3197.アフガンと中央アジア情勢



アフガン戦争の補給線をどうするのか、米オバマ政権は決断が必要
になっている。その検討。    Fより

戦争を継続するには、補給線をしっかりする必要がある。しかし、
米国はキルギス基地をバキエフ大統領から閉鎖すると言われている
。キルギス基地は、アフガンへの空輸補給基地として機能していた。

アフガンへの補給という意味では、カラチ港で荷揚げした物資をパ
キスタン国内を通り、カイバル峠を越えて、アフガンに輸送するル
ートがあるが、このルートもカイバル峠の橋が爆破されて、物資の
補給がストップしている。その上にキルギス基地の閉鎖である。

米国は今年の夏に2〜3万増派する計画であるが、その前に補給ラ
インの確保が必要になっている。アフガンは、ウズベキスタンやト
ルクメニスタン、タジクスタン、パキスタン、イランに囲まれてい
るが、米国の基地を置けそうな国をロシアは囲い込み、ロシアとの
摩擦をさせるとすると、現時点ではトルクメニスタンとイラン、パ
キスタンの3ケ国しかない。この内、イランとは核問題で米国は対
立している。

残るは、パキスタンとトルクメニスタンの2ケ国である。パキスタ
ンとは、ムンバイテロ後、米パ関係は冷却化していて、早急にパキ
スタン側が補給路の確保と、橋の修復をするとは思えない状態であ
る。トルクメニスタンからの補給はカブールまでの有効な道路がな
い。

ここで米国は行き詰ることになる。ロシアとの関係を修復しないと
アフガンへの補給もままならない状態である。

そして、ロシアは旧ソ連圏への支配優先権を米EUに要求している。
この政治的なカードとして、天然ガスなどの資源とともにアフガン
への補給というカードを使おうとしている。このため、旧ソ連圏の
親ロ諸国と集団安全保障条約機構CSTOを作り、環境を整備した
のだ。

このカードは有効であり、ドイツなどはロシアとの友好関係を作り、
ロシア経由での補給ルートを確保した。EU全体もロシアとの交渉
を行って、グルシアやウクライナのNATO軍への加盟を延期して
いる。

米国の動向が注目されているのであるが、ウズベキスタンからの補
給ルートを確保するために、ウズベキスタンへ接近するようである
が、ロシア抜きではうまくはいかない。

ロシアの権力拡張とイスラム圏の拡張が、今後新しい戦争を引き起
こす不安を感じる。このイスラム圏の拡張に対して、米国はロシア
の拡張を認めて、共同で戦線を組むと思うがどうであろう。

親米国のグリシア、アゼンバイジャン、ウクライナの運命は、米国
の動きに掛かることになる。どうなりますか??
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キルギス基地閉鎖「残念」 クリントン米国務長官 
(nikkei)
 【ワシントン=弟子丸幸子】ヒラリー・クリントン米国務長官は
5日、キルギスが米軍基地の閉鎖を決めたことについて「残念だ。一
層の協議を望む」と述べ、継続使用へ再交渉する姿勢を強調した。
ただ「どんな結論が出ても、なすべきことを継続する」と政府内で
代替策を検討していることも示唆。AP通信によると、ウズベキス
タンを利用する案が浮上している。クシュネル仏外相との会談後、
米国務省で記者団に語った。 (12:57) 
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ロシア、旧ソ連圏囲い込み 安全保障体制を再構築
(nikkei)
 【モスクワ=古川英治】ロシアが旧ソ連圏で安全保障体制の再構
築に動き出した。中央アジア・キルギスには同国にある米軍基地の
閉鎖に踏み切らせ、ベラルーシとは対空防衛協定を締結した。4日に
は親ロ7カ国による集団安全保障条約機構(CSTO)合同部隊の創
設を決めた。地域での主導権を固め、アフガニスタンを巡る軍事作
戦への協力を対米交渉カードにする思惑がある。

