF)は21 日、信用ひっ迫が一段と進むなか、不
良化したローンや証券化商品に関連した世界の損失額が来年末まで
に4兆1000億ドル(約403兆円)に達する可能性があるとの見通しを
示した。 

IMFはこの日公表した世界金融システムに関する年次報告で、こ
のうち銀行の評価損が約61%を占め、残りは保険会社や年金基金、
ノンバンクの損失になるだろうと説明した。米金融機関の損失額見
通しは2兆7000億ドルと、1月時点の予想2兆2000億ドルを上回っ
た。昨年10月には1兆4000億ドルと見込んでいた。 

IMFはまた、財政出動など政府の対策が講じられない場合、銀行
は恐らく向こう数カ月間、融資を減らすだろうと予測。また、たと
え政府が力強い対策を取ったとしても、「借り入れに依存した投資
ポジションの世界的な解消(デレバレッジング)過程は時間がかか
り、痛みを伴うだろう」と指摘した。 
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FRB議長ら「かなりの安心感」、公的資金枠の追加は想定せず
 【ワシントン=米山雄介】米連邦準備理事会(FRB)のバーナ
ンキ議長は7日、大手金融機関の健全性を審査する資産査定(ストレ
ステスト)の結果について、ガイトナー米財務長官らと共同記者会
見に臨んだ。議長は「査定結果は投資家や国民にかなりの安心感を
もたらすはずだ」と指摘。財務長官は議会への公的資金枠の追加要
請について「現時点では必要とは考えていない」と述べた。

 FRB議長が記者会見するのは異例。会見は米財務省内で、写真
などの撮影を禁止した形で行われた。

 議長は「ほぼすべての金融機関は損失の増加を吸収するのに十分
な中核資本を備えている」と述べ、信用不安の鎮静に努めた。ただ
普通株を重視すると「約半数の金融機関が資本構造の改善が必要」
と指摘。質疑でも「資本の質の改善が必要だ」と繰り返した。
(13:26) 



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