3225.中東情勢に注目



米国オバマ政権は、イランに焦点を当てた戦略を立てている。その
検討。       Fより

新聞を読む方法として、記事を時系列の推移で見ると見えてくるこ
とがある。この方法で情勢分析をしている。中東情勢が書かれてい
ないことと、友人から経済分析に偏っているのでもう少し中東情勢
分析をしてほしいということで行う。

金融・経済危機の当面は、グリーン・ニューディールという経済刺
激策で米国オバマ政権はこの局面を克服しようとしているが、それ
が失敗するとどうなるのかというと、ニューディール政策が失敗し
たら、第2次世界大戦に持ち込み、それで経済を活性化したルーズ
ベルトを意識している。

この事実をオバマ政権の政府幹部は知っている。このため、当面の
政策を今は行うが、それに失敗したら戦争になると世界の人たちは
予測して準備しておくことが必要であろう。

軍事費をオバマ政権は削減するとしているが、現時点4%増になっ
ている。それはイラクとアフガンの両面作戦をする必要があるため
としている。が、オバマ政権を仕切っているのはエマニュエル氏で
あることを忘れてはいけない。エマニュエル氏はイスラエルのリク
ード派であるユダヤ人で、そのため、イスラエルもリクードのネタ
ニヤフ党首が次期政権の首相候補になっているのだ。米国とイスラ
エルの政治は繋がっている。

右派リクードの主張が前面に出てくることになり、米国もそのイス
ラエル・リクードの主張をある程度サポートする動きになるとする
と、中東情勢はイラン包囲網とならざるを得ない。

事実、米国はシリアとイランの分断を策して、米政府高官がシリア
を訪問し政府間の予備協議に入ることになった。シリアはスンニ派
が多く、シーア派のイランとは違う。もし、シリアがイランから離
れると、米国とイスラエルはシリア経由で兵器を供給されたビズボ
ラを無力化させることができ、イスラエル軍と米軍が共同して、中
東紛争に備えることができる。

また、イラクから米軍が完全撤退すると、シーア派が多数派である
イラクはイランと同盟を組む可能性があるために、5万の米軍兵力
を駐留させるとした。イラクのスンニ派ハシミ副大統領は、撤退さ
せるとイランからの攻撃が心配であり、この5万の駐留でほっとし
たようである。そして、スンニ派の湾岸諸国はイランに警戒してい
るので、米仏両国は軍備納入で攻勢を掛けている。シーア派対スン
ニ派の対決に持ち込みたいのが米国やイスラエルなのである。

一方、米国はロシアに接近して、ロシア、ウズベクとトルクメン経
由でアフガンに物資を補給できるようになった。これで、ロシアと
の友好関係を持ち、ロシアをイランから外そうとしている。この条
件としては、ウクライナとグルシアをロシア圏と認定することも視
野に協議をすることになる。

ロシアはウクライナのティモチェンコ首相を味方につけて、ロシア
寄りの政権を作ることを目指している。これは欧米の了解で実現す
ることになる。欧米派のユーシェンコ現大統領に政治資金を欧米は
提供しないと見る。

ロシアは、この地域を親ロ7カ国による集団安全保障条約機構(CS
TO)を作り、欧米に対抗するが、現時点では欧米と協調する方向
であろう。現時点は経済的な問題から欧米に対抗しないほうがいい
とプーチンも見ているはず。プーチンは国家社会主義をこの経済危
機で確立することを目指している。

ヒラリー・クリントン国務長官はアフガニスタン問題に関する閣僚
級会合にイランを招待する意向を表明した。そして「イランは肯定
的な役割、否定的な役割のいずれを演じるのか決断せねばならない
」と述べ、アフガン戦争への協力を呼び掛けた。これ自体がイラン
の怒りを起こさせることであるが、米国は徐々にイランへの包囲網
を絞り込んでいる。

イランは米国とも直接交渉を行うが、米国のイラン孤立作戦をイラ
ンの最高指導者ハメネイ師は不快感で見ていることが分かる。

さあ、どうなりますか?

