3171.オバマ政権の地政学



1月10日奥山さんの講演会メモです。   Fより

地政学には、2つの流れがあり、戦略的な古典地政学と哲学的な批
判地政学がある。批判地政学はことばの定義であるが、ここでは
主に古典地政学を述べる。そして、現在、古典地政学を英国で学ん
でいる。

古典地政学は3つから出来ていて、現実主義のリアリズムとパワー
の解析、宣伝力であるプロパガンダである。そして、この古典地政
学は人間を性悪化してみることで成り立っている。

この地政学には目的がある。仮説の上のセオリーを積み上げ、他者
を管理すること、コントロールすることが目的である。

地政学の理論は主に3つの理論から始まっている。A.マハンの海
軍戦略論、マッキンダーのハートランド、リムランド論、スパイク
マンの平和の地政学である。

基本は、英国人はローマ人と同じと思い、米国は英国と同じと見て
いる。英国は島国であり、ヨーロッパのどこへでも船で自由に行け
る。これと同じで米国は島国でユーラシアのどこへでも船で行ける
と見る。この部分が一緒である。

地政学は3つに分かれる。天、地、人の3つで、天とは世界観、人
はテクノロジーで移動手段のことで、地は実際の地理で、チョーク
ポイントでもある海峡(関所)、海の道などを抑えることである。
この3つを抑えることが重要である。

米国の大戦略は1940年代から同じで、マーケットの拡大である。
これはオバマ政権になっても一緒である。
米国の戦略選択肢は4つであり、1がハンチントンがいう完全優位
、2がバリー・コーゼンやブッシュ政権が選択した重要な所を押さ
えるという選択的関与、3がミアシャイマーがいうオフシェアに基
地をおき関与を少なくするオプション・バランシング、4が孤立主
義のアイソレーションである。

オバマは2を選択するはず。アフガンを重要視している。

これに対して、日本の選択肢は、1が米国従属、2が独立、3が中
国従属の3つであるが、米国も中国も潰れて、日本は独立するしか
ないことになるような気がする。


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