3143.米国と金融破綻の道連れか



質問させて下さい   

 Fさん、いつも記事の内容を楽しみにしています。

経済情勢が大混乱して、アメリカの時代がいよいよ終わりそうな
気配を強く感じさせるニュースが絶えません。日本経済も悲観論が
強まっている中で、日本が世界を救うというFさんの意見には強く
勇気づけられます。

私も経済の勉強をしてこの状況を理解できるようになろうと
いろいろ本を買って勉強をしているのですが、その中で「マネー敗
戦」や「国家破綻」を扱った本があって気になっています。

日本はアメリカ国債を大量に買っているので、アメリカが財政破綻
すれば、それによって大打撃を受けてしまう。もしそうなれば傷が
浅いとされている日本もアメリカと一緒にダメになってしまいます。

アメリカの財政が急速に悪化していることは分かるのですが、財政
破綻するほどの深刻さなのか、日本が立ち直れる程度の影響なのか
どうなのか。
それぞれの関連性が見えていないので分からないのです。

よろしければFさんの見解をお聞かせください。

山本
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(Fのコメント)
山本さん、いい質問です。

1929年から始める世界大恐慌と同じことが、現時点、起こって
いるように感じるのだ。

それは金利引き下げ競争、通貨切り下げ競争で、この次に起こるの
が、非関税障壁や企業への補助金などの保護主義競争である。

中国は、元を切り下げているし、米国は金利をゼロにした。そして
、米国はインドのゼネリック医薬品を安全性の面から輸入禁止にし
ている。これは非関税障壁であり、WTOの違反ですが、WTOに
持ち込んでも、数年の審議が必要で、欧米諸国は、それまでの期間
は、その行為が出来ることになるのですよ。

このとき、日本が円を切り下げたり、ほとんどゼロに近い金利を下
げたりできないので、円高になる可能性が高い。このため、円の下
落ができる円の貸出しを世界にすることで、円が下落することにな
り、かつ、新興国の経済発展を助けることになる。1石2鳥なので
ある。

世界の自動車産業が生き延びるためには、省エネの車が供給できる
ことと伸びる市場が必要ですが、この市場としては先進諸国は期待
できない。私も、10年以上、同じ自動車を乗り続けているし、電
気自動車が買えるまでは、買い替える予定もない。

これと同じことが欧米諸国に起こっているか起こると見ている。
このため、インド、中国、ブラジル、ロシアなどの経済発展が、現
時点では必要なのです。その後、日本などの電気自動車が普及モー
ドになると、その電気自動車を買う人が先進諸国でも出るために、
景気は持つ直すことになる。それまでは、新興諸国の経済にガンバ
ってほしいと思っています。

しかし、新興諸国から欧米ファンドの資金が引き上げられていて、
資金不足を起こしている。この資金を円高の円を貸し出すことで、
経済発展が新興国で持続できると見ている。

円を日本は刷るだけですから、資金を必要としないし、金利が付い
て戻ってくるために、日本の政策銀行が貸すか、有償のODAでも
いいし、低金利で日本企業に貸し出して新興国市場開拓でもいい。
日本企業が進出すれば、新興国市場の開拓も出来る。

そして、日本企業の市場確保を新興国で進めることである。日本の
外貨準備でのドルはおそらく、紙切れになる可能性が高い。しかし
、円が基軸通貨になると、デフォルトを気にすることなしに、少し
前の米国と同じように日本国債を世界が買い始めるために、日本は
国内変革する資金を得ることができるし、円を刷るだけで、何でも
買える。

しかし、経常収支を赤字にすると、その内、今の米国と同じように
破局を迎えるので、いつかは収支均衡させることは必要ですが、金
融業などのサービス産業も活況になり、日本の時代が来ると見てい
る。

今の政府・日銀は、最初は世界の先にいたが、現時点は「TOO
LITTLE TOO LATE」ですね。世界の最後尾になって
いる。全然、今の状況に対して危機感がない。労働組合まで事態を
把握できずに、賃上げなどという頓珍漢なことを言っている。あま
りにも歴史や経済や人間を知らな過ぎである。

現時点、日本は最大のチャンスであるのに、どうして、分からない
のか不思議な感じをしているのですが??


コラム目次に戻る
トップページに戻る