マイナス金利検討を デフレ対策で日経センター提言 From:tokunaga 日本経済研究センター(深尾光洋理事長)は2日、日本経済のデフレが深刻化する のを避けるため、「マイナス金利政策」の導入を検討すべきだとする金融研究報告を まとめた。世界的な景気失速のなかで、中国経済についても「2008年10―12月期には (前期比で)ほぼゼロ成長に転落した」と推計。外需に頼れない状況下で日本国内の 需給ギャップが拡大し、デフレは「1990年代より深刻化する」と警鐘を鳴らした。 提言は財政・金融政策両面で政策発動の余地が乏しいと指摘。実質的なマイナス金 利政策の導入方法として現金、預金、国債など安全な金融資産に対し「課税する」と いう緊急手段を提案した。株式、社債、耐久消費財、不動産などに資金をシフトさせ る。日銀の当座預金にも課税するので、銀行は資金を貸し出しに回さざるをえなくな る。「政治的に大きな困難を伴う」と認めながらも、景気刺激と税収増を両立できる と分析している。(02日 23:01) ====================================== From: Eiichi Morino グローバルな好況を囃した向きも、それがぐるりと暗転、昨今の 世界同時不況はひどい状況。欧州の厳しさはつとに指摘されるが、 http://dechiffrages.blog.lemonde.fr/files/2009/03/chute-pib-depuis-son-niveau-le-plus-haut.1235928465.PNG 昨年10〜12月期の日本のGDPの落ち込みはダントツ。 輸出に頼って、しのいできた日本経済も、世界のどこを探しても日本 製品を購入してくれるところはない。世界の他地域にして同様。先日 はいよいよ、火星人にでも日本のクルマ、輸入してもらわなやなりま せんかと(^_^) 外に頼れねば内に頼るのほかなく、どこの国も経済刺激策。中国の 対策に期待をよせるアナリストもいるが、これとてこれまでの対策を 束ねて数字を吹聴しているだけとの指摘さえある。効果のほどを疑う 分析のほうが信用できる。 そんななかで、国内では、一方で政府紙幣論、他方でマイナス金利。 ながらく続くマネタリストとケインジアンの、Mかiかの論議の来し方 は新しい次元に突入するかというところですね。どこの国も政策 金利はゼロ近傍。流動性の罠を回避するにはもはやiをマイナスのレン ジにおくしかない。いまや誰もがゲゼリアンになりかかっているか(^_^) 他方、景気刺激策の財政に与える負荷を考えれば、シニョレッジによだ れが垂れる。 課税貨幣は中銀マネーであろうが政府紙幣であろうが採用しうる。 だが常に問題はなんのために。 技術上の困難はさしてない。しかし政治を見渡せばたいそうな困難。 実施するとなれば、相当な戦略的思考が必要となるだろう。そのとき に大事なのがどんな哲学に立っているか。ケインズの一般理論 に立ち返っておいたほうがよさそうだ。 たとえば、資産の行き場を絞って貨幣や預金などから株や債券に シフトさせたいだけなら、ケインズがいうように株式市場という ばくち場の入場料はあらかじめ高くしておく必要がある(証券税制を 変えろ)。でないと投機に火が付きますよ。 金利生活者の安楽死論を背景においておかないと、小手先の効用を いうだけでは、マイナス金利論は政治的困難を乗り切るために必要な 世間の同意を得るための議論を展開してはいけないだろうと感じている。