3093.実証研究成果で不況を乗り越えろ!!



国内のよい研究を生かして、不況を乗り越えるしかない。Fより

超円高を日本の勝利と評論する評論家には、日本の中小企業の苦悩
が理解できないようである。朝日テレビの解説者も超円高を喜ばし
いと評論する。超円高で日本の製造業が破綻する瀬戸際という視点
が、マスコミ・評論家に無さ過ぎである。

いろいろな中小企業を見ていると、今でさえ苦しいのに、超円高に
なった時に、日本の製造業、とりわけ精巧な部品を作り、日本製品
の品質を上げてきた中小企業がどうなるのか、難しい問題に直面す
るように思う。

しかし、赤字国債を一切、出さないと麻生首相は言うことで、内需
拡大をしないと言っている。最終需要がなくなるのに、銀行の貸し
渋りを問題にしている。麻生首相の景気対策はピントがずれている。

このままでは、農村でも中小企業でも支持を失い、自民党政権も長
くない。都市部でも自民党は大敗する可能性が出てきている。

しかし、政府に頼れないので、中小企業は自身で生き残りを考える
しかない。

不況の時、企業は仕事量が減り収入がなくなり、従業員の削減や固
定費の削減などを行うこと共に、研究開発などの日頃時間が無く、
できていない新技術の開発が重要になる。来年中、景気は低迷して
今以上に悪くなり、円高で外需も期待できない。

しかし、基礎的な新技術を開発するのは難しいが、既存の新技術の
応用製品を開発することは中小企業でもできる。自企業が得意とす
る技術や需要家のニーズとシーズとなる新技術を組み合わせること
で、新製品が生まれることになる。

日本の出願特許数は世界で一番であり、その特許情報は公開してい
るし、実用新案も非常に多い。このほとんどが使われていないか、
ニーズが読めなく製品化ができていない。非常に日本として機会損
失が大きい。

新技術を開発するシーズを志向する技術者や企業と消費者や需要家
のニーズを繋ぐシステムインテグレータや製品企画機能が、日本企
業は弱くて、実証的研究でよい技術を研究者が開発しても、その良
さを消費者や需要家にアピールできずにいる。

米国や欧州は、日本の新技術を評価する機能が強くて、高価格でそ
の人や新技術を買い取ってきた。しかし、リスク資産への投資が凍
りつくので、日本発新技術を日本企業が見直して、そのニーズを日
本企業が開発することである。

中小企業の特許を中小企業が使うことで製品化することも重要であ
る。大企業は、今でも多くの新技術を持ち込まれていて、そのほと
んどがガセネタのために、本当によい新技術でも断っていることが
多い。

このため、中小企業同士が組んで事業化することが必要になってい
る。それもある分野で、見る目を持っている複数企業が集めれば、
よい結果を残せるように感じている。

そうしないと、超円高で、日本企業は生き残れない。それでも大企
業は世界で一番安い所に工場を作り、生き残れるが中小企業はそう
いうわけにはいかない。

そうすると、残すは日本発の新製品開発しかない。日本が世界に誇
れる技術が、どんどん出ているのを製品化することである。そして
日本の需要家レベルはエンドの消費者のレベルが高いので、製品に
期待する品質要求が高い。それを達成する新製品は世界に売れる可
能性が高い。それを実感するこの頃である。

どうか、企業の皆様、生き残りを掛け、日本にしかない新製品を開
発しましょう。これしか、超円高の日本企業が生き残る道はない。



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