3216.金融システム崩壊で、環境技術へ



金融システムの悲惨さが益々明らかになり、環境技術に関心が集ま
っている。        Fより

 米国の金融機関の損失は止まらない。シティやBOAは公的資金
の方が、株式時価総額より大きく、かつ不良債権の調査でまだまだ
不良債権があると見えるので、実質国有化になる。ニューヨークの
ダウが下落していて、10兆ドルの損失が出ているし、家計の債務
は16兆ドルと米国GDPと同じである。この家計のローンの破綻
は今後も続くので、米国銀行の不良資産はまだ始まったばかりであ
る。14兆ドルまで公的資金を入れるとしても、米国の不良資産は
20兆ドル以上であると思う。

EUもEU本部秘密会議で、20兆ドル以上の不良債権をEU全体
の銀行が抱えているという資料が提出された。この報道が出て、慌
ててFTの該当記事を削除している。

どちらにしても欧米の銀行はそれぞれ2000兆円程度の不良債権
を抱えていることになるが、EUと米国はそれを処理できる公的資
金を用意できないので、当分、欧米の経済に期待が出来ないことは
判明している。

欧州の排出権ビジネスはこの不況で見向きもされなくなっている。
米国も環境税を取る方向で検討するが、排出権には反対している。
また、ヘッジファンドのような機関ができるだけで、その利益にな
るだけだからである。「まやかし」は止めようと言うのだ。

日本は環境技術が非常に優れているのに、EUの政治的な陰謀で削
減率なる「まやかし」で大きな損失を受けている。排出量が元から
少ない国に不公平な取り決めになっている。中国やインドも現時点
で少ないことで、削減率という「まやかし」を認めていない。

1人当りのCO2排出量という基準で見ると、中国やインドは日本
より大幅に少ない。EUのエゴと商売を認めてはいけないと思う。

そして、やっと環境を政治的な「まやかし」から環境技術に光が当
り始めている。

麻生首相は米オバマ大統領との首脳会議を行ったが、環境技術を米
国に無償で供与すると言う提案を持って行った。環境技術はNEDO
の資金で開発した技術が多くある。この技術の特許は国と企業また
は研究機関が共同で管理することになる。

ということは、国の特許を米国も使用OKとすると、米国企業は無
償で使えることになる。特許ではノウハウ部分を公開していないの
で、ノウハウ部分の部品が売れるので、部品は米国は買うことにな
る。それにより、日本企業は商売ができることにはなると見る。

アイデアの基本部分を公開していると、米国企業はそのまま利用す
るので、日本企業の商売にはならないことになる。微妙な線になる
が、現時点、日本の研究者たちが、中国のBYDの1充電で300
kmも走る電気自動車の設計していることを米国も知っている。

しかし、日本企業は電気自動車を認めてこなかったことで、慶応大
学の電気自動車の研究も、その他、日本の大学での研究成果のほと
んどを中国企業が積極的に利用している。米国の電気自動車にも日
本の技術を利用させるべきであると米国が思うのは当然である。

日本自動車メーカは、その電気自動車の技術に見向きもしない状態
がここ数年以上も、続いていた。三菱の今度出る電気自動車も旧来
の技術で新しくない。日本の電気自動車の研究者たちは歯軋りして
いた。中国BYDは、そのような日本の研究者たちに思い存分設計
させた。その成果がBYDの1充電300kmの電気自動車なので
ある。

技術が日本で、成果は中国と言う結果になっている。日本企業の見
る目の無さに、このコラムでは注意をしていたが、とうとうその無
視した結果がどういうことになったかが、日本の自動車会社にも分
かったのではないかと思う。

このBYDに大きく注目したのは米国ウォーレン・バフェットであ
る。ということは、日本の電気自動車の技術力もバフェットは知っ
ているということである。韓国現代など多くの自動車企業も数年前
から来ているので、日本企業の出遅れが気になる事態にあると見る。

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円相場に構造変化の兆し、「リスク回避の円高」圧力が急速に緩和