==============================
イスラエル 右派政権発足の公算 ネタニヤフ氏 中道との連立断念
3月2日8時4分配信 産経新聞
 【カイロ=村上大介】イスラエルの次期政権の首相候補として連
立交渉を行っている右派リクードのネタニヤフ党首(元首相)は2
月28日、中道カディマとの連立を断念した。同党首の報道官がロ
イター通信に明らかにした。

 ネタニヤフ氏は、米国が進めようとしているパレスチナ国家樹立
による2国家共存案の受け入れを求めるカディマのリブニ党首(外
相)と2回にわたり会談したが、双方の溝は埋まらなかった。ネタ
ニヤフ氏は、占領地ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区の経済状況
改善に分野を限定し、和平の枠組みについては踏み込まないとの姿
勢を示している。

 これにより、イスラエルの次期政権は、リクードと極右、宗教政
党だけによる右派連立政権となる公算が大きくなってきた。ただ、
イランの核問題への対応も重要な課題ととらえるネタニヤフ氏は依
然、政権安定のためにカディマの連立入りが望ましいと考えている
とされ、同報道官は、カディマ側の姿勢の変化によっては再交渉の
可能性も否定しないとしている。
==============================
リセットボタンで関係修復? 米ロ外相会談
 リセットボタンを押して関係修復――。ブッシュ前政権下に悪化
した米ロ関係を“リセット”する意味を込め、6日の外相会談の冒
頭、クリントン米国務長官はラブロフ・ロシア外相に赤いボタンの
付いた装置を贈呈した。

 クリントン国務長官流のジョークで、装置には英語とロシア語で
「リセット」と記した。

 ところがこのロシア語のつづりが間違い。ラブロフ外相によると
、これでは「積み過ぎ」の意味になってしまうという。会談後の共
同会見では記者が「米ロ関係は問題山積という意味か」と突っ込み
を入れ、クリントン国務長官が苦笑いする一幕もあった。
(ジュネーブ=藤田剛)(15:10) 
==============================
ロシア、旧ソ連圏囲い込み 安全保障体制を再構築
 【モスクワ=古川英治】ロシアが旧ソ連圏で安全保障体制の再構
築に動き出した。中央アジア・キルギスには同国にある米軍基地の
閉鎖に踏み切らせ、ベラルーシとは対空防衛協定を締結した。4日に
は親ロ7カ国による集団安全保障条約機構(CSTO)合同部隊の創
設を決めた。地域での主導権を固め、アフガニスタンを巡る軍事作
戦への協力を対米交渉カードにする思惑がある。

 キルギスのバキエフ大統領は3日、ロシアのメドベージェフ大統領
と会談後、キルギスの米空軍基地を閉鎖すると表明した。ロシアが
20億ドル規模の融資や支援の見返りに米軍に撤退を要求するよう働
きかけた。キルギス国会は6日にも基地供与に関する米国との協定破
棄を採択する。(07:00) 
==============================
米軍補給物資、アフガン向け通過許可 ウズベクとトルクメン 
 【モスクワ=古川英治】中央アジアのウズベキスタンとトルクメ
ニスタンの首脳が25日、米国が増派を計画するアフガニスタンへの
非軍事物資の輸送の通過を認めると表明した。中央アジアではキル
ギスが同国内にある米空軍基地の閉鎖を決めたばかり。背景にはロ
シアの圧力があったとされ、アフガン協力を巡る米ロと地域各国の
駆け引きが活発になっている。

 ウズベクのカリモフ大統領とトルクメンのベルドイムハメドフ大
統領がウズベクの首都タシケントで会談後、それぞれ表明した。両
国は親ロシア色が強いキルギスなどと異なり独自の外交路線を模索
しており、米国はキルギスの軍事基地の代替地として両国に接近し
ているとの見方もある。ウズベクは人権問題を巡り米国と対立し、
2005年に米軍基地を閉鎖した経緯がある。

