3278.不安な日本を変えることができるか?



新興国の台頭で、経済などで不安な状態に日本はなっている。
この解決は?             Fより

日経の調査によると、日本の将来に不安がある人は80%にも達す
る。この不安感を無くさないと、日本経済は今後、うまくいかない
と見る。この感覚は日経系のWBSで与謝野金融・経済相も同じ意
見を表明していたので心強いことであるが、既得権益を確保し続け
ようとする勢力が強いので、うまくいくのか心配である。

中国の追い上げとインドのIT産業など、日本は徐々に経済大国か
ら欧州と同じような中規模経済国家になるしかない。そのとき、日
本はどうすれば有利な経済的な位置にいて、国民の富を維持できる
かが次の日本の道である。この道を目指して構造改革を行うことが
必要になっている。

しかし、国民の貯蓄は増えている。株や国債、海外投資は今回の世
界的なバブル崩壊で懲りているので、全て貯金になると見る。特に
団塊の世代の人たちは懲りたようだ。しかし、この世代の人たちは
将来に不安感がある。子供が親の面倒を見ない可能性が高く、寝た
きりになると、多額の資金が必要であると思っている。

また、子供たちも非正規社員が多くなり、自分の将来も大丈夫か分
からないと、雇用の不安を言うし、それに備えて家にもあまり入れ
ずに貯金をしている。

私Fも団塊の世代であるが、買うものがないために講演などの収入
は貯蓄している。将来の不安のためであるが、一番の理由は買うも
のがないことである。豪華なレストランの食事より家で味噌汁とご
飯、おしんこ、納豆&卵が好きである。肉は嫌いで魚の方がいい。
というように質素な和食の方がすきであり、体にもいい。

しかし、現時点の日本経済を考えると、貯蓄より消費が必要である
し、今はない画期的な商品を作る必要がある。しかし、日本の大手
企業はアイデアが枯渇している。1980年代以降、中小企業のア
イデアを利用してきたが、とうとう、そのアイデアを生み出してい
た中小企業の親父たちが死んで、中小企業にもアイデアがなくなっ
ている。

今は、大手企業の研究所で長年研究していたが、企業が取り上げな
かった技術を持って、独立した人たちが面白いアイデアを持ってい
る。この人たちに光を当てることでしょうね。水の技術であるなら
東レを退職した水博士がいるし、エナックスのようにソニーを退職
してリチウムイオン電池を作る社長がいる。

このように大手企業で亜流といわれた技術に注目する必要がある。
大手企業の研究所には埋もれた技術研究があるのに、日の目を見な
いようである。技術を商品化するコストが膨大であり、回避してい
る節も見える。

このため、優秀な技術が台湾や中国に流出している。彼らは公害対
策や人件費コストが小さいので、どんどん日本の研究者の技術で製
品化してくる。中国では政府がその研究に補助金をどんどん出して
いる。

このためBYDや上海での架線なしトロリーバスのように特許も中
国に取られているようなケースも出てきた。日本の産業技術は危機
的な状況になっている。それは技術者・研究者を大切にしない傾向
が大企業に顕著になってきているためと見ている。

大企業が、1980年以降、中小企業のアイデアで安直に儲ける構
造になってきたからであろう。何べんも大企業にアイデアを取られ
たある中小企業の親父が、嘆いていた。

論語での経営と言っていた渋沢栄一の教えが廃れて、安直で倫理を
なくした経営をする企業が多数になっている。日本が戦後教育で
倫理観教育としての論語を捨てた結果であると見ている。

日本人の劣化は物欲主義で倫理観のない人間が企業の中核部になっ
てからおかしくなっている。それが1980年代であったが、この
ような倫理観のない人が経営トップにまでなっている現状を非常に
憂える。

早く、江戸時代の日本へ復古(ルネサンス)が必要である。日本の
江戸時代の知恵を現代によみがえらせて、日本の次の時代を作る礎
としてほしいと感じる。日本の思想は中国から入ってきている。
その思想史を見て、日本思想の今後を考えていきたい。


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