3282.新しい世界的な思想は



    新しい世界的な思想は、どのような思想を核とするか 
                                        DOMOTO 
   
 
『3280.日本思想の根源(中国思想)』(5月4日)を拝読しました。
ttp://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/210504.htm

「世界の文明的な衰退」状況にある現代においてFさんは、

「欧米思想の限界が明らかになり、新しい世界的な思想を必要とし
ている。この指導的な立場に日本はなると見ている。」
と述べられています。

その日本思想の根源である中国思想の特徴項目として5番目に、
老荘思想を取り上げられました。

中国、否な、世界の「社会哲学」において21世紀を指導する指導理
念は、儒学・儒教思想には全くなく、地球環境問題、否、軍事・安
全保障の問題においても、老荘思想=タオイズム以外に全体的・根
元的解決策の可能性はないというのが、この10年来の漠然とした持
論です。
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(Fのコメント)
 現時点の行き過ぎた金欲資本主義を止めるためには、老荘思想が
必要なのでしょうね。道家思想は戦乱の世に生きる民衆に語りかけ
、文明の進歩の「罪」・「負」の要素に注目している。文明の進歩
に対して恩恵を感じるのはいうまでもないが、その進歩した文明に
よって翻弄される人がいることも事実である。このため、世界的な
バブル崩壊が起きて、老荘思想が注目を浴びることは当然です。

しかし、老荘思想は否定形であり、どう行動するべきかの指標がな
いため、倫理体系としてみることができない。この面では孔孟思想
しかない。裏と表の関係に道家と儒教はあるとも言えるように感じ
る。

数年前にその当時、HPの社長であったフィオリーナさんが、エン
ロンのような嘘をついてでも金儲けをする企業を防止するために、
米SOX法という法律では企業経営に大きな負担になるとして日本
を訪れた。

韓非子のような法家思想では社会コストが大変であるとして、その
解決には倫理体系の復興が必要であり、世界でも宗教を離れて倫理
観を体系化しているのは、儒教思想しかないと言っていた。

キリスト教にも倫理観はあるが、宗教の一部であり、宗教を離れた
倫理体系がないという。儒学は宗教ではないので、普遍性がある。

有料版でも述べたが、朱子学、陽明学は老荘思想も取り入れた体系
になっている。この儒学を聞こうとすると中国ではなくて、日本に
しか儒学者が居ないという。

それは文化大革命で、儒学者を根絶やしにした秦の始皇帝と同じよ
うに焚書坑儒したことで、文化大革命以後、儒学の本が一般人には
中国では手に入らなくなり、孔子の子孫も日本に逃げてきたことで
も分かる。

現在の中国で儒学を否定したことで社会が荒れてきたことで、やっ
と儒学の見直しを政府は行い始めたが、40年間も儒学者を社会か
ら締め出したので、優秀な儒学者が居ない状態になっている。
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安岡 正篤(1898年2月13日-1983年12月13日)は、陽明学者・東洋思
想家。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

現在の大阪市中央区生まれ。1922年(大正11年)に東京帝国大学の
卒業記念として執筆され出版された『王陽明研究』が反響を呼ぶ。
文部省に入省するも半年で辞し、「東洋思想研究所」を設立する。
拓殖大学東洋思想講座講師をする傍ら「金鶏学院」・「日本農士学
校」などを創設、東洋思想家・東洋古典研究家として軍部や革新官
僚、華族などに影響を与え、その名を馳せた。北一輝・大川周明の
猶存社のメンバーでもあった。年上である八代六郎(元海軍大将)
、山本五十六、更には蒋介石などとも親交があり、二・二六事件の
首謀者西田税らに影響を与えた一人とも言われる。また戦時中には
大東亜省顧問として外交政策などに関わった。

敗戦後、安岡が創設した各団体や学校は連合国軍最高司令官総司令
部により解散を命じられ財産は没収、安岡自身も大東亜省奉職を理
由に公職追放される。その後は「師友会」(後の全国師友協会)を
結成、機関紙『師と友』の発行や全国各地を巡っての講演、更には
ラジオによる講話などを通じた東洋古典思想の普及活動に転じた。
一方で政財界とのパイプは保ち続け、自民党政治の中で東洋宰相学
、帝王学に立脚し元に常に政治家たちの「精神的指導者」「陰の御
意見番」、「首相指南役」の位置にあったとされる。GHQによる「3
S政策」の存在の可能性を著書『運命を創る―人生訓―』(プレジデ
ント社・1985年)中で唱えた。 安岡自身は政治の表舞台に出ること
を好まず、その生涯の多くは東洋古典の研究と人材育成に捧げられ
た。

「全国師友協会」は遺言もあって解散したが、各地域の支部がそれ
ぞれ独立した団体として活動を続け、その思想を継承している。



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