3257.幸いなるかな ー 発想の転換 −



現代という芸術
幸いなるかな ー 発想の転換 −

 地球環境問題を、もっとわかりやすい現象でいうと、20世紀に人
類の人口が60億人を超えてしまったことによる自然破壊や環境汚染
ということになる。20世紀初頭には15億人であったから、わずか百
年で4倍、50億人近い人口増加である。

 この異常繁殖こそが地球環境問題の正体であるのに、それについ
て論じていない地球環境の議論はイカサマである。温暖化や砂漠化
、海洋汚染を含むあらゆる環境問題は、人類の異常増殖がなければ
、起きていなかっただろう。

 だのに、一部の人たちは、地球環境問題は起きていないとか、人
口は90億人まで大丈夫だとか、こんなに増えても我々は豊かな生活
を送っていられるじゃないかとか、うそぶいている。おめでたいと
いうか、自分勝手な罪深い人たちである。

 そろそろ発想を転換する時期なのかもしれない。人類の文明は
すでに崩壊しているのだ。たまたま私たちの日々の生活は今までど
おりで動いているが、太平洋の島しょ国家や干ばつに襲われた国々
など脆いところに、末期的症状はすでに現われている。


 何も知らずに明日を夢見て生きている人は幸いである。あなたは
悩み苦しむことなくして、突然危機に見舞われるのだから。

 地球環境を守ろうなどと運動し声をあげている人は幸いである。
あなたはまだ本当の姿に気づき、徹底的な絶望と無力感に打ちひし
がれてはいないのだから。

 この危機が、人類というデジタル言語を獲得したサルたちの原罪
として、人類が自分は神と同じくらい偉いのだと勘違いしたことに
よって起きたことに気づいた人はもっとも幸いである。
なぜならあなたは、今起きていることは原罪の結果であり、自分自
身には罪がないことを知っていて、なおかつできることは何もない
という究極の諦めを知っているからだ。あなたはこの逃れようのな
い悲劇の中で、それでも美しく幸せに生きることを目指していける
からである。

(2009.4.8, 得丸公明)




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