3135.円の世界基軸通貨化を考える



バーナンキFRB議長が行うドルのばら撒きは、いつしかドル暴落とい
う結果になり、次の基軸通貨が必要になる。この時、どの通貨が基
軸通貨になるか、そして、円を基軸通貨にできないかを検討しよう。
                津田より

0.はじめに
 日本の工業技術力は現時点で、世界から飛びぬけた水準にある。
これを実感するのは、いろいろと持ち込まれるコンサルタント案件
であり、日本人、日本文化の能力は、非常に高い。特に高いと思う
のは、新しい商品群であり、この発明品の実力は非常に高い。

しかし、それを大手企業は認めないので、売れないために持ち込ま
れる。その内でも原理が不明であるが効果があるものが多数あり、
この売る能力や見抜く能力が問われ始めている。しかし、持ち込ま
れる物には、まがい物も多数あるので、慎重な目利きが必要である。

論理ではなくて実証の時代になったとコラムでも書いている理由で
ある。持ち込まれた物を大学等に解明をお願いしているが、ほとん
どの物は解明できない。そのような時代に来たが、このことを大手
企業はまだ論理主義であり、認めようとしないことで、日本で発見
された発明品が世に出ていないように感じている。

このように日本はどんどん世界に真似ができない発明品が増えてい
る。画期的な物がどんどん出てきていて、今後世界に商品化すると
世界が変わるものがある。

このような状況である。不況の時代、次の時代を予感する実力が、
日本にはある。COOL・JAPANの真価を発揮するのは、これ
からである。現時点でも世界的な経済力を持っている日本が大きく
なる。経済的に圧倒的な実力ある国がその実力を持って、世界を助
けるしかないと見ている。

これに対して、米国は中国と組んで日本に対抗する布陣ができつつ
ある。ジャパン・ハンドのリチャード・アーミテージが、米国の急
速な中国傾斜に対する日本の不安を和らげる講演会を日本で開くこ
と自体が、米国の中国傾斜を表している。

米国は中国に首根っこを捉れて、元の切り下げに文句の1つも言え
ずに米中経済対話では、引き下がっている。急増する米国債の消化
に躍起となっているのだ。この引き受け手先として、中国しかない
と米国も観念しているのだ。しかし、1929年の世界大恐慌で、
世界各国が通貨切り下げを競った。これと同じことを中国は取り始
めている。

そして、もし中国が国債を買わないと、米国はFRBが引き受けること
になる。これはインフレになって、ドル信認が揺らぎ、ドル暴落に
なると見る。

もう米国の時代は終わった。それを日本も認めて行動することであ
る。そして、世界の経済覇権を日本が取るしかない事態にあるが、
もしここで日本が出ないと、世界経済は大混乱になり、それが日本
経済にも影響することになる。日本企業は世界企業化しているので、
その収益に影響することになる。

円高になることも見えている。このように日本の経済実力を背景と
した円の世界基軸通貨構想を構築する必要があるのだ。ここでは構
想の検討をしたい。お付き合いのほどよろしくお願いします。

1.日本の経済実力について
 日本の経済実力は、工作機械、自動車などの世界シェアに出てい
るが、日本が得意とするのは、村田製作所などの周波数フィルタや
東レなどの炭素繊維、逆浸透膜などの膜技術、医療の世界での医療
技術の数々。IPD細胞やアルツハイマー予防などの最先端は日本
である。今後も日本発の多数の技術が完成するし、製品が出てくる
。これをサポートしているので、よくわかる。

エネルギー系では、高出力の全固体電池の完成が間近であり、メタ
ンハイドレードが日本近海に大量にある。レアメタルは黒鉱ベルト
や海底のマンガン団塊から採取できる。ウランも放射線グラフト重
合でできた捕集装置で海水から採取する実験が進んでいる。その前
には原子力発電所の装置の中核部は日本製鋼所でしかできない部分
があるとうほど、日本の東芝、三菱が強い。アレパも日本製鋼所に
資本参加するほどになっている。

高速電車でも日立がユーロスターを作り、川崎重工が新幹線車両を
輸出している。今後、信号系を含めた鉄道システムとして、世界に
輸出できる可能性が高い。

いろいろな製品の部品としても、日本や中国・台湾、韓国で作って
いる物が多い。しかし、そこへの基礎部品や工作機械となると日本
になる。

この金融危機で、円高と世界株安で日本企業がM&Aで、世界的な
トップ企業を買収できるようになっている。三菱レイヨンなどであ
る。日本企業と組むと得をすることは、フォードの小型車はマツダ
のアテンザと共同車体やエンジンであることで、ビックスリーの中
で唯一、売れる小型を持っていることであるでもわかる。ルノー・
日産も技術は日産で、経営はフランスということになっている。

