3217.次の経済体制を作る思想は



全債権と全債務はイコールである。この債務が金融技術という目く
らましで膨張し、破裂したのが今回の世界恐慌の原因である。
                     Fより

中国の貯蓄(債権)がいけないと米国は言う。しかし、米国の債務
(借金)もいけないのである。それは全債務は全債権と等しいから
である。

米国は借金をきれいに見せる金融工学という「目くらまし」によっ
て、世界に証券化商品として売った。その買い先は中東とEUであ
る。レバレッジという借金の借り先は日本である。

中国は米国債にしか手を出していない。ドル高人民元安にするため
に、為替介入をした。このドルで米国債を買った。米国債は借金の
証文である。というように全世界から米国は借金をした。

この借金が返せないといい始めたのが金融危機の原因である。
しかし、米国以外でも借金をした地域がある。それが中東欧であり
、そこに貸し付けていたのが西欧諸国である。この地域はユーロ圏
であり、このため、ユーロも下落している。

このため、世界の耐久消費財の需要は急に無くなり、日本や韓国な
どが大きな打撃を受けている。しかし、同じ体質のドイツは安定し
ている。それは、EU外対応工場を東欧にシフトして、EU対応需
要しかドイツでは作らないためで、EU経済圏が国内と同じ状態に
あるためにそうなる。EUブロック内の輸出が多いことによる。

米国も欧州も不良債権が2000兆円もある。日本のバブル崩壊期
の不良債権は200兆円程度であり、10分の1程度で失われた10
年にもなったのであるが、どうも今後は世界が失われた100年に
なる可能性が出てきている。L字回復というシナリオが現実になる
と見る。今までのような景気には戻らないということである。今の
水準で生きるしかないということである。

そうなると、自国経済または、自ブロック内経済でほとんどをまか
なうことになる方向が見えている。保護主義やブロック経済化でし
ょうね。

今後、日本の鉄道技術が世界に出て行くが、この鉄道技術は多くの
雇用を生むために、英国でも米国でも、日本企業はその国で使用す
る車両や機器を作る工場はその国に立てることになる。環境技術関
係は、すべて、そうなることが見えている。原子力もそうなる可能
性がある。

日本企業は世界企業化するが、日本の雇用を拡大できるとは思えな
い。このために、日本は自国内での需要は自国内で生み出す工夫を
する必要になる。日本企業が海外に出るが、高機能な素材や部品は
日本からの輸出となるが、これで日本の雇用を満たすとは思えない。
アセンブリの工場が一番人数を必要とするが、その部分の工場は
すべて海外になると見ている。

日本の安全保障として、食料の自給率UPや介護・サービス産業と
金融業を中心とした産業構造に変革する必要がある。この仕組みを
考える場合に参考になるのが、江戸時代である。江戸時代の経済思
想が非常に示唆に富んでいる。

このような仕組みを作るにも、官邸機能を強化して、現場の知恵を
活用した政策を立案して、その実行を官僚が行うという日本の政府
組織を作る必要が高まっている。

そして、日本は世界の経済をも考える幅広い政策を検討できる政府
に脱皮しないといけない。
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2月のNYダウ11.7%下落、過去2番目の大きさ 
 【ニューヨーク=山下茂行】2月最後の取引日である27日の米株式
市場ではダウ工業株30種平均が大幅安となり、2月の月間下落率は
11.7%に達した。米メディアによると、2月としては過去2番目とな
る1933年以来の大きさ。米政府によるシティグループへの追加支援
策が発表されたが、むしろ一株利益の希薄化が嫌気された。一方、
債券相場では国債への売りが続いて長期金利が上昇。米金融市場で
は手詰まり感が強まってきた。 

 2月の19営業日のうち、7割弱にあたる13営業日でダウ平均は下落
。このうち6営業日は下落幅が100ドル超に達した。ダウ平均は1月に
も大幅安となっているため、昨年末以降の下げはすでに合計1713ド
ル46セント(19.5%)にのぼっている。 

 米財務省がこの日発表したシティへの支援策は、保有する優先株
を普通株に転換する内容。市場の一部でくすぶっていた「完全国有
化」の懸念は後退したものの、普通株の価値が大幅に希薄化するこ
とが売り材料視された。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)
500種業種別の金融指数は7.39%安と全10業種で最大の下げを演じた。
 (11:11)
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米金融機関、「問題あり」252行に急増 08年末時点 
 【ワシントン=米山雄介】米連邦預金保険公社(FDIC)は26
日、資本や収益状況から経営に問題があると判断した金融機関が2008
年末時点で252行に達したと発表した。9月末時点の171行から3カ月
間で約1.5倍に急増。金融危機の深刻化を背景に、年末ベースでは
1994年(318行)以来、14年ぶりの水準まで増えた。

 集計は預金保険を適用する約8300の商業銀行と貯蓄金融機関(S
&L)が対象。「問題行リスト」に挙がった金融機関の総資産は
1594億ドル(約15兆6000億円)と、9月末に比べ約4割増となった。

 FDICは問題金融機関の個別名は公表していない。08年中に破
綻した金融機関は25行と、前年の3行から急増。93年(50行)以来、
15年ぶりの破綻ラッシュとなった。 (13:48) 
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シティ、持ち株比率最大36%で合意 米政府が実質管理
 【ワシントン=米山雄介】米財務省は27日、経営再建中の米大手
銀行シティグループへの追加支援策を発表した。公的資金注入の見
返りとして政府が現在保有するシティの優先株のうち、最大250億ド
ル(約2兆4000億円)を議決権のある普通株に転換。シティ株の最大
36%を保有する。政府は筆頭株主となる見通しで、米金融安定化策
は事実上の政府管理で個別銀行の再建を図る新たな段階に入る。

 政府がシティの支援に乗り出すのは昨年10月以降、3度目。経営が
悪化した同社に対し、2回に分けて合計450億ドル(約4兆4000億円)
の公的資金注入を実施。議決権がない代わりに配当利回りの高い優
先株を取得したほか、将来の損失を一部保証している。

 シティの発表によると、同社は自己資本の質を高めるため、発行
済みの優先株の普通株転換を政府や投資家に要請。民間保有の計275
億ドル相当の優先株について、市場での取引実勢を大幅に上回る1株
3.25ドルでの転換を提案した。(01:53) 
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英RBS、3.3兆円赤字 08年12月期、政府の資産保証適用へ
 【ロンドン=吉田ありさ】大手英銀ロイヤル・バンク・オブ・ス
コットランド(RBS)は2008年12月期通期決算で、最終赤字が英
企業として過去最大の約240億ポンド(約3兆3500億円)になったと
発表した。同時に、3250億ポンド(約45兆円)の資産を切り離し、
英政府の資産保証プログラムに参加することを明らかにした。英政
府が1月に発表した資産保証の適用第1号となる。

 最終赤字の拡大は07年にほかの欧州銀と共同買収したABNアム
ロの資産で評価損が膨らんだことによる。RBSはリストラ計画も
併せて公表、市場にくすぶる損失拡大不安を取り除き、経営再建を
目指す。資産の約2割(2400億ポンド)を「非中核業務」として今後
3―5年で売却する。売却するのは主に海外資産で、英国内に軸足を
移す戦略。昨秋に続き、政府から130億ポンドの追加公的資本注入も
受ける。(26日 22:59) 


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