 キルギスのバキエフ大統領は3日、ロシアのメドベージェフ大統領
と会談後、キルギスの米空軍基地を閉鎖すると表明した。ロシアが
20億ドル規模の融資や支援の見返りに米軍に撤退を要求するよう働
きかけた。キルギス国会は6日にも基地供与に関する米国との協定破
棄を採択する。(07:00) 
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カイバル峠の橋爆破、アフガン駐留軍への物資補給ストップ

 【イスラマバード=酒井圭吾】アフガニスタン駐留外国軍への物
資輸送の主要ルートであるパキスタン北西部カイバル峠の橋が3日
、武装勢力により爆破された。

 現地の警察当局が明らかにした。カイバル峠では補給用車両への
襲撃が頻発し、パキスタン政府は周辺の警備を増強したばかり。橋
の破壊で道路は分断され、別の補給手段を確保せざるをえない状況
に陥っている。

 警察当局によると、爆破されたのはペシャワルの西方約23キロ
の橋。峠越えで迂回(うかい)ルートはなく、補給トラックなどすべ
ての車両が立ち往生となった。犯行声明は出ていない。

 米軍など駐留外国軍は、毎月トラック約2000台分の物資補給
の輸送を行うが、空路輸送は費用が高く、同峠を経由する物資輸送
は全体の約75%を占める。イスラム武装勢力などは生命線である
この峠を標的とし、昨年11月から輸送トラックの襲撃を行い、同
12月には峠の一時閉鎖にまで追い込まれた。

 パキスタン政府は米国からの強い要請を受け、警備にあたる治安
部隊の総数を今年1月から5割増強していた。だが、輸送にあたる
運転手の間からは「襲撃の代わりに、最近は仕掛け爆弾を利用して
いる。警備を増強しても危険は消えない」との声が上がっている。

 このため、駐留外国軍はウズベキスタンなど中央アジアからの輸
送ルート開拓を進めている。

(2009年2月3日23時08分 読売新聞)
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 オバマのタリバン征伐のための米軍増派は確定的、夏までに二万
から三万
  アフガニスタン南西部、ヘルマンド河渓谷攻撃に兵力を集中か
宮崎正弘平成21年(2009年)2月5日(木曜日)

 ウォールストリートジャーナルが、オバマ政権の新アフガニスタ
ン攻略計画の概要を伝えた(2月4日付け)。

 2001年にアフガニスタン空爆に踏み切って以来、米軍は二倍
の戦力を投じることになり、しかも兵力はカブール防衛ではなく、
南西地方のヘルマンド河渓谷攻撃が目的である。

 タリバンが勢力をぶり返したのは、このヘルマンド河周辺で栽培
されているアヘン。この軍資金で兵器を購入し、さらに若者を新兵
としてリクルートできる資金と化けており、この元凶と絶つ作戦で
ある。
 アフガン南西部のヘルマンド河周辺と隣のカンダハル地方がタリ
バンの巣窟となっており、テロ攻撃が盛ん。
 むしろ都市部でのテロ攻撃は減ってきている。 

 これまで米国は傀儡カルザイ政権を守るための首都カブール防衛
に死力を尽くしてきた。しかしオバマ大統領の新戦略ではカブール
のインフラ整備のための投資、教育の整備、カブールの安定と同時
並行的にタリバンの急所をつく作戦を展開することに切り替えるの
だ。

 北西部とパキスタンをつなぐルートは食料、ガス、消費物資を運
搬する生命線だった。
 オバマは、この従来的なカブール維持作戦から、大きく敵兵力の
殲滅を戦略目標として選択した。

 またオバマが民主党リベラル派でありながら戦争の縮小ではなく
、拡大に力点を移行しつつあるのは、大不況から抜け出す定石でも
あり、同時に倒産間近のビッグスリー立て直しのための軍事産業テ
コ入れという深謀遠慮があるのではないか、一部の軍事評論家が
そんな分析もしている。
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キルギス、米軍基地閉鎖へ=対アフガン作戦に打撃も
2月4日6時9分配信 時事通信