日本板硝子と一緒になった世界3位のイギリスのピルキントンも得
をしている。社長はピルキントン出身者になり、システムもビルキ
ントンであり、ビジネスもビルキントンであるから、日本板硝子の
技術で、経営はビルキントンになったことを意味している。

売れる物を作り、経営は欧米流という日本企業が増えているように
感じる。今後、日本企業が世界企業家するので、この流れは加速す
るように感じる。

2.経済覇権を取るにはどうすればいいか
 世界経済をどう構想するかが問われている。ビジョンが重要なの
である。世界の体制は変革のときを向かえている。この変革時には
構想をぶち上げることである。

最初にぶち上げたのが英国ブラウン首相の新世界秩序を作り、プレ
トン・ウッズ体制を見直し、新世界基軸通貨を作ろうと宣言したこ
とである。このインパクトは大きかったが、ドルが現時点世界のほ
とんどの通貨に対して強いので、ユーロと言いたいフランスも米国
の報復が恐ろしいので、会議場ではおとなしかった。欧州も証券化
商品を大量に持ち、かつ東欧に多額の資金を入れているので、大き
く傷ついているので、EU諸国の対応だけで、現時点は手が一杯の
状態である。

日本は、その面ではまだ欧米ほどには傷ついていない。このため、
現時点で世界を救えるのは日本しかない。欧米資金の引き上げが世
界的に起こり、このため、新興国では経済活動が止まり始めている。

この引き上げた資金の換わりに円を積極的に貸し出せば、円と直接
、各国通貨が繋がることになる。これにより、円の流通が確立する
。東京金融取引所に世界の主な通貨との先物を行い、ヘッジできる
ようにして、流通体制を確立することも重要である。

もう1つ、湾岸諸国の資金を日本に投資してもらい、資金の供給先
を確保することも必要である。このためには、2010年から始ま
る湾岸共通通貨と円がペッグして、安定的な資金が日本に補給され
る方法を確立することである。このためには、日本だけで動くと、
大きな障害にあるので、英国と共同で動くしかない。日英同盟を確
立してから行動を開始する必要がある。

3.欧州・ロシアと米国の主導権争い
 ボルカーがトップの30人委員会には、17ケ国中央銀行総裁や
経験者を集めて、そこで今後の金融体制を決めるという。米国主導
で金融体制を維持することを狙っていることが明白である。

中国に世界支配に関わらせて、米中で世界支配を行う体制の算段を
し始めているように感じる。中国には、現時点で欧州と戦える状態
ではないので、米国を利用する価値がある。米国は中国市場確保と
米国債を中国に買ってもらえる。

一方、欧州は国際決済銀行(BIS)での規制や国連やIMFで議
論して、EUに有利な金融体制を築こうとしている。EUはロシア
と協調して、ユーラシア大連合を築く方向にある。ロシアが音頭を
取る反米諸国とも連携するようだ。

そして、国連の経済会議が米国以後を検討している。その議論の場
を中東のドーハで行った。このドーハでの会議には米英の2ケ国は
出ていない。反米のデスコト国連総会議長は次回の会議を来年3月
に開くことにしている。ここで、新世界秩序を提案する可能性があ
る。

これに比べて、日本は、そのような戦略がない。このような仕組み
を英国もないことで日本と同じ立場になっている。英国と組むのが
一番、日本にとって有利になるはずである。英国をほっておくと
EUと組むことになり、日本は損な役回りしかこないことになる。

ここは、米中同盟、EU・ロシア・反米諸国同盟に対応する意味で
も日英・湾岸諸国同盟を構築するしかないように感じている。

石油と結びついている湾岸諸国と組むことで磐石な体制を築けるこ
とになる。

第一次世界大戦後、米国が経済的な優位にありながら、世界の経済
覇権を取らずにいたことで、第二次世界大戦になり、戦後に米国は
反省して覇権を英国から譲り受けた。このように覇権は経済的な優
位国に渡さないと、世界の動乱になることが歴史的に証明されてい
る。

今の時点では、日本しかこの優位国はない。しかし、第一次大戦後
でも米国人はモンロー主義になり、覇権を取ろうとしなかった。
これと同じで、日本人も覇権を取ることを現時点では望まないため
に、世界は動乱になると見る。日本が覇権を取り、世界に第二次マ
ーショル・プランを行わないと、大変なことになると見るがどうで
あろうか??