 アフガンへの物資補給の大半が経由するパキスタンで反政府勢力
タリバンの攻撃が相次いでいるため、米国を中心とする北大西洋条
約機構(NATO)にとって輸送ルートの多様化が課題となってい
る。 (01:25) 
==============================
米高官、7日にシリアを訪問 関係改善焦点
 【ワシントン=弟子丸幸子】米国務省高官は6日、フェルトマン
米国務次官補代行(中近東担当)と、米国家安全保障会議(NSC
)のダニエル・シャピロ氏が7日からシリアの首都ダマスカスを訪問
すると語った。シリア政府高官らと会談する。ブッシュ前政権が敵
視してきたアサド政権との関係改善につながるかが焦点となる。
(16:00) 
==============================
米、シリアに高官派遣へ イランと「分断」狙う
 オバマ米政権の高官が週内にもシリアを訪問し政府間の予備協議
に入る。米政府高官のシリア訪問は人道問題を除けば2005年1月以来
、4年ぶり。シリアと敵対してきたブッシュ前政権からの転換点とな
る。オバマ政権がシリアに接近する背景には、イランと切り離し中
東和平を推進する狙いがある。

 シリアに向かう米政府代表団はホワイトハウスの米国家安全保障
会議(NSC)と国務省で構成。NSCからはイスラエル政策に詳
しく、大統領選でオバマ陣営の中東外交顧問を務めたダニエル・シ
ャピロ氏が、国務省からは元駐レバノン米大使のフェルトマン米国
務次官補代行(中東担当)が参加する。シリアの「テロ組織」支援
問題、核開発疑惑、中東和平などが議題となる見通し。(07:00) 
==============================
米国務長官、アフガン国際会議31日開催を提案
 【ブリュッセル=瀬能繁】クリントン米国務長官は5日の北大西洋
条約機構(NATO)外相理事会後に記者会見し、今月31日にアフ
ガニスタン問題に関する閣僚級会合を開くよう提案したことを明ら
かにした。同時に「隣国としてイランも招待されると期待している
」と述べた。

 会合は国連との共催となる見込み。具体的な開催場所などは決ま
っていないが、オランダでの開催が有力。アフガニスタン、パキス
タン、日本などの援助国、NATO加盟国、国際機関などが参加し
、カイ・エイデ国連事務総長特別代表(アフガン担当)が議長を務
める方向だ。

 米国の前ブッシュ政権はイランを「悪の枢軸」とみなし、対話を
拒んできたが、オバマ政権はこうした方針を転換。同会合にイラン
を招くことで対話を通じて同国との関係改善を進めるもよう。米国
務長官は「我々の仕事はイランに核兵器の取得をやめさせることだ
」と強調した。(11:01)
==============================
アフガン対策にイランは協力を 米国務省
 【ワシントン=弟子丸幸子】米国務省のデュグッド副報道官代行
は5日の記者会見で、ヒラリー・クリントン国務長官がアフガニスタ
ン問題に関する閣僚級会合にイランを招待する意向を表明したこと
に関して「イランは肯定的な役割、否定的な役割のいずれを演じる
のか決断せねばならない」と述べ、アフガン対策への協力を呼び掛
けた。

