3113.金融サミットの結果



金融サミットは原則論を確認して閉幕したが、歴史的な会議になっ
た。               Fより

英国と日本の立ち位置が同様であることがわかった。米国とEU・
新興国の中間という位置づけで立ち、当面ドル基軸通貨を維持する
ことも同じである。日英同盟をもう一度構築して、将来的に米国が
軍事力も落ち、経済力も落ちた時、共同で世界に出て行く可能性が
ある見た。

英国はフランスのサルコジ大統領が主張する金融規制を強化して、
まるでロシアのような国家経済主義の体制にすることに反対である
。EUはドイツもロシアとの連携を模索しているので、国家経済主
義にシンパシーを感じているようだ。まるでヒットラーが行った経
済体制と同じような体制にすることが、この大恐慌では重要と見て
いるように感じる。

日本も今後、日本企業が世界各地で活躍できる自由性を確保する必
要があり、国家主義には反対である。ここが日英の利害が一致する
ようである。しかし、米国の行き過ぎた市場経済には歯止めが必要
である。ここも一致できる。

日本はIMFや世銀とともに、世界を助けるために外貨準備のドル
を使うという。中国は積極的に関与するというが、IMFポストの
見返りを要求するために、明確化していない。日本は専務理事クラ
スのポストを要求するべきなのに、明確に要求しない。

これは国際政治の原則からもおかしいと感じるし、国民が納得しな
い。麻生・中川コンビはもう一歩、見返りの国益も視野に入れる必
要がある。欧米諸国は、日本から甘い汁だけを吸い、重要ポストな
どは上げない、欧州各国は白色人中心主義であり、悪巧みをするこ
とを歴史が教えている。このため、絶対に見返りを要求するべきで
ある。それも明確に国民に対しても言うべきである。そうしないと
国民感情的に、また日本は欧米に奉仕しているだけという意見が出
てくる。

円での拠出をどうして、言わないのかも大きな不満である。円ベー
スの買出しは、新興国も日本にとっても、ベストなはずであり、
その観点を言わないことは、非常におかしいと感じる。

米国の衰退で、将来的にはドル基軸に変わる地域基軸通貨や世界通
貨という選択が起こる。このときを踏まえて、円ベースでの貸出し
を増やすことが、極端な円高を防ぐ効果もある。拠出額も大きくで
きる。

まあ、世界へのお披露目として、麻生・中川コンビは及第点であっ
たと思う。次回以降に日本の国益を見て、日英連合を構築して、円
ベースでの貸出しと世銀やIMFの上級ポストや国連の常任理事国
入りを言ってほしいですね。

さあ、どうなりますか??

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首相、英首相などと首脳会談 IMF機能強化で一致
(nikkei)
 【ワシントン=中山真】訪米中の麻生太郎首相は14日(日本時間
15日)、ワシントン市内で英国のブラウン首相、ブラジルのルラ大
統領、インドネシアのユドヨノ大統領と相次いで個別に会談した。
各首脳とは金融サミットで日本が提案する国際通貨基金(IMF)
の機能強化の必要性で一致。実体経済への影響を抑えるための政策
実行の重要性も確認した。

 ブラウン首相とはドル基軸通貨体制の維持に向けた協力で合意。
麻生首相はIMFの融資拡大に向けて日本が外貨準備から1000億ド
ル拠出する方針を説明し、ブラウン首相は産油国などによる資金拠
出にも期待感を示した。アフガニスタンでの対テロ戦争に関し、麻
生首相はインド洋での給油活動を継続する考えを伝えた。
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サミット閉幕、金融市場改革へ協力強化 09年4月末までに再会合
(nikkei) 
 【ワシントン=川上穣、古川英治】金融と世界経済の安定化策を
話し合う緊急首脳会合(金融サミット)は15日午後(日本時間16日
午前)、宣言を採択して閉幕した。閉幕後に、議長を務めたブッシ
ュ米大統領が会見した。 

 各国の協力を強化すると同時に金融システムの改革を進めると宣
言した。世界的な不況の連鎖を回避するため金融・財政政策の協調
や国際通貨基金(IMF)などの融資を通じ新興国や途上国へ流動
資金を供給することを確認。金融市場改革のための共通原則を採択
した。 