 【モスクワ3日時事】キルギスのバキエフ大統領は3日、モスクワ
でロシアのメドベージェフ大統領と会談した後、キルギス首都ビシ
ケク郊外のマナス空港にある米空軍基地の閉鎖を決定したと言明し
た。閉鎖期日は近く発表するとしている。
 同基地はアフガニスタンでの対テロ作戦の拠点となってきただけ
に、オバマ米政権に打撃となるのは必至。また、基地閉鎖をキルギ
スに働き掛けてきたとされるロシアと米国との関係にも微妙な影を
投げ掛けそうだ。
 キルギスの米軍基地は、2001年9月の米同時テロ事件後に設置され
、アフガンに展開する米軍部隊などへの補給に重要な役割を果たし
ている。バキエフ大統領は「米軍への基地提供は当初1、2年間とさ
れていたが、8年が経過した」と強調。駐留長期化に伴い、米兵によ
る殺人事件の発生などで国内世論の反発が強まったことを基地閉鎖
の理由に挙げた。  
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アフガン、夏までに3個旅団増派 米国防長官が表明
(nikkei2009/01/28)
 【ワシントン=弟子丸幸子】ゲーツ米国防長官は27日、上院軍事
委員会の公聴会に出席し、アフガニスタンでのテロとの戦いは「米
軍にとって最大の難関」と証言し、夏までに3個旅団の米軍を増派す
る構想を明らかにした。今春後半までに2個旅団、夏の終わりごろま
でに1個旅団をそれぞれ増派する方針。

 「我々にとって安全保障の基礎となるレベルまでの兵力がないこ
とは明らかだ」と強調。外交面での努力がカギを握るとしながらも
、増派は必要だとの認識を語った。

 同時に「国際的な取り組みの連携は一流とは言えない」と言明。
北大西洋条約機構(NATO)などがより多くを負担することが、
状況改善に不可欠との基本的立場を示した。(07:00) 
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欧州各国世論、アフガン増派に反対

【ロンドン20日AFP=時事】欧州各国の国民の多数がアフガニ
スタンへの兵力増派に反対していることが、20日付の英紙フィナ
ンシャル・タイムズに掲載された世論調査で分かった。
 調査は英仏独伊スペインで行われた。ドイツでは約60%がいか
なる状況であろうとも政府が部隊を増派することに反対を表明。米
国に次ぐ兵力をアフガンに送っている英国では57%が、フランス
とイタリアではそれぞれ53%が反対した。
 これに対してスペインでは多数が兵力増派を支持すると回答した。
 また、20日に就任式が行われるオバマ米新大統領は、イラク駐
留軍を減らし、その分をアフガンに振り分けることで、イスラム原
理主義勢力タリバンへの圧力を強めていく考えを示しているが、同
大統領にとって欧州各国への兵力増派要請は強い世論の反対を受け
ることになりそうだ。 〔AFP=時事〕(2009/01/20-11:48)
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NO・1203米のアフガニスタン対応困難に
(中東TODAY)

 中央アジアの一国キルギスタンに、アメリカはアフガニスタン対
応の輸送目的の、空軍基地を持っていた。この基地から、アフガニ
スタンに駐留する兵士に、食料や武器弾薬などが、空輸されていた
のだ。

 ところが、ここにきて、キルギスタン政府はこの空軍基地の使用
延長を、取りやめることを決定した。アメリカの援助よりも、ロシ
アとの関係を、優先したのであろうか。

 アメリカはイラクの制圧がほぼ成功し、軍の大半をアフガニスタ
ンに移駐し、一気にアフガニスタンも解決しよう、と思っていたの
であろうが、どうも流れは逆の方向に、向かっているようだ。

 キルギスタンの非協力に加え、パキスタンからアフガニスタンに
通じる、主要道路にかかる、橋が爆破された。この結果、パキスタ
ンから運ばれていた軍事物資は、完全にストップすることになった。

 そうなると、アフガニスタンに駐留するアメリカ軍は、食糧の補
給も武器弾薬の補給も、滞ることになる。それでは、タリバン勢力
に対する攻勢どころか、アメリカ軍基地の守備さえも、ままならな
くなるのではないか。

