3167.日本的資本主義への回帰



欧米狩猟民族の略奪的金融主義経済から、日本古来の農耕民族的な
地道な仕事重視の経済に回帰が必要になっている。  Fより

欧米中などの狩猟民族は、日本などの農耕民族から農作物を略奪す
ることが正義であるという概念が、古来からあり、その古来からの
概念を現代風に変えて、日本など真面目に仕事をしている人たちか
ら、日本の金利を下げさせて、ファンドなどへの海外投資が利益を
生むという宣伝をして、その気させて金を略奪してきた。略奪した
後、経済を崩壊させ円高にしてリターンをしないようにしている。
見え見えであったが、多くの人がムードに流されていたように感じ
る。

多くの団塊世代が犠牲になっているが、しかし、聞いてみると損失
は30%程度であり、全体的には大したことが無いようである。
しかし、農林中金理事など金融の専門家でない人たちや、大学など
日本的な素養がない人たちが痛い目に会っている。金融事業で儲け
るということは、人をだますことである。これをうまくできるのは
、狩猟民族しかいない。

狩猟民族は、リーダーの判断が重要で、そのリーダーに多くの分け
前を与える。このため、出来高制という営業の仕組みになる。うま
く皆をだました人が多くの分け前にありつける。このため、だます
装置として、格付け会社を作り農耕民族たちを信用させた。しかし
、この装置にだまされたのは農耕民族ではなく、同じ狩猟民族であ
る欧州の人たちや中東の人たちであった。

一方、農耕民族は全員が均等に仕事をして、収穫時、全員に平等に
分配する仕組みであり、リーダの判断は重要ではなく、経験が重要
なので、長老がリーダになり、過去の事例を参考に種まきなどの時
期を決めるが、判断の最終的な決定は合議である。このため、リー
ダに多くの分け前を与えることも無い。狩猟民族のような大きな賭
けをしないで、一歩一歩地道に経験を積み上げて、成果を上げてい
く。

この仕組みを発展させたのが江戸時代の統治システムである。権力
ある幕府の旗本には、権威も金力も与えない。権威ある京都の貴族
には権力も金力も与えない。金力がある商人には権力も権威も与え
ない。商人が大金持ちになると、その商人を潰す仕組みも持ってい
た。紀伊国屋門左衛門がいい例である。商人も金持ちでないように
振舞うようにさせたのである。金持ちを弱い立場にして、大金持ち
を作らない仕組みも日本は持っていた。

これが日本伝統の農耕民族の統治法である。権威と権力の分離を日
本は三輪王朝でもある大和朝廷時代に完成している。

この統治術が崩壊したのは、戦後に米国文化を積極的に取り入れた
ことでそうなり、竹中さんを中心に米国の新自由主義を日本に取り
入れたことで完全に崩壊したように感じる。小泉政権は評価が高い
が、公共事業縮小や官邸中心主義は賛成したが、金持ちをより金持
ちする優遇策や海外の金融機関にだましを許した施策は反対であっ
た。それは日本古来の文化や日本の統治方法とは違うためである。

郵便事業も金融関係者がトップにいたことで、米国のだましに乗ら
なかった。民営化が有効であったように感じる。公的機関の人たち
は世間を知らないし、米国に靡く性格を持った人たちが多いし、米
国留学者が高い位置にいる。農林省元事務次官がトップである農林
中金を見れば一目瞭然で分かる。あの時、米国に郵便貯金を持って
いかれると批判した議員や評論家は頭を丸めて、国民に謝るべきで
ある。反対に、日経新聞も海外投資を薦めたが、この日経の金融関
係記者も自己批判するべきである。

やっと、英米の新自由主義が潰れて、日本の多くの人が気がついた
ように感じる。日本的な倫理観、仕事感を持って日本の多くの人た
ちが安心に、そして、平等に生きることが重要なのであると。格差
を拡大させてはいけないと分かったのではないでしょうか?

今後、日本的な資本主義を完成させることが重要であることに気が
ついてほしいと思う。金だけが人生ではなく、日本人全体が心地よ
く、安穏に暮らせ、皆が仕事を生きがいにしている姿が重要なので
あるということだ。このため、雇用問題をどう解決するかが試金石
になっているのである。キーは雇用とはある組織への帰属であると
いうことである。

製造業には景気の変動があり、その景気変動で労働量が変動する。
これを固定化すると企業は海外に逃げていくことになる。

派遣社員が派遣会社に帰属したのに、派遣が切られると派遣会社も
切るという構造に問題があると見る。雇用と派遣を分離して考える
ことである。派遣会社が次の派遣のための訓練などを自治体などの
支援を得て行う義務があるはず。派遣会社も認可制にして、一定の
検査が必要な組織にすることが必要なように感じる。人の労働を扱
う会社は、神聖でありかつ社会的な責任があるという意識が必要な
のであろう。

日本的資本主義への回帰を期待したい。その仕組みを完成させて世
界に普及して、日本的な企業社会を完成させることが世界への貢献
であると見ている。


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