 具体的に(1)市場の透明性と金融機関の説明責任を強化(2)市場の
適正な規制と監視の強化(3)各国の規制当局の連携(4)新興国の発言
権の拡大などを含む国際金融機関の改革――などが盛り込まれた。
優先度の高い項目を「行動計画」として規定。実施状況を協議する
ため、2009年4月30日までに再度会合を開くことを決めた。 (04:25)
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市場、リスクを適切に評価せず 金融サミット宣言骨子
(nikkei)
 【ワシントン=米山雄介】日米欧に新興国を加えた20カ国・地域
(G20)の緊急首脳会合(金融サミット)が15日(日本時間16日)
発表した「金融・世界経済に関する首脳会合宣言」の骨子は以下の
通り。

 〔危機の根本的な原因〕
 高い成長、資本フローの伸び、安定が続いた期間に、市場参加者
はリスクの適正評価なしに高利回りを求め、脆弱(ぜいじゃく)な
引き受け基準、不健全なリスク管理慣行、複雑で不透明な金融商品
と結果としての過度なレバレッジが、システムを脆弱(ぜいじゃく
)にした。

 いくつかの先進国では、政策・規制当局はリスクを適切に評価せ
ず、金融の技術革新についていけなかった。背後にある主な要素は
、一貫性と調整のないマクロ経済政策と不十分な構造改革などであ
り、これらが世界的マクロ経済上の持続不可能な結果を導いた。

 〔とられた措置及びとるべき措置〕
 ・努力の継続と金融システム安定に必要なあらゆる追加的措置の
  実施
 ・適切と判断される場合における金融政策による支援の重要性を
  認識
 ・財政の持続可能性の維持に資する政策枠組みを確保しつつ、状
  況に応じ、即効的な内需刺激策の財政施策を活用
 ・新興国、途上国の資金調達を支援。危機対応におけるIMFの
  重要な役割を強調し、新たな短期流動性ファシリティーを歓迎
 ・世銀、国際開発金融機関が開発支援にその能力を活用するよう
  奨励
 ・IMF、世銀、国際開発金融機関が危機克服で引き続きその役
  割を果たすために、十分な資金基盤を確保

 〔金融市場の改革のための共通原則〕
 ○危機の再来を防止するため、金融市場と規制枠組みを強化する
  改革を実施。規制当局間の国際連携、国際基準の強化及びその
  一貫した実施が必要。金融機関もまた混乱の責任を負い、その
  克服のために役割を果たす。
 ○われわれは以下の改革のための共通原則と整合的な政策の実施
  にコミット
 ・透明性及び説明責任の強化
  複雑な金融商品に関する義務的開示の拡大、金融機関の財務状
  況の完全・正確な開示の確保を含め、金融市場の透明性を強化
  。インセンティブは過度のリスクテークを回避するように調整
 ・健全な規制の拡大
  すべての金融市場・商品・参加者が、状況に応じて適切に規制さ
  れ、あるいは監督の対象になることを確保することを誓約。合意
  され強化された国際的行動規範に整合的に、信用格付け会社に対
  する強力な監督を実施。規制枠組みを景気循環に対してより効果
  的にする。国内規制制度の透明性の高い審査にコミット

 〔閣僚及び専門家への指示〕
 ○財務大臣にG20指導国(ブラジル、英国、韓国)の調整により
  、プロセス・スケジュールの開始を指示。具体的な措置の最初
  のリストとして、2009年3月31日までに完結すべき優先度の高い
  行動を含めて添付の行動計画に規定。ほかの経済国や既存の機
  関が任命する専門家の提言を参考にしつつ、各国の財務大臣に
  対し、以下の分野が含む追加的な提言の策定を要請
 ・規制政策における景気循環増幅効果の緩和
 ・市場混乱時の複雑な証券についての国際会計基準の見直しと調整
 ・信用デリバティブ市場の強靱性と透明性の強化及びシステミッ
  クリスクの軽減
 ・リスクテークと技術革新へのインセンティブに関連する報酬慣
  行の見直し
 ・国際金融機関の権限、ガバナンス及び資金需要の検討
 ○われわれは、金融システム改革におけるG20の役割にかんがみ
  、今次原則と決定の実施をレビューするため、2009年4月30日
  までに再び会合する。

 〔開放的な世界経済へのコミットメント〕
 ○保護主義を拒否し、内向きにならないことの決定的重要性を強
  調。この観点から、今後12カ月の間に、投資・貿易に対する新
  たな障壁を設けず、新たな輸出制限を課さず、WTOと整合的
  でない輸出刺激策もとらない。
 ○WTOドーハ・ラウンドを成功裏に妥結に導く大枠について本
  年合意に至るよう努力。貿易大臣にこの目標の達成を指示し、
  必要に応じ、直接支援する用意をする。
 ○現下の危機が途上国に与える影響に留意。ミレニアム開発目標
  の重要性、開発援助に関するコミットメントを再確認


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