 加えて、ムンバイ事件以来、アメリカとパキスタンとの関係は、
冷却の一途をたどっており、早急にパキスタン側が補給路の確保と
、橋の修復をするとは思えない。それほどの技術も資金も、パキス
タンにはない、という現実的な問題もある。

 それでは、その橋をかける工事をアメリカの企業が行うのか、と
いうことになれば、治安維持のうえから考えて、相当の費用がかか
ることが予測される。しかも、それは危険極まりない、作業という
ことにもなろう。

 オバマ政権発足間もなく起こった、この二つのショッキングな出
来事は、彼の前途を暗いものに、しているような気がする。アメリ
カはアフガニスタン作戦で、ほぼ完全に補給路を、断たれた形に、
なってしまったのだから。

 ただ、この劇的な変化が、これまで緊張していたイランとアメリ
カとの関係を、修復する方向に向かわせるのではないか、というか
すかな希望を、抱かせてもくれる。アメリカは世界の現実の前に、
そろそろ冒険を止めるべきなのかもしれない。そのアメリカの冒険
主義に、日本は軽々に、加担すべきではあるまい。

自衛隊がアフガニスタンに、ヘリコプター持参で参戦することを、
アメリカは強く希望しているが、あいまいな返事で先延ばしし、
ついには、派兵しないのが、一番利口なのではないか。アフガニス
タンではイギリスもソビエトも、最終的は敗退している。アメリカ
もその例に漏れないのではないか、という懸念さえ浮かぶのだが。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 15:04 | パーマリンク 
2009年02月04日
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見えぬ敵タリバン、アフガン緊張の行軍…国際部隊に同行
1月19日3時12分配信 読売新聞

 【タリンコート(アフガニスタン南部)=尾関航也】アフガニス
タンで旧支配勢力タリバンが勢力を回復し、国際治安支援部隊(I
SAF)が苦戦を強いられている。

 タリバン政権崩壊から7年。現地ではなお危険と隣り合わせの任
務が続く。オバマ次期米政権は、アフガンを「テロとの戦い」の主
戦場と位置づけており、日本の貢献が一層求められるのは確実だ。

 オランダ軍を中心に各国部隊が駐留する南部ウルズガン州のIS
AF前線基地「キャンプ・ホランド」。今月9日の日没直前、爆発
音に続いて甲高い警報が鳴り響いた。ロケット弾が撃ち込まれたの
だ。「何が起きたんだ」。食堂で早めの夕食をとっていたオランダ
兵らが、いすをけ散らす勢いで飛び出していった。

 基地が直接攻撃を受けたのは2年半ぶりだ。着弾は3発。タリバ
ンが大量保有する107ミリ弾だった。約4キロ北西の山間部から
発射されたとみられる。

 人的被害は免れたが、敵が基地を射程に収める位置まで進出して
きた事実は、駐留部隊を震撼(しんかん)させた。その夜、反撃に飛
び立った攻撃ヘリコプターのローター音が、灯火管制下の暗闇に絶
え間なく響き続けた。

 駐留部隊への攻撃は増加傾向にある。国連安全保安局の統計によ
ると、治安関連の事件は、2007年にアフガン全体で月平均573
件だったのに対し、昨年は740件に上った。

 13日、ウルズガン州都タリンコートで、ISAFとアフガン国
軍の合同パトロールに同行した。総勢400人が隊列を組み、自爆
テロが起きたこともある市街地を徒歩で13キロ行軍する。

 「黒チョッキに爆弾を仕込んだ男が数日前から街に潜伏している
」。そんな情報が前日、ISAFに寄せられていた。兵士たちの顔
に緊張がみなぎる。

 街はイスラム文化と部族の風習が色濃い伝統社会。未舗装の幹線
道を進むと、全身をすっぽり布で覆った女性が、足早に路地へと消
えた。道の両側では、伝統衣装姿の男たちが無言で隊列を見つめる
。敵は戦闘服を着ているわけではない。タリバン兵が交じっていて
も判別するすべはない。

