3153.ロシアの経済危機



ロシアの経済危機で、ロシアは天然ガスを武器にしようとしている。
この検討。        Fより

ロシア株式市場の株価は70%下落し、外貨準備高もルーブルを買
い支えるために、急速に減少している。しかし、プーチン首相は、
この事態に対して、ロシア経済は正常にあるとし、民間企業を国営
企業が買収することで、運転資金をロシア政府が貸し出している。
しかし、政府の財政も逼迫していた。

ここに来て、天然ガスの値段を引き上げ、ウクライナなど反ロシア
の国に今までの分の債務履行を要求して、もし払わないならガス供
給停止と言い始めたし、ガスのカルテルとも言える「ガス輸出国フ
ォーラム」を立ち上げた。

しかし、ウクライナにガス供給停止すると、そのパイプラインの先
につながるEU諸国もガス供給停止となる可能性が高い。そこで、
EUは、電気やガスの加盟国のエネルギー供給網の相互接続を加速
して、ロシアからのガス供給停止に向けて、対応することになった。

ロシアは、天然ガスのOPEC番とも言える「ガス輸出国フォーラ
ム」が12月23日、モスクワで閣僚級会議を開いて、天然ガス生産国
による公式な国際機関を発足させることで11カ国が合意した。ガス
版カルテルの創設が決まった。

メルマガの「2012年プーチン大統領復活」によると、国産自動
車の保護政策を打ち出した。米国のビックスリー救済から始まった
保護主義は、EUの同調と、ロシアの保護政策と徐々に拡大してい
る。ロシアは遅れてきた新興国であり、1929年当時の日本やド
イツの状況に似ている。

その歴史の教訓から見ると、今回もロシアや中国の経済・軍事行動
が、戦争や経済混乱を引き起こす可能性が高い。特にロシアのプー
チン首相の行動は、ロシア一国経済主義であり、国際協調という視
点がない分、保護貿易の危険がある。
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「2012年プーチン大統領復活」 
2008・12・21
★プーチン首相、国産自動車保護でウルトラ閉鎖貿易政策の断末魔

極東ウラジオストックで盛り上がる外国中古車輸入関税の引き上げ
反対デモに対抗してプーチン首相が採った政策は驚くべきもの。

1、ボルガ河沿岸(トリアッチ市のジグリ車の生産基地)やその他
  の国産車製造工場からロシア国内のどの地点であれ、鉄道輸送
  費は国家予算で補助する。ロシア鉄道会社の損失は補填する。

2、今年、車を買うのは得ではない。2009年から国産自動車の
  購入ローン(3年期間)を政府が3分の2負担する(つまり、
    金利が3分の一になる)。

いや、即断即決とは言え、闇雲なこのような経済政策が十分に長期
経済政策として熟慮されたものとは考えられない。

先週、WTI先物価格が32ドル40セントにまで下落したことを
考えるなら、クードリン財務相を始めとする経済危機の評価では
より現実的な発言を繰り返す経済官僚の予測さえ超えた国家予算の
歳入不足は想像を絶するものになるはず。

その横で、「貯金の食いつぶし」には構っていられないほど焦り始
めたプーチン首相の「ロシア経済は危機ではない」と言う意地の張
り方が、今後のロシア経済を「反グローバル閉鎖型経済」に逆戻り
させ、国内産業の強化どころかいっそう外資の逃避を加速化するこ
とになるだろう。

今、ロシアでは、冗談に「プーチン療法」と言うのが流行している。
「危機はないのです。すべてが上手く行きます、と言えば心穏やか。
」と言うもの。
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ガス供給停止を警告=欧州に影響も−ロシア

 【モスクワ24日時事】ロシア国営天然ガス独占企業ガスプロム
は24日、ウクライナのガス債務問題が解決されていないため、来
年の同国向け供給契約は結べないと述べ、「来年1月1日以降、ガ
ス供給はできなくなる」と警告した。
 ロシアは2006年1月に価格交渉の決裂からウクライナ向けガ
ス供給を停止、欧州にも混乱が及んだ。ガスプロムの警告を受け、
欧州側で懸念が高まるとみられる。(2008/12/25-01:05)
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EU、電力・ガスの相互供給網整備へ ロシア依存脱却狙う

 【ブリュッセル=下田敏】欧州連合(EU)は電力やガスの安定
供給に向けて、加盟国のエネルギー供給網の相互接続を加速する。
資源をロシアに頼るバルト諸国などを軸に2009年から投資していく
計画。ロシアと旧ソ連圏とのガス交渉が紛糾して欧州向け供給が止
まる事態を想定し、調達先の多様化と、各国がガスなどを融通でき
る体制の整備を進める。EUは独自の予算を使った景気対策でも供
給網の一体化を公共投資の重点項目と位置付ける考えだ。

 欧州委員会は加盟国向けの政策文書で「分離状態のエネルギー市
場の接続が最優先の課題」になると指摘した。今後、加盟国の供給
網接続でエネルギー安全保障の強化や調達の多様化、資源の効率利
用を進める方針。(07:00) 
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ガス生産国、ロシア主導で国際機関 11カ国が発足合意

 【モスクワ=古川英治】世界の主要な天然ガス生産国が参加する
「ガス輸出国フォーラム」が23日、モスクワで閣僚級会議を開いた
。原油価格が急落する中で、天然ガス生産国による公式な国際機関
を発足させることで11カ国が合意した。米欧と対立するロシアが主
導し、生産量や価格を調整する石油輸出国機構(OPEC)になら
ったガス版カルテルの創設もちらつかせている。

 参加国はフォーラムを国際機関に発展させるための「憲章」を採
択した。事務局をカタールの首都ドーハに設置し「様々な分野で調
整を強化していく」(ロシアのシマトコ・エネルギー相)ことで一
致。会議にはかねて「ガス版OPEC」の創設に前向きな発言をし
ていたプーチン首相が出席し「ガス生産・輸出国の利益を代弁する
組織にしなければならない」などと強調した。

 オブザーバーのノルウェーなども含め、会議に参加した中東、北
アフリカ、中南米の13カ国のガス埋蔵量シェアは世界の約7割に達
する。(01:29) 
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OPEC、原油価格引き上げに「失敗」 過去最大の減産も 
(nikkei)
 石油輸出国機構(OPEC)が来年1月から日量220万バレルとい
う市場予想を上回る過去最大の減産で合意した後も、原油価格の下
落には歯止めがかからない。関係者の間では「今もOPECが市場
に大きな影響力を持つと考えるのは幻想でしかない」(英世界エネ
ルギー研究所のレオ・ドロラス主席アナリスト)との声も出始めて
いる。

 ニューヨーク・マーカンタイル取引所で19日、原油先物相場は続
落。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物で
期近の1月物は時間外取引で一時、1バレル33ドル台半ばまで下げた
。通常の取引時間帯となった午前11時(日本時間20日午前1時)現在
、前日比1.17ドル安の1バレル35.05ドル。

(アルジェリア・オランで、清水泰雅) (23:56) 


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