3231.政治献金について



      政治献金について
                      化石老人

最近の政治献金問題で思うことは、何故政治献金という曖昧な言葉
で、特定の政治集団への金銭提供を認めるのかということで、これ
はある意味で、金銭取引であつて大きな意味では贈収賄なのではな
いかと思います。

そもそも純粋に人間的見地から弱いものに対して行う援助の他は、
総て何らかの見返りを期待しての金銭支出にほかなりません。

政治献金は総て何らかの経済的見返りを求めてののものであり、
法律で定めた形式の範囲が合法で、これを少しでも逸脱したものは
刑法に触れるものとするのは法治国家としては当然な事ながら、
その基本的意味合いからすると何か納得出来ない部分があります。

民主主義の立場からすれば、金銭優位に立っている法人乃至個人か
ら、自らの立場を代弁する政党に寄付という形での金銭提供をおこ
なって、自らの立場をサポートさせるということは結果として優位
に立つものを益々優位にさせ、所謂負け組は益々不利になって、
今世界的現象となった格差社会を益々ひどくしていくものと思いま
す。

自らの支援したい政治信条を持つものを応援するという綺麗ごとの
うらにはいつも強かなエゴイスティツクな打算がうらうちされてい
ます。

今のように政治献金問題でマスコミの無駄なエネルギーが消費され
るのなら、いっそう政治献金は全廃したら良いのではないかと思い
ます。

それでは政治がB級市民と言われる判断力の十分でない大衆によっ
て動く不安定なものになってしまうという議論もあるかとおもいま
すが、それが民主主義といわれるものの正体であり、それに疑義を
唱える場合には民主主義とはなにかという議論にまで立ち返らなけ
ればいけないのではないかと思います。

政治とは金のかかるものであり、オバマはヒラリーにその集金力で
打ち勝ったのであって、あの抽象的な演説だけではないことを皆分
かっている筈です。

日本でも政治が金で動いていることは誰しも承知していながら、
それが形式の範囲で行われたかどうかというような不毛の議論にエ
ネルギーが費やされるようなことは止めなければなりません。

そのためには政治献金を全廃することがもつとも簡明であり、公平
であるのではないでしょうか。



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