3232.米中協調体制で世界は変わるか



米国は中国と協調して、G20で欧州や日本に要求するという。
                    Fより

米国の住宅ローンの焦げ付き問題が一段と深刻になってきた。延滞
や差し押さえは年明け以降も高水準で推移している。当分の間、米
国の金融機関の損失は続くことで、米国の金融機関の建て直しは、
当分続くことになるが、シティもBOAも1ー3月は黒字であると
楽観的な見通しをしたことで、NY株価は7000ドルに上昇して
いる。しかし、まだ安定していない。

その証拠がロンドンでのドルの銀行間金利が上昇して、去年の10
月程度の利率になっている。まだ、銀行間での信用が回復してない
ことを表している。まだ、銀行で潰れるところがあると見ているこ
との現れである。

この状況で、米国は中国と協力して経済の建て直しを行うという。
クリントン国務長官は中国に期待しているようだ。これを受けて、
中国の温家宝首相は13日の記者会見で、外貨準備の運用について「
国家の利益を守ることが第一だが、同時に国際金融の全体的な安定
も考慮する」と述べ、米国債の購入を当面は続ける考えも示唆した。

中国は消費増加で内陸部の景気が底堅く 輸出中心の沿海部と対照
的な経済状況になっている。この上に中国は57兆円の公共事業が
有効に効いていることで、内陸部の建設工事が増えていて、日本の
建設機械の輸出も増えている。というように中国が世界経済のエン
ジンになると米国も期待しているようである。日本の景気が少し良
くなったのも中国の輸出が増えたころである。

米中は、G20で財政出動をGDPの2%にするよう欧州や日本に
要請するが、欧州は追加財政出動見送る方向で米中とは対立するこ
とが確実である。日本は追加経済対策を打つことで、米中に追従す
ることになる。

しかし、中国軍はこの米中協調を歓迎しないと、米軍調査船に邪魔
を仕掛けて、政治主導での米国への追従を阻止したいようである。
これに対して米軍も護衛のためにイージス艦を付けるようだ。
それでも、中国軍と中国共産党の亀裂が心配であるが、米国は中国
経済に期待している。米国の経済復興にそれだけ中国が必要である
ことの裏返しでもある。

欧州は中東欧への投資が問題であり、かつ証券化商品の損失は米国
の責任であると見ているために、米国の金融緩和が原因であり、そ
のうちでもヘッジファンドなどを規制しなかったことがこのような
問題を起こしたとして、規制強化を志向している。もう1つが、東
欧への投資であり、EU内での対立が激しくなっている。ドイツは
昔からの経緯があり、中東欧諸国への支援に前向きであるがフラン
スは後ろ向きである。EUの分裂も起こる可能性を秘めているよう
に感じる。

世界は公定歩合の引き下げを行い、多くの国がゼロ金利近傍になっ
ている。次に行うことは量的緩和であり、自国国債の買取であるが
、スイスはとうとう禁じ手であると思われる自国通貨の売り介入を
して、自国通貨の切り下げを行い始めた。通貨切り下げ競争に先進
諸国も手を染めることになる。

英国は自国国債の買取を開始して、長期金利の上昇を食い止めてい
る。英国の次は米国であろうと見るが、自国通貨売り介入ではスイ
スの次は日本であろうと世界の経済学者は見ている。しかし、日本
の経済実力はあまり高くないので、1ドル=100円近傍になるは
ずであり、介入は必要ない。

さあ、どうなりますか??
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世界の主要銀、新興・途上国向け融資引き揚げ 残高6年ぶり減
 【ロンドン=石井一乗】世界の主要銀行が新興国や途上国向けの
融資を引き揚げている。国際決済銀行(BIS)によると、新興国
・途上国に対する外国銀行の融資残高は、金融危機が広がった2008
年7―9月期に四半期ベースで6年ぶりに減少に転じた。業績が悪化し
た欧米などの銀行が中・東欧や中南米で事業を縮小する動きも出て
おり、資金引き揚げが新興国通貨の一段安を招く恐れもある。