今後の世界の動きが、証明することになる。
麻生首相が、世界の先頭に立つ覚悟が必要である。
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3084.理論の時代から実証の時代へ
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/L0/201019.htm

理論中心主義の欧米から実証中心主義の日本に時代は移った。Fより

企業コンサルタントをしていたり、電気自動車の先生の所にいると
、いろいろな新技術を事業化したいという人たちが来る。この持ち
込まれる技術が、今までの延長上にないものであり、日本の物作り
は新しい領域に入ったと感じている。

新技術を開発する人たちが、持ち込む物は今までの論理的な考え方
からできたというより、ある違うことを実験していたら、できたと
か、理論的には証明できないが、実証的に効果があるような物が多
い。実証的にできたので、なぜそうなるのかの理論を作ってほしい
という依頼も先生のところにはある。

水をチューブに入れると、出てきた水の質が変わっている。チュー
ブの中は仕切り版と水を回転させる穴の空いた板であり、それが回
転しているだけである。回転して攪拌すると、水にナノバブルを生
じ、破裂すると数千ボルトになることは知られている。しかし、そ
のチューブと地面の間に1.5V程度の電位差が生じる。これなど
は、エネルギー保存の法則が成り立たないと思ったが、水の圧力が
あり、そうではないようである。

国立原子力研究所が発見したクラフト重合による消臭やインフルエ
ンザ予防シートなども面白い。この考え方であるといろいろと有効
な物が試行錯誤的にできる可能性があり、今後も大きな期待ができる。
それも国の機関が研究して発見したので、その理論をあまり重要視
させなく、多くの人からその示す効果を見てもらえる。

ゼオライトの応用系も面白い。劣化した油をゼオライトで蘇生させ
る方法を開発した人もなぜそうなるかはわからないようであったが
、結果は良好である。ゼオライトは将来性があり、いろいろな分野
で利用可能性である。これも理論より実証型の研究になるしかない。

もう1つは、トランス回路を使ったいろいろな物が持ち込まれてい
る。この電磁気回路は、まだ十分にわからないことが多く存在して
いるように思える。水をガスにしたフランガスの発生装置も回路は
電磁気回路である。

しかし、現時点、そのような物を持ち込まれても、多くの人が信用
しないために、日の目を見ないことが多い。エネルギー保存の法則
から見ると信用できないことが起こる。私Fはエネルギー保存の法
則が辛うじて成り立つような物に作り直してもらうか、説明を変え
てもらい保存の法則で説明できる形にしている。

このように、理論から離れた物が多く出てきて、それが科学の方程
式からは出ないことで、日本の研究の優位を保っている。

日本の技術者は実験から物を考えていることで、この面で日本の一
人勝ちになると見ている。研究者が泥まみれで実験を繰り返してい
ることが重要なのである。

次の産業革命には実証的な研究で、豊富な実験データを何年も積み
上げたことで達成すると見ている。米国や欧米は、この実験も積み
上げも不足して、理論でその不足分を埋めようとしている。

しかし、ゼオライトや水の動きなどは複雑な理論になり、現時点で
は理論化ができない。実験しかないのである。日本の研究者の忍耐
力、実験力が、日本に多くの優れた物を生み出す産業革命を起こす
ことになると見ている。

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2962.日本でレアメタルを掘り出す
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/L0/200617.htm

レアメタルが日本にもある。これを掘り出せばいい。  Fより

黒鉱は東北地方に位置している。この黒鉱が既に閉山されているた
めに、再度開発する必要がある。また、日本は世界6位の海洋面積
を持っている。排他的経済水域内の海洋面積になると世界でも有数
の大国である。この海洋上に沢山の資源がある。これも開発すれば
いい。

1.日本での地下資源
日本でも黒鉱ベルト(グリーン・タフ)と呼ばれる、鉛、亜鉛、バ
リウム、アンチモン、ビスマスを豊富に含む鉱床が存在するが、硫
化鉱と諸金属からの分離に手間がかかるために、従来はコスト的に
引き合わなかったため採掘は行なわれていなかった。これも、21世
紀から始まったレアメタルの価格高騰が続けば、今後の開発も現実
味を帯びてくる。

黒鉱(くろこう)とは、日本海側の鉱山で採掘される外見の黒い鉱
石の総称である。黒い鉱石の正体は、閃亜鉛鉱(ZnS)、方鉛鉱(PbS)
、黄銅鉱(CuFeS2)などであり、それぞれ亜鉛や鉛、銅などの鉱石
として広く採掘された。この中にレアメタルもある。

