ブッシュ政権の残した災禍 平成21年(2009)1月7日(水) 「地球に謙虚に」運動 代表 仲津 英治 新年明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお付き合いをお願い致します。 昨年秋から、米国発の金融危機の影響で世界中が大不況の荒波に 襲われています。この混乱の元凶となったサブプライムローン (信用力の低い個人向け住宅融資)や証券化商品を、世界で最も 厳しい米国の証券規則、企業改革(SOX:サーベンス・オクスレー) 法による内部統制報告制度、厳格な会計監査は防げなかった、との 見解に接しました。しかし、私は、根本的に市場原理主義そのもの に問題があると思うようになりました。 今や世界主要各国が財政出動し、市場、金融企業に公的資金を投 入しつつあります。 大型景気の後、1929年に米国に端を発し、世界に広がった大恐慌は、 世界中に失業者を溢れさせ、各国が自己防衛のためにブロック経済 に移行し、第二次世界大戦の遠因にもなったと言われています。 私は経済には素人ですが、過去の不幸な経験に照らして、公的資金 の投入はやむを得ない処置かと認識しています。しかし、日米始め 世界主要各国は財政難で、その所要資金は国債を発行するなどして 調達するしかないはずです。これらにより、財政の累積赤字と借入 金が増大し、後世に負担を残すことになりましょう。あるいは、こ れら公的資金を環境対策や雇用対策に使うことができれば、どれだ け世の中が良くなり、後世のためにも改善され得ることでしょうか。 このアメリカの市場原理主義、金融自由主義がもたらした災禍は、 大きな後遺症を世界中に残すことになりましょう。全く罪な話です。 この大災禍がブッシュ政権の末期に発生したことは、この政権の8年 間を象徴するものでしょう。米国経済を悪化させると言う理由で、 1997年の気候変動防止条約=京都議定書から離脱したブッシュ大統 領の信じる経済至上主義がもたらした結果と言えると思われます。 返済能力の低い低所得者への住宅ローンを債券商品化して市場に出 すなど、素人目に見ても狂っていたとしか思えないのです。 人類は、一億人近い犠牲をもたらした2度の世界大戦を経て世界戦争 を起こさない、起こさせない仕組みを構築することに成功しました。 今だに世界中で紛争が絶えないとは言え、民主主義先進国間では世界 大戦につながるような戦争が解消できているのです。 その意味で、戦争に次ぐ悲劇をもたらす大恐慌につながるような経済 バブルが、発生しない、あるいは発生させない仕組みはできないもので しょうか。限度を超える市場原理主義 金融自由主義に規制をかける制 度を、ぜひ世界の叡智を集めて構築して欲しいと願う人は、私一人では ありますまい。オバマ新政権への期待の一つです。 私は、環境市場、環境技術(省エネ・省資源技術などを含む)が新た なニューデイール政策の対象となり、雇用を生み出すと信じて疑いませ ん。 以上 「地球に謙虚に」運動代表 仲津 英治