 BISの集計では、新興国・途上国向けの対外融資残高は昨年9月
末で約4兆5900億ドル(約450兆円)。ピークだった同6月末から
約2900億ドル(約28兆円、6%)減り、四半期ベースで02年9月末以
来の落ち込みとなった。(08:48) 
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米住宅ローン、焦げ付き拡大 延滞・差し押さえ率過去最高
 【ニューヨーク=山下茂行】米金融危機の発生源の住宅ローンの
焦げ付き問題が一段と深刻になってきた。実体経済の悪化で2008年
10―12月期の延滞、差し押さえ率は過去最高を更新。米政府は公的
資金750億ドル(約7兆3500億円)を投じる差し押さえ防止策をまと
めたが、延滞や差し押さえは年明け以降も高水準で推移しているも
ようだ。変動金利型ローンの約3割はこれから金利改定に伴い返済負
担が増加する時期を迎えるだけに、追加対策を迫られる可能性もあ
る。

 米抵当銀行協会(MBA)によれば、10―12月期の住宅ローンの
延滞率(季節調整値)は7.88%、担保不動産の差し押さえ率は3.30
%。返済負担が重い変動金利型の信用力の低い個人向け住宅融資
(サブプライムローン)は、延滞率が24.22%、差し押さえ率が22.18
%に上り、半分近くの返済が行き詰まった計算だ。(09:39) 
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英で長期金利が急低下 中銀、国債買い入れ開始
 【ロンドン=石井一乗】英債券市場で長期金利が急低下している
。5日にイングランド銀行(英中央銀行)が量的緩和策の導入を正式
に決定した後、指標となる10年物英国債の利回りはそれまでの3.6%
前後から3.1%前後に急低下し、過去最低水準付近で推移している。

 英中銀が11日、量的緩和の第1弾として20億ポンド(約2700億円)
の英国債買い入れを始めたのに伴い、市場では長期的な金利低下観
測が台頭している。(07:00) 
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日欧への財政出動要請 米中が協調か 
 【ワシントン=大隅隆】米国と中国が協調し、欧州や日本に財政
出動を迫る可能性が出てきた。ガイトナー米財務長官は11日、20カ
国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に向けた米提案のなか
で、国際通貨基金(IMF)への新興国の出資比率引き上げに同意
する考えを表明。クリントン国務長官は同日、G20会議に関して中
国の大型景気対策を「非常に積極的な一歩」と称賛した。

 ガイトナー長官によると米国はIMFの出資比率に関する次回の
見直し作業を前倒しし「2011年1月までに結論を得ることを支持する
」方針だ。その背景には今後のIMFの支援の拡充をにらみ、新興
国に資金拠出を求めやすくなるとの期待もありそうだ。 (20:01) 
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米国債の購入継続を示唆 中国首相が会見 
 【北京=高橋哲史】中国の温家宝首相は13日の記者会見で、外貨
準備の運用について「国家の利益を守ることが第一だが、同時に国
際金融の全体的な安定も考慮する」と述べ、米国債の購入を当面は
続ける考えも示唆した。一方で「米国が信用を保ち、約束を誠実に
守り、中国の(在米)資産の安全を保証するよう求める」とも言明
、米国に景気対策の着実な実行を要請した。 

 温首相は「中国は米国にとって最大の債権国であり、米国は世界
で最大の経済大国だ」としたうえで「我々はオバマ新政権が取った
一連の金融危機対応に大きな関心をはらっており、その効果に期待
している」と強調。景気対策が効果を挙げ、米経済が回復に向かう
ことが米国債購入を続ける前提になるとの考えを示した。 

 中国の2008年末の外貨準備高は1兆9500億ドル(約187兆2000億円
)で世界一。3分の2をドル資産で運用しているとみられ、米国債の
保有残高は昨年9月に日本を抜いて世界最大になった。 (14:32)
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中国、内陸部の景気底堅く 消費増加、沿海部と対照的
 中国景気が地方間で異なった様相を示している。輸出依存度が高
い沿海部は、外需低迷を受けて景気減速傾向が続く一方、内陸部は
都市化を背景に個人消費が堅調だ。ただ沿海部での相次ぐ工場閉鎖
を受け、出稼ぎ労働者(農民工)の失業問題も浮上。政権が掲げる
8%成長への道筋は確固としたものになっていない。