黒鉱は海底へ噴出した熱水から沈殿した硫化物などが起源であると
考えられている。日本国内に見られる黒鉱の大半は、新生代第三紀
のグリーンタフ変動に伴って生成されている。黒鉱の周囲には金や
銀などが濃集することから、江戸時代には主にそれら貴金属が、明
治時代に入り精錬技術が向上するにつれて黒鉱自体が注目されるよ
うになった。また、黒鉱は金属鉱物のみでなく、大量のゼオライト
や石膏、重晶石などを従う。また、現在レアメタルの存在も期待さ
れている。現在、黒鉱で有名な小阪、吉野、花岡鉱山は閉鎖されて
いるので、再度生産を開始する必要がある。

2.海洋資源の開発
日本の排他的経済水域内にはレアメタルの含有量の高いマンガン団
塊や熱水鉱床があり、開発が期待される。

マンガン団塊が、発見され報告されたのは意外に古く、100年以上も
前の1891 年のことだ。英国がチャレンジャー号という船で、世界
一周の学術探検航海を行ったときに、太平洋の深海底から発見され
たのだ。その後、マンガン団塊は特に注目されなかったが、海の研
究がさかんになった1957年に、米国で、マンガン団塊に関する研究
会議が開かれ、経済的な重要性が指摘された。その後、米国の政府
機関や大学・研究所が調査に乗り出し、1970年代になると、民間会
社も調査や開発の研究に乗り出し、”人類最後の資源”といわれる
ようになった。深海底の資源は誰のものかという、人類が初めて発
見した深海底資源についての問題がもちあがり、第3回国連海洋法
会議で討論した結果、深海底の資源は人類共通の財産であるという
理念がだされ、1982年に一応の結論が出された。しかし、その後20
年余り経過した現在でも、その利用についてはあまり進んでいない。 

マンガン団塊は、深海底に分布する、鉄とマンガンの酸化物・水酸
化物を主としたかたまり、と定義されている。形は球状のものが主
だが、ぶどう状や板状のものもある。普通は3〜10cmぐらいの大き
さのものが多い。その内部構造は、中心核、内部、殻と3つの部分
から出来ている。中心核は外来物からなり、岩石片やプランクトン
の殻、サメの歯などででき、内部は年輪状構造を示し、金属の濃縮
している部分と、そうでない部分から出来ている。黒褐色の殻は
1〜2mmの厚さで、表面を覆って、これらの構造から、マンガン団
塊は外側に向かって成長するらしいことがわかる。その成長速度は
、深海底で百万年に0.3〜100mmだと推定されている。およその見当
としては、百万年に1cm位の成長速度と理解されている。 

有用な元素としては、マンガンと鉄の含有量が多く、ニッケル、コ
バルト、銅は含有量が少ないながら、有望な元素としてある。マン
ガン団塊の総資源量(埋蔵量)の3兆トンにもなる。

また、熱水鉱床は、海底火山活動のみられる中央海嶺(大洋の中央
付近にみられる海底山脈)や火山性列島の周辺海域に、熱水鉱床が
知られている。
このような海底には、熱せられた高温水(数百度に達する)が、海
底の割れ目を通して噴出している。噴出孔とその周辺には、熱水か
らの沈澱物が堆積して、スモーカーと呼ばれる煙突構造(5 mに達す
るものもある)やマウンド(小高い山)構造をつくる。これらの沈
澱物には、しばしば有用金属(鉛、亜鉛、銅、銀、金など)を大量
に含み、陸上の金鉱よりも高い金含有量を示すものもある。

海水にも有用金属が、微量ながら含まれている。これをホヤなどの
動植物で集積して、それを取り出す研究も開始している。日本は資
源大国であるが、今までコスト的に引き合わないので、掘り出して
いない。

江戸時代には、日本は金や銀、銅の世界的な産地であったこともあ
るのだ。コストより高い売価になれば、再度掘り出せばいいのであ
る。

(参考)
Marine Information Research Center
          http://www.mirc.jha.jp/index.html
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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2885.都市鉱山からの資源回収について
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/L0/200316.htm

都市鉱山から鉱物資源回収を検討しよう。    Fより

昨日のNHKサイエンスゼロは生物利用をした資源回収を特集して
いた。都市鉱山、特に携帯電話1トンから金が300gも取れるが
、レアメタルなどは、携帯電話に微量しか含まれていないために、
取り出すことが難しい。このため、微生物を利用して濃縮しようと
いう考え方が出ているという。