 アフガンの旧政権タリバンは資金源とする麻薬を隣国のイラン経
由で欧州に輸出しているとされる。イラン国内にも麻薬の弊害が及
んでおり、オバマ米政権は麻薬対策でイランと共通の利害関係があ
るとみてきた。オバマ政権はアフガン対策での外交接触を受け、イ
ランとの直接対話の可能性について判断する方針とみられる。
(12:12) 
==============================
パキスタン政府、武装組織と和平交渉 米は懸念示す
 【ニューデリー=長沢倫一郎】パキスタン政府が同国北西部のス
ワート地区でイスラム原理主義勢力タリバン系の武装組織との和平
交渉に乗り出した。武装組織が反政府の武力闘争を放棄すれば、武
装組織が求めていたイスラム法の適用を同地区で認める構えだ。政
府は「治安改善のため」と説明しているが、米国は「武装組織を利
するだけ」と懸念を示している。
==============================
イラン最高指導者、米新政権を批判 
 【ドバイ=太田順尚】イランの最高指導者ハメネイ師は4日、オバ
マ米政権がイスラエルを無条件に支援し続けているとして、「『変
革』を訴えたオバマ氏ですら(ブッシュ)前政権と同じ間違った道
を歩んでいる」と批判した。テヘランで開かれたパレスチナ問題に
関する国際会議で語ったもので、ロイター通信などによると「パレ
スチナを救う唯一の方法は抵抗の継続しかない」とも述べた。 
(22:01) 
==============================
スーダン大統領に逮捕状 ICC、虐殺や人道に対する罪で
2月12日16時20分配信 産経新聞
 【ニューヨーク=長戸雅子】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子
版)は11日、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)の判
事が虐殺や人道に対する罪でスーダンのバシル大統領に対する逮捕
状発行を決めたと報じた。報道が事実なら現職の国家元首に対する
逮捕状発行は2002年のICC発足以来初めて。

 スーダンで展開している国連の平和維持活動(PKO)に要員を
派遣しているアフリカ諸国などは「逮捕状発行による現地の反発が
部隊に向けられる恐れがある」と懸念。ICC設立条約にある「安
保理が決議で要請した後、1年間は訴追を開始できない」との規定
に基づき訴追凍結を求める決議案提示に向けた動きを加速させる可
能性がある。
==============================
イラク副大統領「米に引き続き重要な役割」 米軍大規模撤収で
 【ドバイ=太田順尚、ワシントン=弟子丸幸子】イラクのハシミ
副大統領は28日、米軍の大規模撤収について声明を出し「我々は米
国の表明を歓迎する」とする一方、「イラクは自前の治安能力を確
立している最中で米国には引き続き重要な役割がある」と指摘した。
イラク国内では撤収を歓迎する声が大勢を占めたものの、米軍撤収
後の治安維持を不安視する反応も出ている。

 マリキ首相は同日の声明で「イラク治安部隊は多くの試練を経て
能力を実証してきている」と米軍撤収後の治安維持に自信を示した。
ただ、実際にはイラク単独での治安維持能力に対しては「まだ未熟
」(ハシミ副大統領)との見方が強く、撤収計画を歓迎ばかりはし
ていられないというのが実情のようだ。

 オバマ米大統領は27日、イラク駐留米軍の大規模な撤収を発表。
ブッシュ前政権の方針を転換する姿勢を鮮明にしたが、イラク治安
部隊の訓練などのため最大で5万人の兵力を残留させる。
(28日 23:15) 
==============================
米予算の基本方針、国防費は4%増の52兆円
 【ワシントン=弟子丸幸子】オバマ米政権は26日に発表した2010
会計年度(09年10月―10年9月)予算の基本方針で、5337億ドル(約
52兆円)の国防予算を計上した。09年度比では4%増。ブッシュ前政
権下だった09年度の前年度比の伸び率7.5%増から抑制した。イラク
やアフガニスタンでの対テロ戦費関連経費として1300億ドル(約12
兆7000億円)を計上した。
==============================
米仏、軍備納入で攻勢 湾岸産油国にイランの脅威
 【ドバイ=松尾博文】米国とフランスが中東の湾岸産油国への防
衛装備品の売り込みを競っている。米政府はアラブ首長国連邦
(UAE)に開発中のミサイル防衛システムの供与を検討、フラン
スはクウェートなど複数国と戦闘機の売却交渉を進めている。イラ
ンの脅威を念頭に置く湾岸諸国の防衛力整備の動きに対応、最新装
備の提供を通じて影響力を確保する。



コラム目次に戻る
トップページに戻る