 北京で開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は分科
会で全31省市ごとに経済政策を議論した。(北京=吉田渉)(07:00) 
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ユーロ圏16カ国、追加財政出動見送り 米と歩調合わさず
 【ブリュッセル=瀬能繁】ドイツ、フランスなどユーロ圏16カ国
は9日夜の財務相会合で、当面は財政出動を伴う追加景気対策を打
ち出さない方針で一致した。世界的な経済・金融危機の脱却に向け
、米国は需要不足を補う財政刺激策での協調を求めているが、欧州
側はこうした立場とは距離を置いた格好だ。

 日米欧の主要国に新興国を加えた20カ国・地域(G20)は13、14
の両日にロンドン近郊で財務相・中央銀行総裁会議を開く。4月2日
のG20金融サミット(首脳会合)の地ならしとの位置づけだが、欧
米の温度差が改めて鮮明となり、G20での政策協調は難航すること
も予想される。

 ユーロ圏財務相会合のユンケル議長(ルクセンブルク首相)は記
者会見で「欧州が追加的な財政努力をすべきだという最近の米国の
主張は我々のやり方とは異なる」と強調した。会合で既に決定した
景気対策を迅速に実施するのが重要との判断で一致。「いかなる追
加的な手段も計画していない」(シュタインブリュック独財務相)
との声が大勢を占めた。(14:15) 
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G20財務相会議が開幕 景気対策、金融規制改革を討議 
 【ホーシャム(英国南部)=米山雄介】日米欧と新興国で構成す
る20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が13日夜(日本
時間14日未明)、開幕した。夕食会で世界経済の危機克服に向けた
マクロ政策対応について議論するのに続き、14日は金融規制改革や
国際通貨基金(IMF)など国際機関改革などを討議。同日午後に
共同声明を採択して閉幕する予定。 

 景気回復に向けた財政出動での協調や、ヘッジファンドの監視な
ど金融規制強化の具体策で各国がどこまで歩み寄れるかが焦点とな
る。 (05:09)
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スイスがタブー破る自国通貨売り介入、次は日本との見方も

 [ロンドン 12日 ロイター] スイス国立銀行(SNB)は
12日の金融政策決定会合で利下げするとともに、会合後の声明で
外国通貨買い・スイスフラン売りの為替介入を行う方針を発表。

 景気対策として自国通貨を押し下げるという、先進国の間ではタ
ブーとされる措置に踏み込んだことで、今後、他国が追随する可能
性があるとみられている。

 世界各国の政府が保護主義という誘惑に抵抗しようとしているな
かで、スイス国立銀行は、先進国の中央銀行としてはじめて、デフ
レ防止策の一環として、自国通貨を売る為替介入を実施する方針を
決定した。

 スイス中銀は、金利がゼロに近づく中、さまざまな政策の一部と
して介入を発表したが、この問題をかかえているのはスイスだけで
はない。

 政策金利は世界中でゼロに接近しており、日本などの諸国は、政
策手段がなくなった際にどうやって経済を支えていくのか、その方
策を探っている。そうした国が今後、スイス中銀の事例にならう可
能性がある。

 INGフィナンシャル・マーケッツの外為戦略責任者、クリス・
ターナー氏は「SNBは為替戦争で第1弾を放った。ゼロ金利に直
面する諸国の間で、金融状況の緩和のために自国通貨を押し下げる
介入を実施しても構わない、というムードになるのではないか」と
の見方を示した。 
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Three-Month Libor for Dollars Increases for 11th Day (Update2) 
By Matthew Brown and Liz Capo McCormick

March 10 (Bloomberg) -- The cost of borrowing in dollars for 
three months in London rose for an 11th day as banks sought 
cash to cover their commitments through the end of the first 
quarter. 

The London interbank offered rate, or Libor, that banks say 
they charge each other for such loans climbed two basis points 
to 1.33 percent, the highest level since Jan. 8, the British 
Bankers’ Association said. The Libor-OIS spread, a gauge of 
bank reluctance to lend, increased to the most since Jan. 9. 




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