このことを専門家は「微生物の生体機能を利用する金属の回収ーミ
ネラルバイオプロセッシングやバクテリアリーチング」と言うよう
だ。微生物を利用した環境浄化は、バイオレメディエーションと呼
ばれている。同じことであるが利用方法で言い方が違う。

今までは、鉱山などでバクテリアを利用し、効率よく金属を溶出さ
せ排水される溶液から有用金属を回収することが研究テーマであっ
た。実際に、低品位鉱石から銅やウランなどの資源が回収して例と
して、岩手県の土畑鉱山では年間10トン程度の沈殿銅を回収してい
る。

環境浄化としては,鉱山坑廃水処理への利用があった。現在,岡山
県の柵原鉱山では、鉄酸化細菌を利用して鉄を酸化し,pHを調整し
て水酸化第二鉄として沈殿させ,無機凝集剤として利用していたり
、岩手県の松尾鉱山では,坑廃水の中和処理を効率的に行うため,
鉄酸化細菌を利用しているようだ。 

そして、北海道の足寄町「湯の滝」のマンガン酸化菌がクローズア
ップされている。湯の滝は、世界で唯一の「生きているマンガン鉱
床」であることが分かってきた。「生きている」とは、微生物の作
用によって、現在も鉱床の形成が進行しているということだ。 

 この湯の滝で明らかになった鉄やマンガンの形成過程は、太古の
大鉱床形成の秘密を探る糸口として世界的に貴重な存在であること
が知られるようになった。湯の滝でのマンガン生成は、マンガン酸
化細菌と糸状藻類からなる微生物共同体が、温泉水中のMn2+をMnO2
(二酸化マンガン)の粒子に変えており、鉱床の生成速度は2〜3cm/
年と推定されている。鉱床のコアをX線照射してみると縞(しま)状
に見え、その縞状組織は季節による微生物活動の差を反映している
ようだ。 

深海にもマンガン酸化物団塊に、他の金属が付着していることが知
られているようにマンガン酸化菌が生成するマンガンには他の金属
が付着しやすいのであろう。

このマンガン酸化菌は排水処理として、重金属の除去にも重要な役
割を果たすことが知られている。マンガン酸化菌以外にも金属イオ
ン還元細菌からレアメタルの回収も試みもされている。

この微生物利用の金属回収分野では、帰納法的な手法になるために
地道な調査が必要であり、かつ多様な環境での微生物資源が多い日
本が一番進んでいるようである。

さあ、どうなりますか??
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(1/12)日本に巨大な「都市鉱山」――製品含有の蓄積量を試算

 家電製品などに含まれている金、銀やインジウムなどの希少金属
は、リサイクル可能なため「都市鉱山」と呼ばれるが、日本国内の
蓄積量は世界有数の資源国といえる規模だとする試算結果を、物質
・材料研究機構(茨城県つくば市)が12日までにまとめた。

 金は約6800トン、銀は約6万トンで、それぞれ世界の埋蔵量の
約16%、約22%に相当。液晶などに使われるインジウムは世界の埋
蔵量の約61%に上った。

 同機構は「こうした資源を含む製品は、使用済みになると廃棄物
として海外に出ていくものが多い。国内に眠る資源を活用する研究
を進めたい」としている。

 同機構は、希少金属など20種類について、貿易統計などを基に、
素材のほか部品や製品に含まれる輸入量から輸出量を差し引いて算
出した。製造中や使用中、廃棄物の製品の量を含んでいる。

 天然資源として産出する国と比べると、金、銀、鉛、インジウム
は世界最大の資源国より多かった。

 世界の年間消費量と比べると、リチウムは7倍以上、燃料電池の
電極に不可欠とされる白金は約6倍の“埋蔵量”があった。〔共同〕
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独立行政法人物質・材料研究機構が発表したレポートでは、資源小
国であるはずのわが国に、世界有数の金属資源が眠っているという。

都市鉱山で“国内埋蔵量”の多いのは以下のような資源。

 インジウム:1,700トン(世界の現有埋蔵量の61%)
 金:約6,800トン(同16%)
 銀:60,000トン(同22%)
 アンチモン:340,000トン(同19%)
 スズ:660,000トン(同11%)
 タンタル:4,400トン(同10%)

 これ以外にプラチナは“埋蔵量”2,500トンで現有埋蔵量の3.6%
だが、世界の年間消費量の5.4倍にもなる。リチウムは同じく7.4倍
、インジウムは3.8倍だ。

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