[東京 19日 ロイター] 外為市場で円が弱含み始めている。
リパトリエーション(資金の本国還流)によるドル上昇を背景に、
円が押し下げられていることが主因とみられている。
 しかし、年度末を控えリパトリを進めるはずの国内勢が海外投資
に動いていることや、世界同時の景気減速で円だけが機械的に買い
上げられた反動など、円独自の理由で売られ始めたとの声も上がっ
ている。
 現在は積み上がった円買いポジションの圧縮が円安要因の中で大
きいとみられているものの、一時のような円全面高圧力は急速に緩
和している。円相場には構造的な変化が生じつつある。
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排出量価格、世界で急落 半年で3分の1 景気後退の影 
(nikkei)
 【ロンドン=石井一乗】温暖化ガス排出量取引の市場価格が世界
で急落している。最大マーケットの欧州や米国で、昨年夏のピーク
から半年強でほぼ3分の1に下落。世界的な景気後退を受けて減産を
進める企業の排出量が減り「余剰分」となった排出量の売却が増え
たためだ。排出量は中長期的に拡大するとみられるが、足元の市況
悪化で取引を縮小する市場参加者もあり、温暖化ガス削減策の主要
な柱である排出量取引市場の整備が停滞する可能性もある。 

 ロンドンにある世界最大の欧州気候取引所(ECX)では、欧州
の排出量取引制度(ETS)に基づく先物価格が一時1トン=10ユー
ロ(約1190円)の大台を割り込み、その後も同10ユーロ前後で推移
している。昨年7月の高値(同約30ユーロ)の約3分の1の水準で、京
都議定書の削減目標期間に入った2008年以降では最安値圏だ。
 (16:00)
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世界の金融システムは実質的に崩壊=ソロス氏
2009年 02月 23日 09:16 JST

 [ニューヨーク 20日 ロイター] 著名投資家のジョージ・
ソロス氏は20日、世界の金融システムは実質的に崩壊した、とし
、危機が短期間で解決する可能性は見えていない、と述べた。

 ソロス氏は米コロンビア大学で、動揺は大恐慌時よりも大きい、
との見方を示し、現状をソビエト連邦の崩壊に例えた。

 同氏は、2008年9月の米リーマン・ブラザーズの経営破たん
が市場システム機能の転換点だった、と述べた。

 ソロス氏は「われわれは金融システムの崩壊を目撃した」とし、
「金融システムは生命維持装置につながれた。今もまだ同じ状態に
あり、景気の底入れが近いとの兆しはみえていない」と述べた。

 オバマ米政権の経済再生諮問会議議長を務めるボルカー元米連邦
準備理事会(FRB)議長もこの日、世界の鉱工業生産は米国より
も速いペースで減少している、と述べている。

 ボルカー氏は「大恐慌も含め、いかなる時代においても、全世界
で景気がこれほど急速に悪化するのを見たことがない」と述べた。
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日経平均、一時バブル後安値下回る 
(nikkei)
 24日の東京市場で日経平均株価が大幅に続落し、一時前日比221円
安の7155円と、昨年10月27日に付けたバブル経済崩壊後の安値
(7162円90銭、終値ベース)を割り込んだ。世界経済の低迷が長期
化するとの警戒感から前日の米株式相場が大幅安となり、東京市場
でも金融、小売りなどの景気敏感株を中心に、ほぼ全面安の展開と
なった。 

 日経平均の午前の終値は191円66銭(2.6%)安の7184円50銭。東
証一部銘柄の7割が値下がりした。
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日本、グリーン・ニューディール全面協力へ…次世代車など
 24日にワシントンで開かれる日米首脳会談で、環境分野に重点
投資するオバマ政権の「グリーン・ニューディール」政策に日本政
府が全面協力を提案し、合意することが23日、明らかになった。

 麻生首相が提案するのは、次世代自動車の普及や低炭素技術など
4分野の「日米エネルギー・環境技術協力」で、この分野で日米が
世界をリードしていくことを確認する。世界経済や環境問題など地
球規模の課題に連携して対処するため、新たな「日米対話」の枠組
み発足も検討する。

 エネルギー・環境分野の日米協力は、〈1〉電気自動車、家庭用
電源から充電できるプラグイン・ハイブリッド車など次世代車の普
及策〈2〉二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減できる革新的
な低炭素技術〈3〉省エネルギーや新エネルギーの市場拡大
〈4〉原子力の平和利用――の四つが柱となる。

 具体的には、次世代車の普及を促すため、高速充電用プラグの規
格や安全性について日米で標準化を検討するほか、インフラ整備の
共同実証事業を行う。

 革新的な低炭素技術では、工場などから排出されたCO2を地中
に埋めるなどして固定化する技術や、燃料電池、高性能太陽電池な
どの研究開発に、日米の研究機関が共同で取り組む。省エネ技術は
、モデル事業を通じて世界展開を目指す。原子力の平和利用は、原
子力発電の導入が進む新興国での核拡散を日米共同で防ぐ狙いがあ
る。

(2009年2月24日03時11分 読売新聞)


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