3195.憲法9 条という宗教の真価が問われる:21世紀公案



憲法9 条という宗教の真価が問われる:21世紀公案
From: tokumaru  

皆様、

最近あるところで、自衛隊の若い(30台半ばの)方と話をする機会
がありました。
そのときに聞いた話ですが、クウェートでの航空輸送業務に従事し
ていた隊員が、家族に寄せられたハラスメントのせいで自衛隊を辞
めたというのです。

昨年4月の名古屋高等裁判所が出した判決で、クウェートの空輸活動
が憲法違反とされたあと、学校でお子さんが言葉によって、「お前
のお父さんは憲法違反のことをしている」(もしかしたらもっとひ
どい内容だったかもしれませんが)と言われたそうなのです。

所詮子供のいうことですし、仮に大人であっても好きなように言わ
せておけと思えばいいとも思います。
それで、退職する必要もなかったとも思います。
でも、それで退職してしまったというのですから、だとするとこの
話は深刻ではありませんか。

そもそも、自衛隊がイラクに派遣された後になっても、「派遣反対
」というスローガンを掲げていた人たちって、なんなの?と思いま
せんか。
子供を産んだ女性の処女性を信じるみたいで、これじゃあまるで、
宗教です。

戦後民主主義というものがまやかしの思想であったことは、明らか
です。

そして、この判決の後も、言論界もこの問題をあまり深刻に取り上
げなかった。
だから、現地で勤務している人やその家族が心の支えのないままに
退職するなんてことがおきたのだと思います。

言いたいことが2つあります。
1)
憲法も、自衛隊も、アメリカが占領下でこしらえたものであり、仮
にそれらが矛盾していたとしても、それはアメリカの占領政策の問
題であって、その後を生きる我々の責任ではないということを、
もっとはっきりさせたらよいのではないでしょうか。
敗戦国である現実を見るということです。

2)
これから、ますますアメリカの占領地に自衛隊が派遣されることに
なるでしょう。
日本とアメリカの同盟関係は、良好であり、とても大切です。
しかし、その占領地は、60年前の日本と同じ、アメリカに戦争で敗
れた国々です。
もし、アメリカから、占領地の国民に銃を向けよといわれたときに
どうするのか。
これが問われるでしょう。(そのことを考えたくないから、9条の
会は、派遣が行なわれたあとも「派遣反対」といっていたのかもし
れません。)

アメリカという同盟国と、イラクやアフガニスタンという敗戦・被
占領国の間にたったときに、日本の自衛隊はどう振舞えばよいのか。

これは公案です。どうしますか。

得丸公明

前回
2919.憲法第9条問題への言語学的な接近
http://www.asahi-net.or.jp/~VB7Y-TD/L0/200430.htm


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