3124.省エネ・省資源生活は健康につながる その1



省エネ・省資源生活は健康につながる その1

                  平成20年(2008)11月25日(火)
                  「地球に謙虚に運動」代表 
                         仲津 英治
                

省エネ・省資源生活は健康につながる その1
               
 今月、大学のクラブの勉強会を兼ねた同窓会で愛知県がんセンターの所長を
している田島 和雄博士から「がんの予防法」についてお話を伺う機会がありま
した。我意を得たりと思った点が結構ありましたので、その話も踏まえ衣食住
に関わる自己実践の例を紹介させて下さい。まず衣食からです。

1.	衣
 ワイシャツ1枚作るのに、石油1リッターのエネルギーを必要としているとの
情報を伺ったことがあります。人間一日の発熱量の4倍に当たる約9800キロカロ
リーに相当します。200リットルのお風呂を15℃から40℃のお湯に温めるのに
必要な熱エネルギーの倍に近いエネルギー量です。
 昨今、石油価格の上昇が如何に物価を押し上げ、生活を圧迫し、消費を冷え
込ませるかを実感できました。

 石油を大量消費する贅沢は、いずれ我々の将来を苦しいものにし、また子孫
に付けを回すことになるでしょう。少な目の衣料品で、しっかりしたものを長
く着る姿勢が要ると思います。私は未だに学生時代の登山用チョッキとか、青
年時代のブレザーなどを愛用しています。若い頃は何時も同じものを着ている
ねと冷やかされましたが。

2.	食
 冒頭紹介した田島所長の「がんの予防法」には6項目ありました。
まず、禁煙、節酒です。次いで節塩料理。3番目に緑黄赤の野菜&果物の摂取、
4番目に和食を頂くこと、5番目に一日二食に控えること、最後はにこにこ運
動でした。

煙突と言われるくらい愛煙家であった私は、数年間の紆余曲折を経て禁煙に成
功して以来、30年になります。肺活量は4800〜4900CCあり、同年輩として
はかなり多いと看護師さんから褒められています。

お酒は好きな方で、晩酌を欠かさなかったのですが、肝解毒機能の活動性を示
すγ-GTPが数年前に数百と急上昇し、肝臓が喘ぎ始めたようなので週一回の休
肝日を設けるようになりました。今は100前後に安定していますが、標準値を越
えており、これは酒を愛するものの宿命でしょうか。

塩辛いものはかなり控えています。塩分は、胃がんを誘発させるピロリ菌を元気
にさせるそうですね。野菜、果物は毎食時に摂るようにしています。

そして基本は和食にしています。お米は最高の栄養食品だそうで、アジアの多数
の人口を支えています。2007年の厚生労働省のデータによれば、日本人の平均
寿命は男が79.2歳で世界第2位、女が86.0歳と世界でトップなのも和食が主要因
であるとのことです。
大豆と大豆製品(納豆、豆腐、豆乳など)は連日頂くようにしています。新鮮な
魚は貴重な蛋白源であり、海草は栄養のバランスを保つのに良いようですね。そ
して魚油ががん予防になるとか。和食の素晴らしさを再認識したいものです。

それと平成13年(2001)12月から実行している一日二食です。当時東京単身赴任
中で、体重が増加傾向にあり、断食家の勧めもあり、思い切って一日二食に切り
替えたのです。相撲取りは一日二食で、あの巨体を維持しているとの話から、却っ
て太るぞと冷やかされましたが、やはり入れる絶対量を減らせば、体重は増えま
せん。ここ7年間60―62キロの間で安定しています。日本人は鉄農器具の発達した
鎌倉時代から一日三食になったそうですが、50歳を越えると間違いなく三食は栄
養過多のようです。お酒を頂くとき、ご飯は控えています。麦の汁であるビール
とかお米の汁であるお酒を頂いた上に穀類を摂りますと間違いなく体重増加につ
ながります。

にこにこ運動として、田島博士は週2回8キロジョギングに一日一万歩を心懸けて
いるそうですが、これは私には無理です。ただし3年前に購入した携帯電話に付い
ている万歩計に拠れば、一日平均1万歩は歩いています。ざっと6−7キロになり
ましょう。

牛肉、豚肉、牛乳などの動物食は、控えています。昨今日本人に大腸がんが急増
しているのは、間違いなく、食事内容の欧米化つまり動物食の摂取が増えている
からとのことです。牛肉を毎日のように食べ、食後のデザートに丼並みのケーキ
クリームなど頂く、米国人はほとんどメタボリックのように見えます。最近米国
内航空機の燃料消費が増えたのは、米国人の体重が増加したからだとの統計を見
ました。また、動物食は土地とエネルギーの多消費に繋がります。1:2:4:
11という数列比があります。1キログラムのトウモロコシが得られたとします。
同じ1キロを鶏、豚、牛で得ようとすれば、この数列比に比例するトウモロコシ
をそれぞれに与える必要があるということです。つまり牛肉1キロを得るのに飼
料として11キロのトウモロコシが要るのです。