 列の後方では、フランス外国人部隊の精鋭2人が「見えない敵」
に目を光らせていた。過去にもアフリカ各地でゲリラと戦ったとい
うマテュ大尉(30)は「敵にはこちらが見える。圧倒的に不利だ
」と言って、眉間(みけん)にしわを寄せた。

 最大の脅威は、近年、タリバンの“主力兵器”となった道路脇の
仕掛け爆弾だ。先頭の国軍兵士は、金属探知機を使って足元を警戒
しながら、一歩ずつ、薄氷をふむように歩みを進めた。
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タリバンの攻撃で露呈、アフガニスタン駐留軍の補給ルートの脆弱
性(AFP)2008/12/12

【12月12日 AFP】前週末パキスタンで北大西洋条約機構(NATO)軍
のトラック・ターミナルに対し、アフガニスタンの旧勢力タリバン
(Taliban)が入念に計画し実行した攻撃は、内陸にあるアフガニス
タンに駐留する国際部隊の命綱となるカイバル(Khyber)峠を経由
する補給路の危険な脆弱性を浮き彫りにした。
 パキスタン北西部ペシャワル(Peshawar)では前週末、武装勢力
数百人がNATO軍ターミナルを襲撃、治安要員を武装解除させ、アフ
ガニスタンに物資を補給するための車両百台以上や物資を焼き尽く
す事件があった。同時期に米国はアフガニスタン駐留軍の規模を現
在からほぼ倍にする増派計画を明らかにしている。

■不安定な部族地域の中央を通るカイバル峠

 タリバン率いるアフガニスタンの反政府勢力と戦う米軍主導の連
合軍、NATO軍主導の国際治安支援部隊(ISAF)が必要とする大量の
物資や装備はまず、航路でパキスタン南部にある同国最大の港カラ
チ(Karachi)に到着する。食糧から燃料、車両、武器まで必需品の
入ったコンテナは、トラックでペシャワルまで運ばれ、カイバル峠
を経由するルートからアフガニスタン入りする。 

 カイバル峠は全長50キロの山越えルートだが、アレキサンダー大
王(Alexander the Great)の遠征の昔から、外国から攻め入る部隊
にとって避けては通れない峠だ。しかし、このルートは武装勢力が
潜伏するパキスタンの部族地域の中央を貫いている。

 前週末の事件があったものの、NATO・米両軍はパキスタン政府に
治安対策の強化を期待するしかない。両軍は物資がパキスタン領内
を通っている間は直接管理を行っていないため、両軍の軍事行動の
妨害を意図するタリバンの武装勢力にとっては標的になりやすいと
いうのが実情だ。

 リチャード・ブランシェット(Richard Blanchette)ISAF報道官
は「アフガニスタンにトラックが入るまでは、輸送の責任は運送企業
にあり、安全面ではパキスタン軍にある」という。

■補給の70%が集中する理由

 米国が09年、現在の3万2000人から駐留軍を倍増すれば、装備や物
資もさらに必要となることは確実だ。

 米軍報道官によると、米軍主導の連合軍は今でも毎月トラック
2000台分の補給を行っているが、うち約70%がパキスタン領内を経
由しており、残りの30%は空輸やほかの陸路を使用しているという。

 しかし空輸はコストがかかるうえ一度に輸送できる分量が少なく
、またカラチからクエッタ(Quetta)やカンダハル(Kandahar)市
経由のルートを使えば、タリバンの拠点を通らなければならない。

 パキスタン以外の国を通過するルートは限られている。アフガニ
スタンはイランと長い国境を接しているが、米イラン関係が敵対状
態にある現状では選択肢にできない。

 アフガニスタンの反対側の国境にはトルクメニスタンやウズベキ
スタン、タジキスタンといった旧ソ連から独立した諸国が並ぶが、
これらはロシア政府の影響を多大に受けている。

 ロシアとNATOの関係は、8月のロシア軍によるグルジア侵攻で悪化
したが、ドイツ軍は11月、ロシア政府から同国経由でアフガニスタ
ンに軍事物資を補給する承認を取り付けた。
(c)AFP/Thibauld Malterre



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