本日大阪市大の貫上佳則教授の講演で、トウモロコシ1キロを収穫するのに1,100
リットルの水を必要としますが、牛肉1キロには実に15,000リットルの水が要ると
の推計も伺いました。水をたわわに湛えた水田で育てるお米1キロには1,900リッ
トルの水が要る由。それの8倍です。人工的牧畜業は実に環境負荷の高い農業なの
です。そして反芻動物である牛は、炭酸ガスの20倍もの温暖化ガスであるメタン
を人間の500倍も排出します。

田島博士の講演後、話し合って意見が一致したのは、身土不二→「一里四方のも
のを食むれば、病知らず」という昔からの言葉に基づく生活態度です。「体は土
から得られたものを摂取して成り立っているのであるから、身体と土は別のもの
ではない」という考え、そして「近在のものを戴いておれば、病気にならない」、
ということでしょう。地産地消こそ健康増進に繋がるようです。

しかし、スーパーマーケットに時折、女房に付き合いますが、野菜類も、魚介類、
肉類などほとんどが、全国から運ばれており、外国産も多々あります。石油で成り
立っている典型事例でしょう。女房は、自宅栽培の野菜と、近所の自作農爺さん
の減農薬野菜を購入して手料理を作ってくれていますが、これから足らざる分は、
地元産の多い道の駅で買うことを奨めようと思っています。

 また毎日摂取するものが健康維持に大事とのこと、水と主食の米でしょう。自宅
では、新幹線電車にも使われている、活水器を活用しています。活水器を経た水は
釘などを錆びさせにくい効能があります。健康を害する酸化作用を防いでくれるの
です。
またお米は、琵琶湖対岸の東近江の仲岸夫妻が栽培経営しているネイチュアージャ
パンと年間契約しており、無農薬米で7分搗きのものを戴いています。5分搗きだ
と舌触りが引っかかる感じなので、一応玄米の良さを残していて薄茶色の7分搗き
です。

 続いてのポイントはEMの活用です。EMとはEffective―Microorganismsの略で、
有有用微生物群と呼ばれています。琉球大学の元教授比嘉照夫氏の発明による、光
合成金、乳酸菌、酵母菌(イースト菌)をメインとする微生物の集合体です。

 EMは自宅で生ごみを専用醗酵バケツで堆肥にしてくれます。生野菜などの料理
くずを細かく切って、醗酵バケツに入れ、EMと米糠などを混ぜたEMぼかしを振り
掛けます。バケツにある程度生ゴミが溜まるとフタをして、1ヶ月くらい寝かせま
す。その間バケツの下層部に発生液が溜まるので、それらを毎日、肥料として使う
か、下水へ流します。下水はEMによる分解作用によって、スムーズに流れます。
1ヶ月寝かせたEM生ゴミは漬物のようになっており、それを堆肥としてプラン
ターの土と混ぜ、さらに1ヶ月寝かしますとほぼ土に還っています。そこで野菜
の種撒きを行ない、春秋夏初冬に収穫を得ています。
 
また、できるだけ旬のものを頂くようにしています。生き物の旬とは子孫を残す
ために栄養価の高い状態になっていることを言うのです。その旬の命を戴いてこ
そ、健康が増進されるのです。真冬のトマト、キュウリ、茄子などは温室栽培で、
栄養価も少なくしかもお腹を冷やします。得られるエネルギーは投入量の10―40
倍で、石油をがぶ飲みしているようなものです。

 摂取する食物の種類ですが、健康雑誌などでは一日に30種類以上が勧奨されてい
ますね。私は時折、女房の手料理などを戴く際、1品ごと目勘定することがあります。
間違いなく一日に30種類以上の食物を戴いているようです。

 前述のEMは、生ゴミの堆肥化以外に飲用、散布して臭い消し、薬などに活用して
います。EMを柑橘系の液で培養したEMWという液状の製品です。拭き掃除、臭い
消しなどの目的で売られているものですが、お酒を戴き過ぎてもEMを数滴、お茶
などに入れて飲んでおくと二日酔いになりにくいとの説を聞き、平成5年(1993)頃か
ら飲み続けています。胃腸の調子も良いですね。腸内細菌のバランスが良くなって
いるのでしょう。我々は微生物と共生しています。

EMは、トイレの消臭、また野良猫などの動物糞の臭いを消し、堆肥化してくれる
機能もあります。EMは菌で構成されているとは言え、腐敗作用どころか、治癒改
善機能があるようで、ちょっとした傷なら、傷口に塗っておくと早く治るようです。
何度も試していますので間違いありません。同様の体験談を試している人からも伺
います。

次回には、「住」ついて紹介したいと思います。宜しくお願いいたします。

「地球に謙虚に」運動代表
 仲津 英治



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